GOREとにゃんこの桃源郷

主観的にCDのレビューやら、日記やら、色々と。
ゴアとかメタルとかロックとか

原題:Philosophy Of A Knife 邦題:ナイフの哲学

2013-06-29 | DVD(映画)
 中国に拠点を置く日本陸軍の研究機関にて行われる、ロシア人捕虜への無慈悲な人体実験の数々。当然、フィクションではあるが、ドキュメント風に構成することで、リアリティを出すことに成功している。旧日本軍の話ということで、日本人が多数出演しているものの、残念ながら日本語は無し。日本盤も無いようなので、セリフは全て英語、ロシア語は英語字幕にて観賞する他無い。以下、ネタバレ中心に感想なども交えつつ記載。

 ロシアの老人へのインタビューと、それに関する研究施設での様子が、交互に繰り返されるという構成。インタビューの映像はカラーだが、それ以外は全て白黒で展開する。第一部、第二部と分かれているが、これは単純に長編のため。実はこの映画、合計で4時間にも及ぶ大作である。時間のある時に観賞しよう。
 白黒で展開する、研究施設内での人体実験。それが、この映画の本編である。看護婦の心中吐露がナレーション形式で入り込むことがたまにあるが、基本的に役者はセリフ無し。そのため、映像だけでも内容が視聴者に伝わるようになっている。実際にあった当時の再現フィルム、という真実味を与えたいのだろう。また、リアリティの演出はそれだけではない。映画全体を通して、実際の戦争の写真や、実在するシャム双生児の写真など、本物を随所にカットバックさせている。外国人が観たら、日本人に偏見を持つこと請け合いの作品だ。
 さて、話の中身はと言うと、初めから終わりまで、長時間のグロ映像特集に他ならない。捕虜は番号で管理され、一人ずつ、時には複数人、施術室へ連れて行かれる。各人とも音楽のレコードが終わるまでの間、様々な方法で虐げられる。一度の連行につき一種類の方法で虐げられ、ものによっては死ぬことになる。このような場合、殺されるのは当たりだろう。内容のネタバレを幾つか書いてみる。

 ・まず、ペンチによる抜歯。レコードが回っている間、下の歯から順に1本ずつ抜かれていく。下が終わったら、今度は上の歯を抜き始める。それだけ本数を抜かれながらも、意識を保ち続けていられるのだから、若いロシア女性はタフだ。
 ・顔を焼かれる。人によるが、色々な方法で焼かれる。辛いのは、顔を焼け焦げたとしてもロシア男性はタフなので生きているという事実だ。だが彼は、その後隙を見て執刀医に噛み付き、一矢報いた。腕を噛まれた男は、その腕を切断される羽目になった。きっと病原菌でも入ったのだろう。
 ・拳銃を突きつけ、男女でセックスさせる。ロシア男性はタフなため、恐怖と羞恥心に負けることは無い。命令されるがまま、一心不乱に女を突いていた。
 ・雪の中、全裸で歩かされ、棒に固定され、氷水をかけられたうえ、連れ帰られる。凍死させるのではなく、命を奪わないのが惨い。冷え切った彼は、施設に戻ってから目隠しをされ、既に感覚の無い手足に切り込みを入れられ、正面に向かい歩かされる。歩いている途中で、手足の皮が剥け落ち、その場に倒れこんだ。ゴム靴が脱げるように、ベロンとめくれてしまうのが残酷。
 ・女性器に巨大ゴキブリを挿入。しっかり中に入れられるだけで、その日は終了。モザイク無しで丸見え状態になるため、大変卑猥。後日、再び呼び出される若いロシア女性だが、相変わらずゴキブリは体内で生きていた。軍医(兵士かな)が女性の喉元までゴキブリを指で押しやり、首の裏をナイフで切り始める。盛大に切り込み続けると次の瞬間、女性の頭部から鎖骨の辺りまでの皮が捲れ落ちる。皮の剥がれた彼女の口から、件のゴキブリが出てくる。そしてゴキブリは、また瓶の中に保存された。女性はというと、剥がれた皮を顔に被せられ写真撮影。だが、もう絶命してたのだろうか、首が重力に逆らえず、何度皮を載せても落ちてしまう。個人的には、彼女が凄惨大賞に輝ける気がする。
 ・銃の的にされる。練習台になるわけだが、命中すれば一瞬で死ねる可能性もあるため、標的に選ばれた女性はラッキーだったと言える。結局は首に命中したので、暫く苦しむ羽目になるのだが、他よりはマシかと。
 ・電気責めと、皮膚切り裂き、舌ベロ切断。反抗的だったために、メニューが追加されたのだろうか。
 ・背中を切り取り、通電させた後、フックを使い背骨を抜き取る。他の場面にも共通するのだが、施術中にキャーキャーと悲鳴を上げている声が、終わる頃には蚊の鳴くような掠れ声になるのが良い。
 ・急激な気圧変動による破裂。爆発させると、清掃員にも被害が及ぶ。

