自民党の杉田水脈衆院議員による『新潮45』への寄稿文「『LGBT』支援の度が過ぎる」が多くの批判を集めている。これまでの杉田氏の発言や主張、関連する発言などをまとめてみた。
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杉田水脈 自民党・衆院議員
「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」
『新潮45』8月号言うまでもないが、性的指向によって人は差別されてはいけない。しかし、子どもを持つかどうかで人の価値を判断し、「生産性」という言葉を使って線引きしている杉田氏の発言は明らかに差別を助長するものだ。「生産性」が何を意味していようが、その有無や多寡によって差別されることがあってはならないし、行政によるサービスや支援を受ける権利を有することは自明である。人権についてわかっているのだろうか?性的マイノリティを支援する全国団体「LGBT法連合会」は23日、抗議の声明を発表。杉田氏の主張は事実誤認が多いとした上で、「困難を抱えている当事者に対して侮辱的・屈辱的とも取れる内容であり、許容することができない」「当事者の人権を侵害するだけでなく、現実に存在する『性の多様性』を無視し、与野党や各種団体が進めている施策の実施に反し、国会議員としての資質に疑問を抱かざるを得ない」と強く非難した(BuzzFeed News 7月23日)。
「国政選挙で掲げた公約にも反している」
自民党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」にアドバイザーとして助言を続けている「LGBT理解増進会・LGBT理解増進ネット」は緊急声明を発表。「杉田議員の記事は、自民党特命委員会の考え方とは全く異なっています。それだけではなく、党の直近の2回の国政選挙で掲げた公約にも反していると考えます」とし、自民党本部に対して善処するよう申し入れたと報告している(7月23日)。たしかに、自民党は2017年の衆院選で「性的指向・性自認に関する理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す。多様性を受け入れる社会の実現を図る」という公約を掲げていた(毎日新聞 web版 2017年10月18日)。
杉田水脈 自民党・衆院議員
「『常識』や『普通であること』を見失っていく社会は『秩序』がなくなり、いずれ崩壊していくことにもなりかねません。私は日本をそうした社会にしたくありません」『新潮45』8月号
杉田氏の主張は一貫している。LGBTに代表される性的少数者は「普通」ではない存在であるということだ。寄稿の中では「普通に恋愛して結婚できる人まで、『これ(同性愛)でいいんだ』と、不幸な人を増やすことにつながりかねません」とも書いている。杉田氏の中では異性愛が「普通」で同性愛は「不幸」なこととされているようだ。
杉田氏は『新潮45』2017年3月号でも「『多様な家族』より普通の家族」と題した寄稿を行っているが、ここでも「子供のころから私は『普通』というものをかなり意識していました」「この『普通』を普通に語ることができない日本になってしまいました」と繰り返し「普通」について触れ、「『多様な家族』があふれる日本は、果たして幸せな国なのでしょうか」と問いかけていた。