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君が夏を走らせる / 瀬尾まいこ

2024年11月12日 | 読んだ小説
                    

☆☆
瀬尾まいこの作品の「あと少し、もう少し」に登場した、ツッパリヤンキー中学生の駅伝ランナーだった
少年が、学校にもまともに行かないぐーたらな高校生になって本作の主人公として再登場している。 

今回は主人公が世話になっている仲の良い先輩から、学校が夏休みの間、奥さんが入院している1ヶ月間
の日中だけ先輩の家に来て1歳10ヶ月の娘の面倒を見てくれないかというバイトを頼まれる。 まだおむ
つも取れない幼い娘の子守りを男子高校生にさせるのは危険だしマジでどうかと思うが、最初は頑なに
固辞したが先輩夫婦にもいろいろ事情がありやむなく引き受ける事になる。

この少年、不良のヤンキーだけど実は凄くいい子なのだが、男子高校生に幼い子供の面倒を、それなりの
期間見させたら大体こんな面倒事が起こって、大体こんな感じの状況になるだろうなというこちらの想像
の範囲内か、それ以下の出来事しか起きずと云うか、あまりにも上手くいき過ぎて特に小説で読むほどの
話ではないかな。 でも、娘の鈴香ちゃんがヤンチャで可愛いからまぁいいか。 

それから先輩の奥さんが両親と絶縁しているのに、主人公が無断で勝手に奥さんの両親に孫の写真を送っ
たのは差し出がましい行為だと思う。(てか両親の住所どうやって知ったんだ) それから主人公のクラ
スメイトで吹奏楽部の陰キャな女子生徒とのエピソードも、まったく必要なかったと思う。
本作は、なかなかいい作品なはずなのだが、一番の欠点は、主人公の男子高校生がヤンキーのわりに変に
真面目で優等生過ぎるのが鼻につく所か。


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