<nobr style="white-space: normal; -webkit-text-size-adjust: auto; background-color: rgba(255, 255, 255, 0);">コロナで解雇された23歳女性。生きていくために見つけた仕事は…</nobr> コロナ禍で過去最悪の状況となりつつある「女性の貧困問題」。従来からの当事者はもちろん、貧困とは無縁だったはずの女性たちも窮乏に陥っている。本企画ではコロナ禍で経済的危機に瀕している女性たちに密着取材を敢行。彼女たちの切実な胸の内に迫った――。
正社員からまさかの解雇…
「5月末で解雇。正直、そんなニュースは他人ごとだと思ってました」
地方の国立大学を卒業し、広告代理店に入社した小泉唯さん(仮名・23歳)はそう語る。
順風満帆な社会人生活が狂いだしたのは、今年の3月末に新型コロナの影響で会社が休業するというメールが届いた頃だった。
「コロナが落ち着けば、また元通りになるだろうし、『休業補償でお金をもらいながらニートできるなんてラッキー』ぐらいに思っていたんです。復帰したときに即戦力になれるようにと一人で勉強もしていました」
ところが5月初旬。仲の良い先輩とのLINE中に「解雇の通知が来た」というメッセージが届く。慌ててパソコンのメールを開き、自分宛ての解雇通知を見た瞬間は頭が真っ白になったという。
「衝撃でした。メールだけで簡単に解雇されるんだなって……。そのあとに上司とリモート面談をして事情を聞きました。もちろん怒りはありましたが、業績悪化の場合による解雇は雇用契約書にも書いてあることなので、納得せざるを得ません。ただ、社長には人として、せめて直接会って言葉で謝罪してもらいたかったです」
5月中旬には転職活動を始めるが…
現在は大学生の妹と2人暮らし。家賃や光熱費、日用品など毎月17万円ほどかかる固定費は小泉さんの給料から賄っているうえ、妹の学費も彼女が払っている。
田舎に一人で住む母には、「余計な心配をかけたくない」と解雇されたことは言えなかった。
「5月中旬には転職活動に取りかかりました。なるべく節約するためスマホで証明写真を撮って、IT企業に絞り履歴書を100社以上は送りましたね。でも最終面接まで行けたのは3社のみ。うち1社に内定をもらえそうでしたが、コンプライアンスに不安が残る対応をされ、かなりのブラック企業だと判断して辞退しました。でも、その後は応募してもどこにも引っかからない。『どうにかなる』と、甘く見ていた自分にとっては厳しい現実を突きつけられました」