 ただでさえ長い映画だが、凄いのはただでさえ残虐なグロシーンに、別のグロ画像やグロ場面をカットバックさせる作りだ。もしもフルカラー以上で4Kテレビ規格の超高画質だったら、トラウマ製造機もいいところだろう。とは言え、白黒ならではの無慈悲な雰囲気というのもあるが。映像の他に、音楽も映画にとっては重要な問題だろう。この映画は意外と、各場面に使われている音楽が良い。全てでは無いが、やはり音楽が場面に合っていれば、雰囲気は格段に向上する。
 何はともあれ、ホステルシリーズが霞んで見えるほどのグロ映画のため、血や臓物に苦手意識のある人は、視聴を控えよう。その他にも、皮が剥がれたり、顔が燃えたり、銃殺されたり、毒ガスで殺されたり、ちんちん丸出しにされたり、そういったものが苦手な人も気を付けよう。

2013.06.13(雨) - みんな、とんでブーリンを知っている

2013-06-13 | DVD(映画)
 遂にエクストラバージンオリーブオイルを手に入れ、トマトとゴーダチーズのカプレーゼを作った。このゴーダチーズには、バジルやオリーブが練り込まれているもので、そのまま食べても美味しい。更に、余ったトマトは、塩とオリーブオイルで美味しく頂いた。簡単でヘルシーな、梅雨の食卓である。

 さて、今回は邦画『ギニーピッグ2』を観た。女が解体されるだけのシンプルな作品だ。腕を切られようと、足を切られようと、被害者女性は叫び声を上げたりしない。薬剤投与により、痛みの感覚が無いという設定のようだ。そのため、SEとしては場面が想像しにくいため使い難そうだ。また、前口上や解体の説明は蛇足に思える。白塗りに日本兜という出で立ちも、よく分からなかった。ただ、今まで観た映画の中で一番グロテスクだったことは言うまでもない。ちなみにバラバラにされた肉体を見ていると、Torsofuck/Lymphatic Phregmのスプリット、それと新宿大好きテキサコノイズゴアBasket of DeathあるいはMeatshitsのジャケを彷彿とさせる。全ゴアグラインダー、フラッシュバック間違い無しの作品だ。目玉の場面でモンスターファームのスエゾーを思い出すのも束の間、最後の最後で蛆と蚯蚓の蠢動を、アカペラに乗せて長々と見せられる為、虫嫌いの人は視聴注意。同様に、人体損壊が苦手な人も注意。
 もう一つ、人魚編も観賞。シティボーイズの斉木しげると、ワハハ本舗の久本雅美が出演しているが、これまた虫攻めの気色悪い作品だった。一応こちらはもう少々物語があるものの、人魚がグロいのでそれどころではない。

 最後にもう一本だけ邦画『グロテスク』を観た。題名ほど露骨にグロテスクかと言われれば、そこまでグロ描写は多く無い。しかし、残酷さは秀でているため、和製ホステルという印象。とにかく主演がAV女優だけあってエロイ。これが俗に言う、エログロってやつだろうか。

