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福津市のごみ収集はおかしくない?

【学校問題】令和6年9月福津市議会定例会の傍聴記 (その2) (No.241)

3.原崎市長の違法行為について百条委員会設置の発議
 最近、兵庫県議会が百条委員会を設置して、斎藤知事の違法性を調査したニュースが話題となりましたので、百条委員会について、ご存知の方も多いと思います。百条委員会は自治体の事務(仕事)に関する疑惑や不祥事を調べるため、地方議会に設置されます。地方自治法第100条に規定され、議会の議決に基づき調査実施を決めることができます。強い権限があり、関係者の出頭や証言、記録の提出を請求することができます。また虚偽の証言、正当な理由がない証言拒否や記録の不提出には罰則規定があります。これらの行為が認められた場合、議会は告発しなければならないと定められています。
 この百条委員会を設置する緊急動議を9月市議会の最終盤に、岩下豊議員が行いました。その内容と結果について報告いたします。
1)提案理由
岩下 豊:宮司地区の新設小学校に関する、市長の関与について調査を行う。令和4年第11回教育委員会定例会議事録で、辞職願を出した二人の教育委員は、辞職理由として「市長の教育行政への介入」を上げている。経費は50万円以内。18名の市議会議員で、百条委員会(以下委員会と略)を構成する。
2)質疑応答
豆田優子:経費50万円以内の根拠は?
岩下 豊:私の試算では、12月議会の最終日に報告をすると仮定すると、(市議会)閉会中に7回委員会を開催。また教育委員会等の関係者20名と弁護士2名も含む概算経費だ。
福井崇郎:違反した法令は何か?また二人の教育委員、本人に確認したのか?
岩下 豊:教育委員会の定例会議事録で確認した。根拠となる法律は「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第28条第2項(地方公共団体の長は、教育委員会の申出をまって、教育財産の取得を行うものとする。)である。令和4年第11回教育委員会定例会議事録の具体的箇所は、16頁から、一人の教育委員が「総合教育会議で・・・教育委員会の事務局も、異動させて小学校1校でよいという意見になるような人事を行ってる・・・・まさに市長の教育行政の介入だと思います。」と発言している。また、もう一人の教育委員は「今年の10月18日に突然市長から文書で・・・小学校という校種の指定まで、市長がされるんだろうかということが、もう一つのすごく疑問に思う・・・いつの間にか変更されてしまっている。」とも話されている。
(岩下議員は「」内の全文を読み上げました。全文を確認なさりたい方は、福津市のホームページの教育委員会議事録(令和4年第11回定例会議事録)をご覧ください。)
石田まなみ:関係者に退職した前教育長は含まれるのか?
岩下 豊:委員会の判断で、前教育長を呼ばないと真実が解明できないのであれば、含まれると思う。
中村恵輔:市民団体が百条委員会設置を求めているが、それと関連があるのか?(百条委員会の発議は)本会の最終日にするタイミングであるのか?
岩下 豊:市民団体の方がチラシを撒かれていますが、この発議とは関係ない。しかし市民の声を聴くことは、議員の仕事と思っている。来年2月に市長選挙があるので、疑義について調査するのは、次回の12月議会では遅いと思い、今回発議した。もっといいタイミングがあったと言われるかもしれないが、私の頭の整理がついてなかったためだ。
中村恵輔:なぜ教育委員会議事録の不存在がテーマでないのか?自分の頭の整理がついたから、このタイミングと言われるが、事前に相談すべきではないのか?
岩下 豊:今年の3月議会で、議事録不在が明らかになり、総務文教委員会で所管事務調査を実施、今後も調査が必要との結論になったが、議事録不在に関しての違法性の有無は、弁護士等に確認すればわかることだ。しかしこの定例会での教育委員の発言には市長介入の疑義があり、この件では議会としての調査が必要と考え発議した。
中村恵輔:何故、タイミングがこの会期中になったのか?
岩下 豊:シビアな問題であるから、より慎重な調査が必要と思っている。
大山隆之:前教育長の再任は議会が否決している。にも拘わらず百条委員会で証人として呼ぶということをどう考えている。
岩下 豊:前任者を呼ぶ際には、当然配慮は必要と考えるが、違法性の有無が問題であり、それを議会として調査する必要があると考えている。
大山隆之:弁護士が判断できる事案ではない。
岩下 豊:議事録の内容については、関係者本人に聞かなければ分からない点がある。百条委員会には、法的な調査権がある。
尾島武弘:百条委員会ではなくて、特別教育委員会でおこなったらどうか?もう一度聞くが、市民団体との関連はないか?小中学校2校設置を小学校1校に、最終的に決めたのは教育委員会ではないか?
岩下 豊:百条委員会には法に規定された調査権があるからだ。市民運動との関連については、市民の声は聴いているが、リンクはしていない。令和4年11回教育委員会定例会では、教育委員会の方針は小中学校各1校づつということを教育長も確認している発言がある。しかし直後に開会した12月議会では、小学校1校分の補正予算しか計上されていない。教育委員会の方針とは違う予算となっている。ここに市長介入の疑義があると考えている。
3)討論
秦 浩 :教育長から「申入れ」があったことは、はっきりしている。市長が教育行政に介入したかを調査する百条委員会設置に反対する。
石田まなみ:市長が教育行政に介入したかを、はっきりさせるため、百条委員会設置に賛成する。
戸田進一:議会には行政をチェック・監視する重要な責務がある。何故このタイミングかとの質問には、宮司地区の小学校建設が進行しているなかで、教育委員会の「申入れ」が不適切であったことを行政も認めている。行政執行に関して、市民の声に耳を傾けることは、議員として当たりまえのことである。百条委員会設置に賛成する。
大山隆之:前教育長の再任を否決した議会が、(前教育長の)瑕疵について審議するのは、反対。
4)裁決
百条委員会設置に賛成の議員は6名(石田まなみ、豆田優子、戸田進一、佐伯美保、山本祐平、岩下豊)でした。残りの11名の議員は反対しました。反対多数で否決されました。
5)コメント
 中村恵輔・大山隆之の若手議員に「市長行為の違法性」について、突っ込んだ議論を期待しましたが、全く期待外れでした。本質を外れた同じ質問がくりかえされ、それまでの質疑応答を聞いてなかったような状況を見て、以前(2020年3月)にあった建設環境委員会(No.52~54)の質疑応答の再来を想起させました。年長者の議会ボスが新人議員に指示して、反対意見を言わせるものです。隠れボスの的外れな反対質問(市民運動と関連があるのか?)を指示通り繰り返すのです。市民の声を聴かない議員は「裸の王様」になり、一部の利権関係者の代弁者になってしまっているのは、明らかです。
 秦浩議員の反対意見を聞いて次のように考えました。「申入書」が存在しないため、「市民の知る権利が侵害されている」状況をどう考えているのか?口頭で行った「申入れ」がはっきりしているとの証拠は、「申入書」以外にあるのか?私は知りたい。
 教育委員会の議事録(新設校について)や申入書がなく、「何故、宮司2~3区に小学校を建設することになったのか」、その経緯や選定理由の解明が百条委員会で、少しできるかもしれないとの期待は、潰えました。自浄能力がない福津市行政は司法の力に頼むしか市民に方法はないのですかね。

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