ハチの家文学館

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こころの時代

2020年01月09日 14時22分37秒 | 慈しみと悲しみと

              奈良 東大寺 大仏(廬舎那仏坐像) 

いつもは仏教について知りたいと、NHK-Eテレ「こころの時代」を見ているが、今回は、末期がんの映像作家が奈良の風景を撮影しているということで録画しておいた。

その映像作家は奈良県在住の保山耕一さん55歳。末期のがんを抱えながら、毎日のように早朝から奈良の自然や寺社仏閣を撮影している。季節のうつろいを撮影した作品は、すぐにSNSで発信、読者から「涙が出る」「神さまの気配がする」などと反響を呼んでいるとのこと。

自らの死と向き合いながら、奈良の風景を撮り続ける保山さんの話は、がんで余命宣告を受けた衝撃と、常人には分からない奇跡を体感したもので、自らのカメラのレンズの先に偶然とは思えない自然現象が現れた。

保山さんの映像にかかるスペイン在住の音楽家・川上ミネさんのオリジナル曲がまたいい。保山さんと同じく、春日大社で奉納演奏をしたことから、春日の神さまがとりもつ 不思議なご縁でこの放送となった。映像の光とピアノの音のコラボレーションが素敵だった。

私も神社仏閣が好きで全国を廻って仏像などの写真を撮らせていただいているが、保山さんのように鬼気迫る気持ちで対峙したわけではない。自分がもしがんの余命宣告を受けたら、狼狽するばかりでとても冷静ではいられないが、保山さんのように好きな映像を撮り続けることで、がんを一時的でも忘れられるならそうしたいと思う。

カメラは50数年間続けてきた趣味の域を超えたライフワーク、撮影していると無心になれることも承知している。これからの人生、保山さんのようにレンズの向こうの情景を信念をもって捉えたい。

 

 



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