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ミーハー小父さんの落書き帳

余録 / 近代になっても欧州の指導者は… / 毎日新聞

2024年12月02日 | オピニオン
パリ五輪の開会式当日のノートルダム大聖堂(左奥)。再建工事が進んでいた=パリで2024年7月26日午後7時半、平川義之撮影

毎日新聞 2024/12/2 東京朝刊

 近代になっても欧州の指導者は自身を権威づけるのに教会を利用した。仏皇帝ナポレオンは戴冠の際、ローマ教皇から王冠を奪い、自分の頭にのせたとされる。1804年12月2日、220年前の今日である

 ▲戴冠式は約2万人の招待客が見守る中、パリ・シテ島のノートルダム大聖堂で開かれた。このゴシック建築の至高は12世紀に教皇の礎石で建設が始まり、13世紀に完成している

 ▲幾度も歴史の舞台になった場所である。1789年からの革命では、キリスト教の神を否定する市民が一部を破壊し、略奪も起きた。1944年8月にパリがナチス・ドイツの占領から解放された際には、鐘の音が自由の回復を印象付けた

 ▲中世後期以降、パリの歴史を「目撃」してきた建造物は2019年4月、大火に包まれ、高さ約90メートルの木製尖塔(せんとう)も焼け落ちた。集まった市民は涙を浮かべて聖歌を合唱し、世界の人々が再建のために寄付金を提供した

 ▲建て直し工事は最終盤を迎え、祭礼のために新しく備え付けられる三つの鐘が11月7日、打たれた。うち一つは今夏のパリ・オリンピック、パラリンピックで陸上競技場に置かれていた。やり投げの北口榛花(きたぐち・はるか)選手ら金メダリストが高らかに鳴らした鐘である

 ▲「私たちの一部が燃えた」。マクロン大統領がこう述べ、再建を誓ってから5年8カ月になる。今月8日には一般公開が始まる。「たゆたえども沈まず」はパリ市の標語だ。激流に揺られながらも沈みはしない。大聖堂は再び歴史を刻んでいく。



 ノートルダム大聖堂は時たま写真で見るくらいだが、映画「ノートルダムのせむし男」の予告編を子供の時観たことがあるのだと思う。この映画がヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダム・ド・パリ』から創られたことを今知った。ノートルダム大聖堂は2019年に大規模な火災にも逢ったね。さてさてパリ・オリンピックの金メダリスト北口榛花選手が、新しく備え付けられる大聖堂の鐘のひとつを鳴らしたなんて全く知らなかった。パリ市の紋章に描かれた「たゆたえども沈まず」(どんなに揺さぶられ、ふらふら漂っているだけの状態でも、船を沈ませさえしなければまた復活できる)って良いフレーズだね。
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