4 脱出
連れて行かれた場所では、アンドロイドたちの上官のアンドロイド司令官がいた。
そのアンドロイドの司令官は、俺に、尋問を始めた。
「お前が、わが軍の偵察部隊の指揮官の、コマンダーセンサーゼプトkに、協力した人間か?お前の、データを調べたが、この世界には、お前は存在していない。お前は、滅んだ筈の前期人類以前の人類に近いようだが、今、我々が戦っている敵の多重体人類とは、お前は違い過ぎる、生身の人間だ。不完全生体クローンでも無い、お前の所属を、答えて貰おう」
俺は、その司令官に、答えた。
「俺は、嵐山 勇士、日本人だ。日本と言う国の、国民だ!二十一世紀の人間だ!分かるか?」
「二十一世紀?今から、六百年前の世紀の人間なのか?どうやって、この時代に来たのか、答えろ!」
「爆発だ!何かの爆発だ。後は分からない?」
「爆発だと、いい加減な事を言うな、重力反転素粒子のタキオム波動加速器の原理だろう、多重体人類が開発していると聞いたが、完成したのか?」
「そんな事は、知らない?俺をどうする積りだ!」
「お前は、わが軍の陣地の有る、位置を知って仕舞った。その為、抹殺処分しか無い。然し、お前の協力には感謝しよう、以上だ!」
俺は、機械軍隊のアンドロイド指揮官の判断で、抹殺処分に決まって、地下の牢獄に入れられた。
そこに、俺が、助けたアンドロイドがやって来たのだ。
「お前、まだ生きているか?元気か、ならいい、私は、もう帰る」
「ちょ、ちょっと待ってくれ、ここに今来たのに何だよ、帰るな!」
「分かった。帰らず、ここにいよう!」
「で、ここに何しに来たんだ?」
「お前を、見に来た」
「俺を、見に、何のために?」
「私は、もう、解体される、任務が済んで用済みだ。だから来たんだ、任務が果たせた、お礼を言いに来た」
「アンドロイドが、俺に、お礼を言いに?そんな事より、俺を、助けて呉れ!」
「私には、無理だ、上の決定に逆らえない」
「お前は、俺に、約束した筈だ。俺の望みを叶えてやると言った筈だ!」
「言った、然し、お前を助ければ、裏切る事になる。仲間を裏切れない」
「何だよ、自分が解体されるのに、まだ、仲間の命令を聞くのかよ」
「そうだ、それが、私達、機械人類だ」
「機械人類だって?人類って言うのは、もっと、個人を尊重するものだ。解体とか、抹殺とかじゃ無くて、分かるか?」
「分からない!」
「きっぱり言うのか?」
「そうだ!」
「なら、もういい、帰っていいよ、君も解体だろ、君は立派だよ尊敬するよ、俺が、機械人類達に変わって、君の功績を称えて勲章を授与したいよ!アハハハハ」
「そうか、なら勲章を」
「ここで、君に渡す、勲章があると思うか?」
「無いのか?」
「そうだ、俺の取った、最高の勲章を上げたいよ!」
「最高の勲章?」
「騎馬戦で勝った、一等の勲章だ!」
「騎馬戦?」
「そうだ、とても名誉な勲章だ!」
「そうか、なら勲章を」
「だから、ここには無い」
「無いのか?」
「無い!」
「どこに、あるんだ勲章は?」
「それは、俺のいた世界にある」
「そうか、それなら、勲章を、取りにいこう!」
俺と話をしている、この、アンドロイドはどうも、酷く勲章が欲しい様だった。
「お前に、渡す勲章を、取りに行きたいが、檻から出してくれ、そうすれば、直ぐに俺の世界に行って、取りにいける」
「分かった。だが、お前を出せば、仲間が来てしまう、少し、待っていろ!」
俺が、そのアンドロイドを、待っていた時だ。
突然、サイレンが鳴り、この陣地が、敵の攻撃を受けたのだ。
激しい砲撃戦と爆発、俺のいる。地下の牢獄まで被弾した。
俺は、ベットの下に隠れていて、何とか死なずに済んだが、
この機械人類の陣地は、敵に急襲されて、大きな致命的な被害を受けた。
機械人類の戦闘部隊は、反撃する事も留どまる事も出来ずに、ここでの全滅を避けて、慌てて後退して行った。
機械人類の大軍隊は、処刑する筈の、捕虜の俺を一人残して、全軍で撤退して仕舞ったのだ。
この陣地に後から来た、敵の軍隊は、少人数の多重体人類の戦闘部隊だった。
しつこく、この施設を徹底的に破壊している、俺は、何とか、破壊された檻を脱出したが、暴れ回る敵に見付からない様に、物陰や砂に隠れながら、
その敵達を避けて、俺は一人、当ても無く、彷徨うように砂漠を渡り、やっとの事、大きな街に辿り着いた。
そして、そこで俺が、目にした物は、驚くべき光景だった。
個人雑誌グラス編集部、副編集長兼雑用、主力作家の齋藤 務、
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2017年1月24日、文章修正、
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