個人雑誌編集長兼雑用作家、

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齋藤務作[特殊超空母ルシファーハデス零型実験艦]

2015-06-18 05:40:09 | SF小説


特殊超空母ルシファーハデス零型実験艦

 2 特殊潜入型バトルシップ、クリヤーシールド


俺の仕掛けた策略に、まんまと乗った天月闇は、両腕を抑え込まれて、身動き出来ない姿に為って仕舞った。

そして、その天月闇に、俺は、迫って言っていた。
「俺と、キスしましょう!そうすれば、俺を殺すのを、気が変わって、やめるかもしれない!」

俺の交渉には、一歩も引かない、天月闇が言う、
「いや、お前の死ぬのが、一秒でも早まる、絶対だ!」

この交渉は、難航しそうだった、一筋縄では行きそうもない、

そこで俺は、交渉材料の切り札を捨てて、別の物を使って、新たな交渉を試みる事にしたが、

今の交渉ネタを、次の交渉を、有利にする為の苗床に仕様としたのだ。

そして俺は、脅しで無いと言う事を実証していた。
「う^ううう、むぐぐ^ぐぐ、ぐ^えええーーーーつ、ぐひ ひ^ひひいいいーーー!」

俺の熱い行為の、次の瞬間、天月の歪んだ顔が、そこに有った。

そして、箱に入れていた両手だけでなく、天月闇は、両脚も突き入れ、中の俺を、蹴り殺そうとしたのだ。
「うう、この、このこのーー!動くな、上手く殺せない、動くんじゃない!この 吸い付き毒虫が!踏み殺してやる、このこのーーー!」

俺は、箱の中で、必死に天月闇の足の攻撃をかわして、何とか両足の抑え込みに成功したが、

だが、その時に、俺の入っていた箱が転がって、俺は横倒しに、天月闇は箱の中に、両手と両足を突き入れた。

何とも無様な格好に為って仕舞っていた。

そして、顔を真っ赤にして、檻越しに、俺を睨む天月闇に対して、俺は恥じらうように視線を逸らして俯いていた。

行き成りに、俺の熱い行為を受けて、その怒りで、俺を見る目が 前よりも増して、更に恐ろしい目付きに為った天月闇大佐だった。

交渉が上手く運ぶ所か、この状況では、矢張り俺の命が危なそうなのだ。

だが、俺に、まだ両腕を 押さかれていて、身動き出来ない、天月が唸るように言う、
「貴様!この儘で済むと思うなよ、その首を捩じ切って、ズタズタにして遣る。それに、私に吸い付いたんだ。それだけでも、楽に死ねると思うなよ、ヒヒヒヒヒヒヒ」

どうも、この人工人類の女性指揮官は、可なり別の世界に行っちゃってる方の人だった見たいだ。

俺は、この人にキスした事を、今更に為って後悔し始めていた。

そして、それを口に出していた。
「あ、ああーー、キスするんじゃ無かった!あなた見たいな、綺麗な人とすれば、後悔しないと思っていたのに、しない方が良かった見たいだ。」

俺の言い捨てた言葉に、檻の向こうの天月闇が反応した。

「な、何、なにーーー!私とキスしたのを、後悔しているのか?貴様は!そんなに殺して欲しいのか?」

「さっきから、するって言っているでしょ、」

「確かに言っている。だが、聞き 捨てに出来ない。私とキスした事を、死ぬほど喜んでも、後悔などする筈が無いのだ!」

何と言う、自信過剰な確信的な言葉だろう、それ程、絶対的に自分を、特別な高い存在と思い込んで、高い自尊心を持って、それを更に強く自負して滲み出るような虚栄心まで垣間見える。

それを又、鏡に映して自己満足してもいるのか?この女指揮官は・・・

それなら全く手におえない、いかれた女だ!俺はそう思った。

自分の事を、まるで天使か女神のように思って自負している。

そこには、悪魔で鬼のような姿である事など、見えない程に、自分を見る視力すら悪い、自分は全く誤りも汚点などないと思い込んでいる。

そんな自分善がりの身勝手極まりない独善的な天月闇に対して、それを俺が言った。
「俺は、あなた見たいな美人と、キスしたのは、確かに嬉しい。蹴れど、あなたは、心が酷く醜く歪んでいるように感じるんです。まさか俺の、感じた通りなんですか?天月闇大佐は、どうなんですか?」