 近頃、ビバヒルとホラー映画しか観ていないのは、どうにも梅雨で気が滅入るためか。これを書きながらのお供は、コンテエクストラとクリスプブレッドオリジナルクラッカー。ハードタイプのシャリシャリした食感が癖になる、誰にでも食べ易いチーズを薄くスライスし、クラッカーに載せてオリーブオイルを垂らして食べている。勿論、そのままでも美味い。我が家のチーズはこれで品切れだが、クラッカーが全力で余っているため、またゴルゴンゾーラドルチェでも買って来るべきか。
 

片腕マシンガール、ホステル

2013-06-06 | DVD(映画)
 片腕マシンガールはスプラッター映画と聞いていたが、予算の都合だろうか、さほどグロ描写は無い。基本的に痛快コメディタッチのため、血飛沫が出ようと、顔が分断されようと、凄惨さを欠いている。良く言えば、間口の広いポピュラーな作品。悪く言えば、平凡なB級映画といった雰囲気だ。スプラッター要素に関しては、ホットファズやニンジャアサシン程度の微々たるものである。明るい分余計に作り物っぽさが強調されていることが残念だ。

 ホステルは、今までに観た映画の中で、断トツ首位に躍り出るグロさだった。これからスプラッター的な、人体損壊映像が観たいと言われれば、この作品を推奨しようと思う。前半はひたすらエロ路線で、頻繁に乳が出て来る。中盤以降、主人公が拷問部屋に拘留された頃から、今度は一転、ひたすらゴアパートに突入する。さながらスラッジビートとブラストパートが交互に織り成されるような構成だ。ただ、音楽が少し残念であり、もっと恐怖を煽るような音楽が作れていれば、食欲も減退するほどの残酷描写に成り得ただろう。以下、ゴアシーンのネタバレ。
 チェーンソーで指2本切断、拷問官(ブルジョア)はドジっ子で誤って自分の足を切断。その隙に撃ち殺す。指を拾い、死体のふりをして脱出成功。到着したのは精肉場、というか拷問で殺した人間を、包丁でバラして捨てるための場所。積み重なった死体といい、黙々と作業する肉屋さんといい、なかなかのゴアっぷり。アジアン女を拷問途中で助けたはいいが、片方の目玉が飛び出て痛がるため、目玉を根元から切断し、膿が流れ出る。車で逃げる途中、人をガンガン撥き殺す、ストリートチルドレンはガムで買収され、追っ手を撲殺してくれる。電車のホームで先程のアジアンが、鏡面のような壁で自分の顔を見てしまい絶望し、線路に飛び込み自殺。血飛沫がホームの人たちに浴びせられる。一人になった主人公は、悪い奴に復讐する。自分がされたように指2本を切り落とし、水攻め、最後に喉元を掻っ切って終劇。細かいところでは他にもシルブプレ野郎が拷問される場面もあるし、途中から断続的に残酷描写が入れ込まれているため、部屋を暗くして、一人で観よう。
 続編のホステル2は、ゴアシーンだけYoutubeに上がっていたので、それだけ観た。陰茎チョン切られる場面は、男性としてやはり嫌悪感がある。しかも、犬に食わせるというオマケの屈辱付きだ。きっとドMには最高のご褒美に違いない。女の子に、男性器を鋏で切り取られて、犬の餌にされるのだ。ドMども大歓喜の様子が目に浮かぶ。

 Barbarityの4thアルバムに、女の足指を潰す場面がSEとして使われていると思う。確認はしてない。ちなみに、The Rigor Mortisの1stか2ndの最後の曲は、食人族がSEとして使われている。SEになっている映画を見付けると嬉しい。そうか、ホラー映画はこう楽しめばよかったのか。
 しつこいようだが、俺はホラー映画を殆ど観た事が無い為、今回のホステルは大変グロテスクだと思っているものの、実際氷山の一角どころか、マニア視点ではお子様向けレベルの可能性もある。結局、ネット上にはもっと陰惨なグロ動画は幾らでも転がっているわけだし、BDSMの極致ともなると玉袋を剝いたり陰茎を割いたりと過激だし、きちんと物語が構築されているような映画に、猟奇性を求めるのは難しいのかもしれない。グロなんてCDだけで充分でしょうよ。

