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ミーハー小父さんの落書き帳

余録  /  古来、恩赦は君主の慈悲の表れとされた… / 毎日新聞

2024年12月04日 | オピニオン
マサチューセッツ州ナンタケットのダウンタウンを歩くジョー・バイデン大統領(左)と息子のハンター・バイデン氏。大統領はハンター氏への恩赦を決めた=11月29日、AP

毎日新聞 2024/12/4 東京朝刊

 古来、恩赦は君主の慈悲の表れとされた。「主権の最も美しい属性」と呼んだのはモンテスキューだ。三権分立を唱えた18世紀の仏啓蒙(けいもう)思想家は「判決を下しておいてそれを取り消すのはおかしなことだ」と国王と裁判権の分離論に結びつけた

名著「法の精神」では君主制を特徴づけるもので共和制との親和性は高くないと指摘している。だが、共和制を採用して三権分立を初めて実現させた米憲法は大統領に幅広い恩赦の権限を与えた

▲国家統一のために必要な場合もあった。初代大統領のワシントン「ウイスキー税反乱」に加わった農民らに初めて恩赦を与えた。南北戦争では反乱軍とされた南軍兵士の多くがその対象になった

残り任期が1カ月余のバイデン大統領が前言を翻して脱税罪などに問われた次男ハンター氏への恩赦を発表した。子息に与えるのは歴代大統領初。慈悲の表れでも国家の危機への対応でもあるまい

トランプ前大統領もかつて恩赦を乱発した。その一人で義理の息子の父、クシュナー氏は第2次政権で駐フランス大使に指名されるという。選挙中には連邦議会襲撃事件の関係者に恩赦を与えると公言してきた

▲共和制を持続させるには私益より公益を優先させる「徳」が必要と主張したのもモンテスキューだ。啓蒙思想を背景に新大陸に誕生した近代初の共和制国家は「法の下の平等」を基本理念にしてきた。民主も共和もそれをないがしろにする同じ穴のムジナと知れば「建国の父」たちも嘆くに違いない。

 
ホワイトハウスで感謝祭の恒例行事、七面鳥の「恩赦式」に出席したバイデン米大統領(右)=11月25日、AP



 私はアメリカという国のことを分かっていないが、益々分からなくなってきた(笑)。ウクライナを侵略するロシアを非難して、パレスチナを無差別のごとく攻撃するイスラエルを支持してきたとかと思ったら、トランプ爺の理不尽な「連邦議会襲撃事件の関係者に恩赦」の考えにも呆れていたが、今度はバイデン爺が、もう終わったかと思っていた大統領権限で息子を恩赦するという。

 これが訳の分からない、世界をリードするアメリカの実態なのか?そんな国に尾っぽをふらなければいけない日本が情けなくなってくる。そもそも人間の世界ってすべてがそんな感じなのかね?もちろんそれがアメリカのすべてではないことも知っているが、今朝の新聞によると「トランプ次期米大統領は2日、日本製鉄によるUSスチール買収を阻止する考えを明言」したのだそうだ。あ~あ、今から先、そんなアメリカにどれだけ虐められるのだろう?
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