


奇妙で怪奇で幻想的な世界観とエロティシズム漂う夢野久作の短編集。
作者は、あの有名な奇作「ドグラ・マグラ」を書いた人で、私も昔に「ドグラ・マグラ」は読んだ気が
するが、ハッキリと内容までは憶えてないが、非常につまらなかったという印象は残っている。
それでこの本作だが、「ドグラ・マグラ」ほど意味不明な難解さはなくまだ読み易い方だが、
短編集だという事もあり、どの作品も古典的な内容のシンプルさが鮮烈ではあるけど、
やっぱり古典はつまらないかな。
表題作の「瓶詰の地獄」なんかは、もっと肉付けして膨らまして長編で書いたら面白そうなのになぁ。
でも、近親相姦の性描写でエロ小説になってしまいR15指定とかなりそうかも。
「瓶詰の地獄」以外では「一足お先に」が、そこそこ面白かった。