 個人的には虫嫌いなので、Slitherのほうが気持ち悪さで勝る。蛭とか苦手な人はゾワゾワするのでは?あと、ラスボスのアナルにミサイルぶっ放して倒す映画は何だっけ。あれも、虫が多くて結構気持ち悪かったな。

2013.06.05 - 磯のかほり

2013-06-05 | DVD(映画)
 久し振りに音楽を録音した。ゴアグラインドにお誂え向きのSEと言えば、ポルノもしくはスプラッターと相場が決まっている。さしずめスプラッター映画に関しては、ゴア映画と形容される趣があるほど、ゴアグラインドに相応しいジャンルだ。そこで、全然観たくもないのに、SEに使えそうな場面を求めて、ここ2~3日は映画漬けだった。
 しっかり観た映画は、「人肉饅頭2」、「人肉ラーメン」、「食人族」、「DEAD SNOW」くらい。物語は飛ばして、ハイライトだけ観たのは、「A Serbian Film」、「Hatchet」、「Hatchet2」、「13日の金曜日6」だろうか、他にもあった気がするが忘れた。色々観たうえで、やはり思うのはホラー映画に興味が無いということ。また、意外とスプラッターシーンは少ないのだなと思った。映画1本が90分だとして、うち70分くらいはグロテスクな場面の連続なのかと勘違いしていたが、ちゃんとストーリーがある。物語性が無いのはスナッフ系だけなのかな。だとしても、コメディ映画専門の身としては、ホラー映画鑑賞がとにかく苦痛で仕方ない。たとえ笑いどころがあっても、恐怖を煽られるともう台無しだ。
 では、ここからネタバレありのレビューとなるため、ネタバレされたくない人はしょんぼりしていってね。

 「人肉饅頭2」
 他のシリーズは見たことが無い為、比較不能。とにかく初めの1時間は、ジャッキーチェン映画のような香港的ギャグ映画だった。というか痴話喧嘩に次ぐ痴話喧嘩の応酬で、イライラして退屈だ。ただ、エロイ。全体的にエロイ。沢尻エリカの香港版というくらいエロイ。つまり香港版のヘルタースケルター、それが人肉饅頭2という認識だ。また、題名のようにエグイ場面はほぼ無い。よって、SEとして使える箇所は致命的に無い。人間を出刃包丁でミンチにして客に提供することを期待していたため、とんだ肩透かしだった。とはいえ面白かったので全く飛ばさずに最後まで観てしまった。

 「人肉ラーメン」
 気の触れた母親の話。タイ国の映画だが、タイ人はキチガイに優しいのだろうか。明らかな精神疾患の殺人犯に対し、男が優しく接することに違和感がある。中盤まで、場面転換が多くて物語が分かり難いが、観ているうちに分かってきて結構楽しい。全体的にオリエンタル且つ今風の構成なので、なかなかどうして良作だと思った。やはり題名のわりにゴアな場面は少ないが、1つ1つのグロさは結構高いため、悪くないと思う。一思いに殺さず、苦痛と恐怖を与え続けるという殺し方は、猟奇性を増している。視聴者に臭いを感じさせるような描写や演技があれば、更に良い作品になっただろう。

 「食人族」
 単なるゴア映画かと思っていたが、全然違ったことに驚きを隠せない。人種差別をテーマにした、真面目な作品だった。シーンが多く、しかも食としてのであるため、丁寧に解体の手順を見せてくれる。ただし、当時の技術的に精緻な模型を作ることは困難だっただろう。ゆえに、殺される動物は本物を使用している。また、アミン大統領による処刑フィルムを流し、映画の中でヤラセと言っているが、この作品を撮った監督によると、これも本物の映像を使用しているらしい。ちなみにやはり題名と違って、スプラッターな場面は多くない。それよりも、裸婦が大量に出演しているため、非常にエロイ映画だ。けしからん。エロで勃起⇒グロで萎え⇒エロで勃起⇒グロで萎え、この繰り返しになることが予想されるため、これは一種のちんちん弄び映画だ。ちんちんを弄ばれたい人におすすめ。

