個人雑誌編集長兼雑用作家、

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齋藤務作[特殊超空母ルシファーハデス零型実験艦]

2015-06-18 05:57:10 | SF小説


特殊超空母ルシファーハデス零型実験艦

 3 天月美魔


天月闇大佐の部屋で、俺の入っている箱檻を、怪訝に覗く、その者に、俺は必死に懇願して、何とか入っていた檻から、やっと出して貰ったが、

俺の目の前にいたのは、天月闇大佐より、少し小柄の、美しい女性だった。

その人が、俺に言って来た。
「あなたは誰ですか?闇大佐の私物の様ですが、ここで、何を闇大佐としていたんですか?」

俺が答えた。
「俺は、ここで、天月闇大佐に殺されそうに為っていたんだ!」

その女性士官が言う、
「殺される?そんな遊びを、あなたは、闇大佐としてたんですか?」

なんだ?この女は、あくまでも俺が、あの大佐と遊んでいたと言う、

その女性に言わせれば、俺は、殺される危険な遊びを喜んでしていたと言うのか?

その女は、更に俺に言った。
「あなたの事は、不問にします。ここで闇大佐の戻られるまで、大人しく静かに仕手いなさい。分かりましたね!」

じょ、冗談じゃ無い、戻って来たら絶対に殺される。

俺は、何がなんでも、ここから逃げ出なければ命が無いのだ。

俺は何とかして、この女性に分かって貰って、俺をここから逃がして貰おうと、目の前のこの女性に縋ってしがみ付いていた。

俺は、目の前の女性に、必死に縋り付いて説明した。
「お、俺を、た、助けて呉れ!ここにいられないんだ。早く、助けて呉れ!何とかしてくれ!」

すると、この女性は、
「あ、ああ、ああーーつ!な、何をするんですか?や、やめなさい。やめろー!この変態!離せ異常者め!やめろって言っているんだ!分からないか?気違い男が、私を離せ!そこは触るな 変態!ああーーつ!やったな色きちがい!」

俺はちょっと、腕と肩と背中に、縋り付いただけだ。

なのに、この騒ぎだ、俺が言った。
「何を言ってんだ。俺は、触ってないぞ!変な事を勝手に言いやがって!」

「なにをー!人聞きのいい事を言いやがったなーー!この儘、私を犯す積りだなー!なら、見ていろよ、変態めーー!」

ここに人がいるのか?いないのに何を言ってんだこの女?

だがこの女は、俺に対して飛んでも無い事を 始めたのだ。

それは、縋る俺の足を払い除けて転がして、その上から馬乗りに為って、

あっと言う間に、俺の両脚を両脚で挟み込んで動けなくしてから、片手で両手を引き上げて、

もう一方の手で両手首を絡めて掴むと上で抑え込み、自由に為った右手で、俺の首を絞め始めたのだ。
「どうだ変態!嬉しいか?お前はこう言うのが楽しいのだろう!この儘、私が殺してやるから、喜んで死ぬがいい!さあ、死ねーー!死ぬんだよ、死ねえーーーーー!」

