公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

公文教室開設の動機

2006-08-25 | くもん教室を始めたい
転勤族で、各地を転々としてきましたが、子どもたちの成長に伴いようやく自宅を購入しました。
もちろん長期の住宅ローンで。
そうして、地域の暮らしに慣れ始めた頃、町内会の当番班長が回ってきたのです。
班長会議の席上、集会所の利用率が低く、維持費を捻出する為にも有効利用が望まれる、という話がありました。
で、そのあと、知人から
「ねえ、塾でもやってくれないかしら、うちの子お願いしたいわぁ」などという話が出たのです。
このひとには
「うちの子、勉強嫌いでね、何とかしたいのだけど・・・」と雑談の折に聞いたことがあって、
「どっか、近くの公文の教室へ行かせれば・・・」などといったことがありました。
転勤を重ね、子育て中は各地での小中学校のPTAなどにも様々に関わってきているので
「不登校・いじめられっこ」などの根っこには学力ということも大いに関係していると思っていました。そこで・・・・・
昔、うちの子が一時お世話になったこともあり、時折広告などを目にすることもあったので
最寄の公文の事務局へ問い合わせをしてみました。
「自宅近くに使って欲しいという集会所があるのですが、
公文の教室って、集会所などでもできるのでしょうか・・・・」
場所を聞いた上で「大丈夫です、説明会にご参加ください」というので早速出かけて見ました。
で、インストラクターに応募する、ということになったのです。


このとき、会社経営を長年してきている父に話したところ
「フランチャイズってのは、絶対に儲からないぞ。
自分のために働いているはずが、公文の為にあくせく働き続けることになるぞ。」と
やめたほうがいいと忠告されました。
でも、人に者を教えるということは私が得意とすることであり、とても好きなことでもあります。
けれども、テキストの入手方法から広告関係などなど、塾ということのノウハウは
持っていないわけですから、
それをすべてサポートしてくれるという公文教育研究会の存在はうってつけでもあったのです。
今なら・・・・インターネットで検索すれば
「塾開設のサポートをします」なんて業者もいくつも見つけられますから、あれこれ選ぶこともできるでしょうけれど。
「ま、儲けようと思ってるわけじゃなし、パートで小僧っ子にえらそうな顔されて働くよりは
マシなんじゃないかしら、時間の有効な使い方ってことぐらいでいいんだもの・・・・」
サラリーマン家庭の主婦が楽しみながらやれることとしてはなかなかよさそうに思えました。
家の近くの緑道をランドセルをしょった子どもたちがゾロゾロ歩いているのを見ると
「この中の何人かの役に立ってあげることができれば、うれしいじゃない・・・・?」
つまり、それだけおせっかいな性分であるってこともあったのです。


各種の研修がありいよいよ、教室開設場所を決めるという段になって。
私は開設予定地があって応募したのですから、当然そこでできると思っていたのですが、
《その地域には以前から他の指導者から第二教室を設置する》
という要望があるため新教室の開設はできません、
となりの学区で教室を開いてください、といわれました。
何度か研修にも参加しお友達もでき、
すっかりヤル気にさせられていたので、いまさら開けない、
というのも悔しくて、指定された隣の学区で開設できそうなところを探し回りました。

研究会でも探してくれることになっていたのですが、担当者からは何の連絡も無いまま日が過ぎ、
自分で、自宅のある学区から道路ひとつ隔てた公団内の集会所が借りられることを発見。
そちらもほとんど使われていないような状況だったので、
居住者外の営利目的ですから割高であり、
一々鍵を管理人から受け取りにいかなければならないなどのわずらわしさはあったものの、開設することはできました。
幸いに、当初予定の集会所からそれほど遠くは無かった為、前述の知人も他のお友達も誘って
入会してくれたので、当初の一年は毎月何人かずつ新入会があり、
じきに公団の小さな集会所ではテーブルも足りず手狭になってしまいました。
そこで、テーブルを増設したいと公団に相談してみたら、
「お貸ししている時間内に何台、何を持ち込まれようとご自由ですが、その都度お持ち帰り下さい」
ですって。そんなことができるはずも無く「時間借り」はあまりにも不便だと思いました。

それで、借りられる物件を探し始めたのですが、これとて、開設時に見つからなかったものが
おいそれと見つけられるはずも無いことでどうしようか・・・と思っていたら、
ちょうどよさそうな場所に賃貸ビルが新たに建ちました。

テナントを募集しているというので問い合わせてみたら、
ワンフロアー単位で《百五十坪》で貸す、というのです。
とんでもありません、そんなには借りられません。
せいぜい二十坪がいいところです。
でも、結局大口の借り手は見つからず、小分けでもオーケーということになったので、
そこへの移転を決めました。
地域の為の学習塾であり、なんたらかんたらオーナー会社の担当者と交渉をして家賃は安めにしてもらい、
直接契約なので仲介料等払うことも無く、ただし、六か月分の敷金を入れて
それでも、エレベーター付きのビル内なので、家賃は十八坪で十六万。
当時のアシスタントは「こんなに高い家賃のところを借りてしまって、生徒が集まらなかったら
どうなるのかしら、やっていけるのかしら、なんて度胸のいいひとだろう」と思ったそうです。
新開設から一年足らずで、現在の場所へ移転をしたということになります。
でも、移転の翌月の体験学習には一度に七人もの入会面談があるということになりました。
このとき、さすがに一人では手が回りかね、一組の面談を局員に対応してもらったのですが
その一組だけが半年後には退会となってしまいました。
深~く反省し、以後、うちの教室への入会・見学希望者との面談に局員を当たらせるということは
二度としていません。
私の言葉で・私の考え方をご説明し、ご了解いただいた場合のみ入会してもらっています。
現在の教室では、代行可能なまでに私の考え方・指導法・うちの教室について
熟知しているアシスタントたちが私が不在の場合などの急な教室見学には対応していますが、その場合には問題なく
面談関係は私に引き継がれますので、私が最初に対応した場合と差異はありません。

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