 「Dead Snow」
 デブが殺されるまでは、13日の金曜日と同じような、よくあるホラー映画の雛型と言えよう。ただそこから先は無茶苦茶。ゆでたまご先生のキン肉マン並みにツッコミどころが多過ぎて、もうただただ絶句。中盤以降はツッコミ訓練用の教材として最適なので、そういう人にはおすすめ。グロテスクば場面に関しては、臓物の作りがいまいちなため、ゴア要素に期待すると鬱になること間違い無しだ。でも、全シーンを通しても、ピンポイントで言いたいことがある。携帯繋がるなら最初から掛けろ。

 「A Serbian Film」
 これは多分、スプラッターというより鬼畜映画だ。吹き替え無しの英語字幕で観たため、大雑把にしか理解出来ていないが、誰よりも逞しいペニスを持つポルノ男優が、悪い男に騙されてスナッフムービーのような映画撮影に手を貸してしまう。酷い鬼畜な騙され方をして、最終的には全員殺して、一家心中するという顛末。他の映画と違い、グロではなく鬼畜と表現するのが相応しいのは、倫理的にNGな要素が多いから。例えば、妊婦の股から赤ん坊を取り出し、そのまま産まれたての赤子をレイプするとか、イラマチオ中に女の鼻を摘み窒息死させるとか。ただ、ペニスを使った斬新な必殺技は一見の価値あり。あと、今回見たのはノーカット版だったため、通常版には無い描写があるかもしれない。

 「Hatchet1&2」
 1の曲がマリリンマンソンだったことに衝撃を受ける。怪物の登場シーンは音量が大きすぎて音割れしているため、鑑賞の際は鼓膜に注意が必要。怪物は、昔何かの映画で見たことがある奴に酷似している。というかジェイソンに全体的に似ている。

 さて、ビバヒルでも観ようかな。

鉄板英雄伝説

2009-10-01 | DVD(映画)
鉄板英雄伝説 特別編
 安かったので、ついつい買ってしまった。
 題名からも見当が付く通り、米国産のアホなパロディ映画だ。この作品を鑑賞するのにあたって、もとネタの映画を少しは知っておくべきだ。と、私は思う。本編に登場する主な映画ネタは、次の通りだ。特に重要な映画は、太字にて表記しておく。
 「ナルニア国物語」「ハリー・ポッター」「チャーリーとチョコレート工場」「X-MEN」「スーパーマン」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ナチョ・リブレ」
 太字表記の映画に関しては、最低限あらすじ程度は知っていないと、本編のネタが殆ど理解できず、放心状態のまま90分を過ごすことになりそうだ。そして、これは一番重要な事柄なのだが、実は下ネタが非常に多い。というか、全編を通して、低俗な下ネタのオンパレードなので、バカを楽しめない人には不向きだ。
 パロディとしては、モノマネがそこそこ似ているので、首がむず痒くなるような違和感を得ることは無いと思う。しかし、ひどく俗物的な笑いを強要されることは覚悟しておこう。テンポも悪いし、オチも酷い有様だ。
 また、何かにつけて歌や踊りで誤魔化される。とはいえ、意外とノリの良いチョイスで、楽しいことは楽しい。ちなみにラップ系が殆どだ。

 さて、アホな映画であることは大前提なので、ここまで書いた限りの事柄に関しては、その他多くのパロディ映画にも当てはまるので、何ら気に留めるべき点とはいえないかもしれない。そこで、この映画の長所も述べておこう。それは、1つ1つのギャグの分かり易さだ。ギャグかマジか、一瞬理解できずに戸惑ってしまうことは、洋画のコメディではよくあることだ。しかし、この作品に限っては、"ここが笑うところ"ということが非常に明確である。
 理解度に関して個人差こそあれ、この分かり易さというものは、実はとても重要なことだ。と、私は考える。ギャグがすべる以前に、理解不可能という事態は非常に致命的だ。そういう意味では、大味になろうとも下ネタになろうとも、分かりやすいネタを盛り込むことが、何よりも大事なのである。

