公文で九年

公文式教室を9年間経営していた学習塾経営者です。
公文教室とはどういうものか私の視点で公開したくなりました。

無理強いは性格をゆがめる?

2010-04-27 | 現在の教室運営
どんなお稽古事でも共通ですけれど
こどもがやりたいと言ったので、入会、
行きたがらなくなったので(宿題を嫌がるようになったから)退会。
好きじゃないという事を無理強いしても、子どもの為にはならないから。
なんて、よくお聞きになりませんか?

個性重視だの、ゆとり教育だのの言葉が一人歩きして
結局のところ、
しつけや教育という親業の責任放棄を助長し、
「いやなことはやらなくていい(忍耐力の弱い人間形成)」に一役買っているようです。

ようやくゆとり教育路線は方向転換をし、
今年から教科書の厚みは増して、一年生も毎日のように五時間授業とか。
でも、
現在の若い親達は、個性重視礼賛の時期に思春期をすごしてきた世代です。
くもんのコマーシャルでもさんざん、
好きなこと、楽々できること、勉強って楽しい・・・・
自分から学習するようになります・・・
なんてやってきましたよね。

でも、実際は
≪自分から学習するようになる≫のは
嫌な時期を乗り越える経験を積めた一部の生徒だけで
多くの生徒達は「いやになった」時点で退会していきます。

向かないことをさせて苦しめるよりも
好きなことを伸ばしていったほうが良い・・・・
各家庭でそうして子どもを見守るゆとりがあったとしても
社会には、甘やかされて育った人間を雇用するゆとりはありません。
どんな仕事においても
学ぶ力・耐える力は必要です。(もちろん、我々の仕事でも(^。^) )

テレビ・新聞などで育児放棄・子どもの虐待などのニュースがない日はない、
と言っていいくらいですが、
ヤングママさんたちの
「イヤになったらやめてもいいんじゃなかったの・・・・・?」
「私、子育ては向いていないんです」っていう悲鳴が聞こえてくるようです。

イヤになった時にその思いを乗り切る術を教えていくのもうちの仕事の一つで、
親にそんな時の子どもへの対応の仕方を教えていくのも、
仕方がないので、うちの指導のひとつです。

ゆとり教育からの方針転換で
子ども達の「勉強しなくちゃ」という意識づけに、
成果が出るまでには何年かかることやら・・・・・

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大人のニーズ、子どものニーズ (anne)
2010-05-10 16:44:05
公文を退職して、ちょっと落ち着いたのでとある古巣の某研究会を数年ぶりに訊ねました。

大学の教育学の先生をしておられるメンバーが多い会です。

みなさんにとっては、公文式は恐るべき押しつけ教育、と映るようです
正直、私も在職中は、懸念しておりました

なんだかんだと言っても学年を超える、3学年先へ、と求められます
しかし、そんなペースについて行ける子はほんの一握り中のまた一握り、というのが実感です

このような公文の理想と現実とのギャップと
子どもの伸びる力をしっかり伸ばすという教育の目標とが、
世間では同系列に見られているように思います

先の某研究会の中で、ある方がおっしゃっていたのは「本人にニーズがあれば、いくになっても、また小さい子どものでも、高い能力を身につける事ができる」
ということです

そこで気になるのは、子どものニーズ、つまりやる気をどう育てるか?
興味を持ってくれればいいのですが、その興味を持つようにさせるにはどうしたらいいのか?

やはり、ここには家族の文化が深く関わっているのだと思います
そして、小さい子どもはお母さんの影響を一番、強く受けます


いつもいつも人生に何かの制限を敷いてしまい、入り口を閉ざし(心理学では防衛といいますが)、かたくなになっていると、いいものを取り入れる事ができない「心」になってしまいます
「子どもが嫌がったらかわいそう」の裏には、「子どもを嫌がらせることをさせる私はダメな母親だ」「ダメな母親と思われたくない」と無意識に思うと、子どもをいろんなことにチャレンジさせなくなります
こういうお母さんは、我が子の事より、世間体と自分自身の自尊心の方が気になるのでしょうね


それより現実をしっかりと認識し、今より先へ向かうには、どうしたらいいか、他人の意見も聞き入れられる心の余裕が、いい家族の文化を育み、子どももバランスのとれた成長ができるのかもしれないと思います



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