2020年6月、7月は驚くほど晴れない夜が続いた。
望遠鏡を屋外に出せたのは6月は9日、17日、28日の3日間(しかも9日は半分曇り)、7月は既に終わりに近いが恐らく皆無。
晴れそうな夜は、予め天気予報サイト「SCW」で詳細エリアの今後の12時間ほどの雲予測を見るのだが、ともかく雲に覆われる日々が続いた。
そんな中、最近の我が家のDobGoto12"の姿を1枚
望遠鏡を天頂に向けると、筒先の先端の高さは190cmと、室内の存在感を更に増している。
晴れない日々に黙々と室内で細かな工作に勤しんでいたので幾つかご紹介。
1、 鏡筒用迷光防止フード
写真の様にフードを先端に付けた理由は、シュミカセの露よけフードとは違い、外光/迷光対策である。 我が家から木星、土星、火星を少しでも良い条件で見るには南側のベランダに望遠鏡を設置する必要がある。 しかし、最近ベランダから見て東側に位置する環七の歩道橋沿いに強力な街灯が設置され、その光がこのベランダに直撃するようになった。
以降、苦肉の策として、ベランダの東側に写真撮影用の暗幕を幅2m程に張り、直接街灯の光が眼に入らない様に遮光し、低い南天を向いている望遠鏡先端にも迷光防止フードを被せ、その他周辺光の入射を防ぐためにトラスピラー周辺も覆うことになった。
貧しい星空の下でのささやかな抵抗である。
2、光軸調整装置
ほぼ紙製のレーザーコリメーターと紙筒に糸を張っただけのドローチューブ先端(斜鏡側)用十字線。
この十字線は、非常に簡単なものだが、意外と使える。
コリメーターから出射されたレーザービームが十字部分にあたり、更に斜鏡のマーカーに照射されていれば、接眼部から斜鏡間の位置合わせは出来ていることになる。ドローチューブの先端まで距離が稼げたことから多少雑なつくりでも精度的に十分使用に耐えると思う。
これらを使ってかなり光軸は追い込んだつもりだが、如何せんその成果を実際の星像で十分確かめられずにいる。
3、周辺光(光害)対策: 左目用アイマスク
QBPフィルターを購入したことにより、アイピースを覗く際に周辺光が気になり急遽製作した左目用アイマスク。
2種類の板ゴムを直径8cmほどの円筒状に巻き、両端から耳にかけるゴム紐をとりつけだけの物で、これを片目につけて、ハンドフリーの状態で接眼レンズを覗くための小物。 これを片目につけた状態で、接眼部をスッポリ覆ってくれるため、周辺光の遮光がキチンと出来て、特に最近のハイアイポイントの接眼レンズでは、非常に便利。
4、コントラスト向上+迷光防止対策:
500倍以上の高倍率の惑星観察の際はどうしても視野の背景のかぶりが気になってくる。 少しでもバックの抜けを改善したくて、接眼鏡に反射防止加工を施すためにカメラ用内面反射防止シートを購入。 ついでにドローチューブの内面、外面に貼り付けた様子。 つや消し状態は1ランクアップしたことは実感できるが、実際の惑星観望では??
5、バーティノフマスク
特に目的があったわけではないが、たまたまパターンをダウンロード出来るサイトを見つけ、暇にまかせて30cm用、8cm用を厚紙で製作。
実際の星像は、雑なつくり(ヨレや切り取り精度)のわりにかなり高次まで見えている。 ただやはりかなり暗くなるため、カメラのファインダー越しのピント調整などに使う際は、対象星が限定されそう。