 私的感想としてはこんなところか。まぁ・・・忙しい人向きではないと思う。金と時間の無駄、という意味で。
 というわけで今回の「鉄板英雄伝説」、100点満点中、88点を付けさせて頂きます。

バス男

2008-12-03 | DVD(映画)
 電車男に便乗しようとしての命名だろう。だが、この邦題に騙されてはならない。バスに関係のある場面など、ほぼ無い。それどころか、電車男に近似した場面すら無い。これはこれで、しっかりしたコメディ作品である。

 内容(以下ネタバレ過剰につき注意)


 田舎暮らしのひょろ長い主人公ナポレオン・ダイナマイトは、車を持っていないため、小学生たちに交ざってバス通学している。変な暇潰しをするので、小学生に「今日は何するの?」などと好奇の目で見られ、うざったそうなナポレオンである。
 学校では、体育会系の連中に弄られストレスを溜めている。家に帰っても、変な家族を相手にストレスを溜めている。中でも兄(キップ)は32歳にして祖母の世話になり、室内でチャット三昧の生活という体たらくぶり。とはいえ、格闘技を習おうと思い立ち、その教室まで出掛けていくという行動力もある。ただし、ナポレオンと一緒に。
 奇異な眼で見られながらも、毎日を自己満足に浸りながら学園生活を送っていたある日、転校生のペドロと出会う。ペドロもナポレオン同様、大人しい男だ。同級生の中で唯一、口髭を蓄え、誰よりも格好良い自転車に乗っている。ペドロは行動力に溢れていて、ダンスパーティーのパートナーの女の子も、臆することなく誘うので、その点はナポレオンも一目置いている。その後、生徒会長選挙が開催する旨を記したポスターを見た時、ペドロは生徒会長に立候補することを決める。
 ところで、アメリカの学生といえば、ダンスパーティーは欠かせない。そして、ダンスパーティーに行くには、パートナーの女の子も欠かせないのだ。ペドロは学園のマドンナ(?)であるサマーを誘うが、あっさり断られてしまう。だが、周到なペドロは、同時にもう一人の女の子を誘っていた。その子からの返事はYesで、見事にペドロは相手を見付けたのだ。その女の子は、以前ナポレオンの家に写真撮影の押し売りに来た子である。
 一方ナポレオンの家では、ナポレオンの叔父(リコおじさん)が家に住み着き、近所の住人を相手に商売を始める。兄のキップも一緒に商売をするが、そんな折にキップは、チャットで知り合った彼女と、初めて会うことになる。その彼女(ラフォンダ)は、スタイルの良い黒人の女性だった。彼女はキップを、自分好みの男に作り変える。すっかりキャラの変わったキップは、ナポレオンを励ますと何処かへ行ってしまう。  ちょうど、ダンスの練習(何故だろう)をしていたナポレオンは、ラフォンダにテープを貰う。このテープが、彼の、そして親友ペドロの学生生活をも変えることとなる。
 キップが彼女と過ごす間、リコおじさんは一人で商売を続けていた。するとある日、ナポレオンの同級生トリシャの母親と商談がまとまる。そのセールストーク中に、ナポレオンの不幸話をしたことがきっかけで、トリシャはナポレオンとダンスパーティーへ行くこととなるのだ。ただし、トリシャは母親に言われて仕方なく付き合う形なので、いざ会場に入ると別行動になってしまう。

 これ以外にも、たくさんのエピソードがあり、半ば放心状態とも受け取れるような主人公と親友の会話など、まったり観たい人には堪らない要素が詰まっている。
 ところで、ナポレオンの描く似顔絵は、ラマのようだ。

REPOSSESSED

2007-12-14 | DVD(映画)
邦題「裸の十字架を持つ男 エクソシスト・フォーエバー」
今回、予約限定生産の1,500円DVDが発売されたのだ。数年前にVHSでレンタルした、同作品を既に観たことがあるので、躊躇いもなく購入した。