俺は慌てた、これでは、まだ天月闇大佐の方がましな位だ。

この女の方が異常者に近かったのだ、しかも、楽しそうな顔をして、俺の首を絞めて来るのだ。

これでは堪った物では無い、俺は、徳利蜂に捕まった芋虫のようにもがきながら激しく暴れた。

すると、その女は両手で、俺の手を交差させた儘、左右に押え付けて絞め殺そうとするのだ。

こ、殺される、俺は反射的に、そう感じた。
「や、やめろーー、やめてくれーー!し、死ぬーーー、死んじゃうーーー!ぐへええーーーーー!」

「ど、どうだ!楽しいか?変態男め!この儘死んで仕舞えーー!アハハハハハハ」

その時、俺は、もがくのをやめて、押さかれていた両手で自分の頭を抱え込んだ。

そして、体も真っ直ぐに両脚を閉じて、棒の様な姿をしたのだ。

すると、乗っかった女が自分の重みで横倒しに為り、俺は、劣勢を挽回した。

上下が入れ替わり、俺が、その女の上に為ると、途端に女は、急に変な声を上げ始めたのだ。

「あ、ああーーー、い、いやああーーー!やめてえーーー、いやあーーーーー!きゃあーーーー!きゃーーーーー!ああーーーーー、」

こっちが力の抜けるような、声を出し始めたのだ。

それには、俺は、戸惑って仕舞った。
「な、何を言ってんだ。始めたのは、あなたの方でしょ?騒がないで下さい」

だが、俺の言葉など、全く無視したように、騒ぐのをやめないのだ。

「きゃあーーーーーー!や、やめてーーーー!きゃあーーーーーー!きゃーーーーーー、」

俺は仕方なしに、女の耳元に思いっ切り大きな声で叫んで言った。
「うわああーーーーーつ、騒ぐなーーー、いい加減に、静かにしろーーー!」

俺が怒鳴り声を出すと、すると、やっと女は静かに為った。

「あ、へえーつ?ああ、さ、騒ぐ、ああ、ああーー、いや、やめて、ああ、怖いの?私、怖いわ?ああ、何をするの?あ、ああ、ああーー」

何が怖いんだ?さっきまで怖かったのは、そっちの方だ。

俺が言う、
「騒がないで下さい、何もしませんから、いいですね」

女は、俺を変な目で見ながら、首を竦めて頷いた。

俺が、そっと手を離した、その瞬間だった。

女が急に豹変したのだ。自由に為った両手で、また俺の首を絞め付けて来た。

「アハハハハハ、バカ男め!離すのを待っていたんだ。私が、大人しくお前なんかに犯される物か!愚か者めーー!」

「ぐへえーーーーつ、ぐひいいーーーーつ、」

な、何て事をするんだ。
「ああーー、ああーー、」

やっぱりだ、この女は性無しのいかれ女だ。

俺は、首を絞められながら、そう思った。

そして、まだ自由な儘の手で、俺が、思い切って、その女の胸を掴んだ。

すると、途端に女は顔色を変えた。

「あ、ああーーつ!な、何をする?ああーーつ、いやあーーーーーーーん!きゃあーーーーーーーーつ!きゃあーーーーーーーー、」

何と、慌てた女は、俺の首を絞めていた。首から手を離して、自分の胸を必死に庇っていた。

「ああーーー、い、いやーーーん!きゃーーーーーーつ、ああーーーーーーん!ひいーーーーーーーつ、」

何だこの女は、俺なんか無視して、自分の胸や体を庇って撫で回しながら悲鳴を上げている。

意識過剰のいかれ女だ、でも、あー助かった。

俺は当然、無防備に為った女を簡単に捕まえて、

その危険な両手を後ろ手に押え付けていたのだ。

俺に捕まった、この女は、いじけながら愚痴を言っている。

「ああ、ううつ、汚い真似をしやがったな!この儘では済まさないぞ!うう、くそーーつ、」

まだ、負け惜しみを言っている、俺は、ほとほと呆れ果てていた。
「あなたは、何ですか?行き成り暴れ出して、俺は、ここから逃げたいだけですよ」

「に、逃げる?ここからか!はて?変な事しに、ここにお前から来たんだろう!」

「俺は来てなんかいない、捕まったんだ。天月闇大佐に、そして、ここで、遊ばれていたんだよ」

「お前は、遊ばれていたのか?艦長に、ああ、何てやらしいんだ。お前は、助かりたくて進んで遊ばれたのか?」

ああーーー、これだ!俺は頭が痛く為って来た。

そしてそこに、運悪く天月闇が来て仕舞ったのだ。
「おい、お前、今直ぐに、私の副官の、美魔中佐を離せ!命令だ!」

「あわわわわわ、仕舞った、帰って来ちゃったじゃないか、万事休すだ。」

俺は、項垂れながら言われた通りに、押さえていた手を離した。

すると、美魔中佐は、俺の足を足で払い、俺を転がして不敵に微笑んで見下ろしているのだ。

ああー憎らしい、床に転がった俺を見下ろした、天月闇大佐が言った。
「やっと新日本皇国軍の偵察部隊を、目くらましをして振り切ったんだ。副官の美魔の姿が見えなかったが?矢張りここにいたのか!」

すると、美魔中佐は、
「ああ、艦長、わ、私は不覚にも、急に襲って来た。この少年の汚い手段で、捕まって仕舞って、申しわけ有りません。」

な、何なんだ。俺は、襲ってなんかいない、それに汚い手段なんかも使ってもいない、だがそれを、闇大佐は、こう言った。
「ああ、この少年は、口が汚いし使う 手も汚いようだな、一応、檻に入れて置いたが、お前が出して、遊んでいたのか?」

ギクリとする、美魔中佐、
「あ、ああ、いえいえ、そんな、事は、あ、アハハハハ、その、あの、ああ、ハハハハ、」

ああ、そうだ、俺は、檻の中にいたんだ、襲える筈も無い、俺の無実は証明されたのだ。

「もういい、部署に戻っていろ!」

「ああ、はいつ、」

俺を、流し目で見ながら、美魔中佐が行って仕舞うと、闇大佐が、俺の方を見ながら言った。
「貴様は、汚い口を使って檻から這い出て来たのか?凄いなその口は!」

感心しているのか?バカに仕手いるのか?良く分からない言い方で、俺の口の上手さを誉めていた。

だが、そんな俺に対して、天月闇大佐が、改まって、俺に言って来た。
「貴様は、何処から来たんだ!」

俺が答えた。
「俺は、次元爆発の有った地下都市から、地上に出て来たんだ。」

「ほーーう、それで、どこにいくんだ。お前は?」

俺は、答に困っていた。

行く冪場所も、目指す所も無く、只、地上に出て来たのだ。

それは、息苦しい地下にいたく無かったからだが、
「そ、それは・・・」

俺の、行き場のない状況を、察したように、天月闇が言った。
「行くべき所も、行く当ても無しか?そうか、なら、丁度いい!」

何が丁度いいのか?俺には、天月闇大佐の言っている事が、その時には、全く分からなかった。



2015、6、18、個人雑誌グラス、副編集長兼雑用、主力作家の齋藤 務、
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