10月10日
日中は一時小雨もあったものの次第に晴れ間が出てきた日曜日。
ぽかりポカリと低い雲が着陸準備にかかった低空飛行の飛行機の更にその下でゆっくり南から流れていた。
雲量は次第に減っていき、夕方の西空には期待通りのきれいな三日月と金星が。
更に東南の空には木星とほぼ同じ高度に土星と、4星全て同一視界に見える。
今晩の空は安定してるという。
早速Dob12"を持ち出しまずは木星面を確認すると、ギリギリ大赤斑がまだ姿を見せていた。周辺部に近いせいもあるが実に淡く、目を凝らしてようやく気付く程度。もっと赤かった頃の大赤斑がやはり木星らしくて好きだ。
一方西縁からは大きく真っ黒なイオの影が侵入開始していることから、慌てて撮影開始。
東南にある木星撮影では反射望遠鏡ゆえに西を向いての作業となり、沈みつつある月と金星を見ながら同時にカメラのビューファインダーを覗くという操作が続く。この日は大赤斑が裏側に姿を消す時を同じくして金星も没した。
下の写真は、イオの影が木星面を横断する様子。3つの影を比較すると東側から太陽光が差し込んでいる(写真の右手方向から)ことからイオから木星表面までの距離はS1までが一番長く、その影が大きくなっている様子が面白い。
この日のシ―イングは中程度ではあったものの、時間があるにまかせ、木星から大きく離れたガニメデを撮影してみた。 太陽系最大の衛星である。
スタック画像を拡大すると、ノイズの可能性はあるもののうっすら模様めいた痕が。Coolpixの撮像素子では解像度(動画ではフレームレートに応じて変化)、そのフレームレート、感度、諧調(8bit×3)のトータルパフィーマンスではこの辺が限界か。自身の撮影、画像処理テク向上で、もう少しましな画像が得られるものだろうか。電子カメラに移行する前にもう少し足掻いてみたい。
望遠鏡をベランダへ出しっぱなしで、夕食やお風呂の所用で部屋からベランダへ出たり入ったりで6時間ほどが過ぎた。10年前に購入したCelestron社のPowerTankは、一度バッテリーが消耗し、コンパチバッテリーを取り寄せ・交換後は頼もしく復活してくれた。
最後に天頂近くにいる天王星で本日は終了。
視野に入れた天王星の周りには同じような5等星がいくつも見え、ずいぶん賑やかである。30cmで見る5等星はかなり光量もあり明るく、そのせいもあってか天王星はかなり白けたシアン色をしている。これを撮影した画像を確認してみると、かなり青みがかっていることに驚く。露出を変えてみてもこの色味は変わることはなく、よく見る他の天王星画像と一致する。
一方ボイジャーが撮影した写真では薄いシアン系をしていて、眼視やスタック画像イメージに近い。この違いは何だろうか。凍ったメタンで赤色を吸収された太陽の反射光、これだけ明るく真っ青な天体は唯一無二だ。