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宅配業務で業績を伸ばしてきた大手運送会社。 しかし、ここへ来て大口取引先の大手コンビニチェーン
から相次いで切られ、更には相手の創成期から支えてきたネット通販会社からも運送料値下げの無理難題
を押し付けられ窮地に陥っていた。 そこで起死回生を図るべく新しいネット通販ビジネスを考案し、
不義理な憎きネット通販会社に対抗していく。
作者は、ビジネスに詳しいかもしれないが、読者には、そんなにビジネスに詳しくない人もいるだろう。
登場人物の会話に主語が抜けていたりすると、逆に取り違えて読んでしまい意味不明になった事が何度か
あったし、他にも紛らわしい言い回しで意味不明になった事もあった。 作品を多くの人に存分に楽しん
でもらうためには、それらにもう少し配慮が必要だったと思う。
作中で、テレビとネット通販が繋がれば誰もパソコンでネット通販なんかやらなくなるだろうというのが
疑問だった。 テレビの通販番組なんて扱う商品の数が非常に限られているけど、最初から欲しい物が
決まっている人には、ネット通販のサイト内で検索すれば、あらゆる商品の中から瞬時に探し出せるから
パソコン等を使ってのネット通販の方が非常に便利なのは言うまでもないと思うのだが。
最後は、物流でお客さんとのラスト ワン マイルを握っているのが最大の強みである運送会社の苦心した
テレビ局と合体した新ビジネスが大勝利して、恩を仇で返したネット通販会社の没落という非常に溜飲の
下がる、まるで水戸黄門や半沢直樹の倍返しのような結末で大スッキリして面白かった。