CASTが豪華!
 主演は勿論、レスリー・ニールセン。そして、本家の「エクソシスト」で悪魔に憑依されたリンダ・ブレア本人が、本家の17年後という設定で同じ役を演じる。

内容は?
 エクソシストのパロディということで、神父が悪魔を退治しようとする話。また、他のニールセン主演映画と同じように、ひたすらギャグで埋め尽くされている。

注意点!
 ギャグだらけの映画なので、さぞ笑えるのかと期待するのは大間違いだ。まず、英語や当時の米国を知っていないと意味の分からないネタが多過ぎる。
 まず主人公(ニールセン)の名前が、字幕では「イーデス神父」となっている。しかし、本編で彼は「メイアイ」と呼ばれている。「May I help you?」という英語を習ったことがあることだろう。そう、May I だからイーデスと訳されているわけだ。こんな調子で、英語"ありき"のギャグが冒頭から最後まで炸裂する。
 当然、他にもギャグは多い。だが、間が悪いのかネタ自体の問題か、どれもこれもスベリまくっている。レスリー・ニールセンの大ファンである俺でさえこの調子なので、特に思い入れが無い人は、絶対に観ないことを強くお奨めしたい。
 やはり監督や脚本はザッカー兄弟じゃないとダメだな・・・。


この先ネタバレ多大!
 ただでさえ古い映画なのに、その当時としても新しいとは言えないネタが盛りだくさんなので、古臭さがあり過ぎる。それは、「airplane」なども同じような作りだったが、airplaneはそれを力として笑いに変わっている。エクソシスト・フォーエバーでは古臭さが悪い方向にしか働いていない。
 あと、下ネタの頻度が高いので、嫌悪されがちな作品だ。


良い所は?
 しいて挙げるとすれば、車椅子専用の駐車場に車椅子のマークが駐車されているところ。他には、ニールセンが体を鍛える場面は、結構愉快だった。あと、ルーク・スカイウォーカーのネタと、リンダ・ブレア扮するナンシーとブロフィ神父が電話しているところのオチ。「あなたの名前宛てに手紙が入っていました。」と言って手渡される手紙に、「Your Name」と書かれていた瞬間。

最後に。
 たぶん3,000円以上だったら買っていないと思う。

希望観測・・・
 次に1,500円で発売さえたら即購入したい映画は「レスリー・ニールセンのドラキュラ」(さほど面白くないが、スウェーデン国内のとあるバーで流れていたので驚いた)かな。あとは、「フライング・コップ 知能0分署」(これに勝る作品は滅多に無いが、映画ではなくドラマ)と「裸の銃を持つ逃亡者」(これは、かなり面白い)と「パロディ放送局UHF」(ウィアード・アル・ヤンコヴィック好きなら楽しめる)だ。

スパイ・ハード

2007-09-28 | DVD(映画)
 レスリー・ニールセン主演のコメディ映画、007のパロディが本筋なのだろう、その名も「スパイ・ハード」である。レスリーが扮するのは情報局の局員、ディック・スティール(直訳すると鋼鉄のちんちん)というドジなスパイだ。
物語のあらすじ部分が終了すると、オープニング・テーマソングが始まるのだが、なんとこれがウィアード・アル・ヤンコヴィックである。愉快な歌とクセの強いヤンコヴィックの顔だけでも、このDVDを購入する意義があるというものだ。

 ところでこの映画が制作されたのは1996年なので、レスリーはもう十分にお爺ちゃんとなっている。なので、走ったり機敏な動きには無理があるが、面白さは衰えを知らない。脇役の面々も実に個性的でユニークだ。また、様々な映画のパロディが大々的に盛り込まれているため、色んな映画を知っていると楽しさが倍増するだろう。特に、「ホーム・アローン」と「天使にラブソングを」は予め観ておくといいかもしれない。

