コツボゴケはよく見かけますが、ツボゴケを確認したいといつも思っていました。
コツボゴケは標高600m付近までの低地によく見られますが、西臼塚のキリンの木の幹に垂れ下がって
いる細いコツボゴケのようなものを気にかけてから3年ほど経ちました。
今日は、標高1000m付近の十里木の雑木林のミズナラの幹から垂れ下がるようについているのを
見つけて持ち帰りじっくりと顕微鏡観察しました。
枝葉は全縁で茎葉は上部に鋸歯があることで決まりでしたが、コツボゴケより寒いところに生えること雄雌同株で
あること、匍匐茎が垂れ下がる姿などからツボゴケにたどり着きました。
長いこと分からなかった苔ですが、ようやくたどり着きました。
まずは葉の拡大から目星がつきました。最後は細胞のパピラです。
そしていろいろな図鑑で見た目を確認して決定でした。ミズナラの木の基に群生していました。
サナダゴケの仲間と言うことは分かります。
標高1200m程のここには、ナンブサナダゴケが生えていますが、しっかり調べてみると
葉先・中央部細胞・2つの中肋などは納得ですが、葉基の細胞が今一つはっきりしません。
この仲間は、まだまだ分かりません。しかし、
敢えて載せました。葉型が葉先まで細く伸びるところは、シッポゴケと確かに違います。
葉の中央の細胞は細長です。なかなか確信が持てないところですが、迷ったカギカモジゴケとは
明らかに違います。いろいろと考えましたが、カモジゴケと結論づけました。
シノブゴケの仲間は、同定が難しいですが、このホンシノブゴケは見た目が他のシノブゴケと違います。
茎が太いこと・左右の枝ぶりが対称なことなどで見当がつきます。
葉の細胞は茎葉・枝葉共に細胞に牙状の乳頭があるので決まりです。茎葉には縦じまもあります。