そんな俺の言葉に、座った目の天月闇が言う、
「うむ、顔以外ならば、心は、そうかも知れん」

「ああ、ああーーつ、そんなに簡単に、それを認めると言う事なら、自分の事を自分でもそう思っていると言う事に為りますよ、そしたら大佐は、本当はそれが嫌で、実は、優しい心を心の奥に隠しているんですね。そうなんだ!でも、言葉の上では、俺を、殺すと言う事も、本当は助けてもいいと思っているんだ!そうなんでしょ?なら、その本当の、自分の気持ちに素直に従えばいい。そうすれば、大佐は、顔だけじゃ無く、顔も心も同じ位に完璧な、最高の女性に為れます。そうですよね。ねつ!」

俺の、心理分析演説を黙った儘聞いていた、天月闇大佐が、徐に口を開いた。
「結構な名演説だったよ、だが、私は、貴様を許さない。分かったか!」

「な、なぜです?」

「それはだな、貴様の、口が臭くて汚いからだ!オホン、それだけだ。」

その天月闇大佐の言葉に、俺は、地獄に叩き落とされていた。

上手く説得出来たのに、自分の口臭で話を壊して仕舞ったのだ、俺の話していた口が一番、臭くて悪かったのだ。

俺は、次の瞬間、微かな望みと希望が消えて、ガッカリと仕手いた。

俺は、押さえていた天月闇大佐の手足を離して、その代わりに、自分の足を手で抱えて小さな檻の中で、小さく蹲っていた。

そして、その向うでは、自由に為った天月闇大佐が、ピョンピョンと体を軽く動かして、姿勢の歪みを直していた。

だが、その後に、鏡の前で念入りに、髪を撫で付け、化粧を直して付けているのだ。

やっぱり虚栄心が可なりの物らしい・・・

時間を掛けて満足すると、やっと俺の所に来たのだ。
「おい、正義!貴様を、今殺してやる、然しだ!私は、今は忙しいんだ。もう少ししたら、殺してやるから、そこで大人しく待っていろよ、いいな!」

そう言うと、さっさと、部屋を出て行き、俺は一人、天月闇大佐の部屋に、置き去りにされていた。

その直ぐ後の事だ、俺のいる。部屋が、大きく振動し始めたのは、

「な、なんだ、何なんだ!ああ、あああーーーーー!」

窓の外を見ると、何かが空を飛びまわり、そして、黒煙が立ち上っている。

俺は、更に慌てていた、それは今迄、休戦状態で治まっていた戦闘が、再び始まったからだ。

大きな爆発の振動が、何度も起って、俺のいる部屋もガタガタと、大きく揺れた。

これじゃあ、天月闇大佐に殺される前に、俺は、勝手に死んで仕舞いそうだったのだ。

俺が叫んだ。
「うわああーーーーーー!死んじゃうよ、死んじゃうよーーーー!あああーーーーーーー、」

だが、俺の叫びは空しく、誰にも届かなかった、ある一人の者を除いて、

そして、ソイツは、俺の所にやって来た、転がった俺の入った檻の前まで、ソイツは来ると、俺の檻を覗き込んで来たのだ。

そして、徐に、俺に言って来た。
「お前は、誰だ!なぜそこにいる?ここは、艦長の部屋だぞ!お前は、艦長の私物なのか?」

俺は、その変な事を言う者を見上げた。

そこには、人工人類同盟軍の軍服を着た、一人の若い女性士官が、俺の檻の中を覗いていたのだ。

俺は、形振り構わず、その女性に縋って言った。
「じ、地獄に大仏、いや、地獄に天使だ!だ、だから、だ、出して呉れ!ここから、早く出して呉れ、お願いだ!ああ、」

そこにいた女性士官を見て、俺は、地獄に仏だと、その時は思えたのだ。


2015、6、18、個人雑誌グラス、副編集長兼雑用、主力作家の齋藤 務、
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