 裸の銃パート1以降、この作品も吹き替えはまともなので、字幕・吹き替えのどちらで観ても面白さに変わりは無い。

☆仕様
■本編時間 81分
■音声 1.英語(5.1chサラウンド) 2.日本語(2chサラウンド)
■字幕 日本語/英語
■映像 カラー
■画面サイズ LB ビスタサイズ
■制作年度 1996年
■片面1層

ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメントより。

裸の銃を持つ男

2007-09-28 | DVD(映画)
 「フライングコップ(Police Squrd!)」というドラマの映画版である。白髪のコメディ俳優、レスリー・ニールセンが扮するのは、主人公のフランク・ドレビン刑事。一見渋いお爺さんという雰囲気なのに、やっていることは実に滅茶苦茶だというギャップがたまらない。ただ残念なのは、当時C級のバカ映画と思われていたのか、吹き替えが不真面目すぎるため、渋さとのギャップという面白さが完全に消されてしまっている。そのため私は、字幕で観ることを強くお勧めしたい。

 元がドラマだったので、同じ役柄が沢山登場するが、役者は全く別人になっている(レスリー以外)。また、「フライングハイ」と同様に監督の身内が多々出演している他、西洋版・嘉門達夫(?)とでも言うべきウィアード・アル・ヤンコヴィックがカメオ出演している点も見逃せない。ちなみにヤンコヴィックはレスリー映画の常連だが、自身もコメディ映画の主役を経験している。「パロディ放送局UHF」という作品であるが、残念ながらDVD化はされていない。面白いのに・・・。

 邦題「裸の銃を持つ男」、原題は「The Naked Gun」。無駄な動きの数々、どうしようもないギャグの連続に、抱腹絶倒の最高級コメディだ。続編、続々編のほか、「裸の銃を持つ逃亡者」や「エクソシスト・フォーエバー」、「レスリー・ニールセンのドラキュラ」など、様々な映画が出ているのでそちらも同時に推薦しておきたい。

☆仕様
公開年:1988年
■オリジナル英語音声:5.1chサラウンド
■日本語吹替:モノラル
■字幕/音声解説字幕:日本語/英語
■音声解説(英語):モノラル
■スクイーズ 1.78:1(ビスタ)
■カラー
■85分(本編)
■片面1層

☆DVD特典
(1)オリジナル劇場予告編(2分24秒)
(2) 監督デビッド・ザッカー、製作ロバート・K・ワイス、ホスト:ピーター・ティルデン 音声解説

パラマウント ホーム エンターテインメント ジャパンより。

フライングハイ

2007-09-28 | DVD(映画)
 1980年公開というレトロなコメディ映画。ロバート・ヘイズが扮する元戦闘機乗りのストライカーが主人公だ。様々な映画やCMのパロディが盛り込まれているようだが、生誕以前の作品であるため、私が分かるのはサタデーナイトフィーバーくらいなものである。しかし、それでも十分に面白く、そして下らない映画だ。途中、そこそこ若々しい頃のレスリー・ニールセンが医者役で登場し、期待通りの活躍を見せてくれる。

 邦題が「フライングハイ」、原題は「AIRPLANE!」とのことから分かる通り、飛行機パニックものの映画だ。西洋には"つっこみ"の文化が無いため、集中して観ていなければ、怒涛の如く押し寄せる笑いの要素を見逃してしまいかねない。基本的には低予算での製作なので、本編には監督たちやその身内までもが沢山登場している。

 ちなみに吹き替えは無いため、英語が分からなければ日本語字幕で観る他無い。また、やはり映像の古臭さは否めないのだが、もともとチープさを意識して作られているので、面白さが色褪せる事は無いのだ。

☆仕様
■オリジナル英語音声:5.1chサラウンド
■字幕/音声解説字幕:日本語/英語
■英語音声解説:モノラル
■スクイーズ 1.78:1(ビスタ)
■カラー
■88分(本編)
■片面1層

☆DVD特典
(1)オリジナル劇場予告編(3分30秒)
(2)監督デビッド・ザッカー、ジェリー・ザッカー、ジム・エイブラハムス、製作ジョン・デイビソン音声解説

パラマウント ホーム エンターテインメント ジャパンより。