福津市教育委員会(以下「教育委員会」と略します)は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下「地方教育行政法」と略します)の 第4条第1項及び第2項で、市議会の同意を得て任命された教育行政に知識を有する一人の教育長と四人の教育委員で構成されています。ところで、教育長は常勤ですが、教育委員は非常勤で月に数回しか出勤してないこと、ご存知でしたか。福津市は小学校の過密と過疎という両極端で困難な問題等を抱えているにもかかわらず、執行権を持っている教育委員会のメンバーは教育長しか常勤してない体制です。その為「学童の安全性」を優先した教育行政ができなかったのも、もっともです。
しかも2023年(令和5年)3月の福津市議会は、定例会において大嶋正紹教育長の再任を否決しました(No.158をご参照ください)ので、現在、福津市教育委員会の教育長は空席のままです。このことは、福津市の事務局(教育部)を含む広義の教育委員会や原崎市長に、市議会や市民が教育行政において看過できない問題があることを示唆しています。本ブログで何度も問題点を指摘してきましたが、次にその問題点について整理しておきます。
1.教育委員会と市長は、文科省が小学校施設整備指針で、「校地環境は自然災害に安全であること。」と定めているにも拘わらず、それを無視し災害発生を想定できる宮司地区(2区~3区)に小学校を新設しようとしています。
2.教育委員会が、地方教育行政法で規定されている職務権限をもって作成しなければならない事項まで、民間会社㈱長大に委託しました。この委託金約3,150万円の支払いは無駄な公金支出です。また、㈱長大が作成した報告書「福津市学校施設整備計画(令和3年3月)」を教育委員会名で公開しました。
3.福津市の財政は厳しく、当初市長は「新設校は1校しかできない。」と言ってましたが、令和4年の総合教育会議において突如として市長は宮司地区に小学校、四角地区に中学校を各1校づつ新設する教育委員会案に合意しました。そして市議会の承認を受けた土地鑑定委託料等の9,300万円の補正予算を使用し、両地区の土地鑑定等を行いました。しかし、その後市財政調整課から市の財政力では、2校新設は無理であるとの意見が出され小学校1校のみの新設になりました。四角地区の土地鑑定委託料約4,500万円が無駄になりました。
福津市の教育行政において、何故次々とこのような問題が発生しているのか、お考えになったことはありますか?私たちはその原因は次の点にあると考えます。
①教育委員会では、教育行政において教育の専門家だけで行うことによって生じる弊害を避けるために採用されているレーマンコントロール注)の機能が正常に働いていない。
②市長は、教育行政へ介入をしている。
③市議会では、教育行政のチェック機能が正常に働いていない。
④市民は、教育行政に対してあまりにも関心が薄い。
教育は福津市の未来です。このままでは、福津に未来はありません。
注)レーマンコントロール:専門家の判断のみならず、広く地域住民の意向を反映した教育行政を実現するため、教育の専門家や行政官でない住民が、専門的な行政官で構成される事務局を指揮監督する仕組みです。