神谷大輝の小説

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カナタさん

2023-04-18 18:23:27 | 日記
はっきり言って、わたしあの娘が一番嫌いなのよ!!
あの娘は良いわよね、少し可愛くて才能があるからってチヤホヤされて!!
わたしが演るはずだった桜木朔子役を私から奪った!!
主人公はわたしが演るはずだったのに!!
病気で仕事が暫くの間出来なくなった私の代わりに、あの娘、長谷川唯が演じる事に、唯はわたしの人生全てを奪った。
だからわたしも奪うのあの娘の人生を奪ってやる!!
呪がこの世に存在するのよね調べたのよ、カナタさん願えば誰でも呪い殺してくれる、方法も色々ある。
でもカナタさんは満月の夜にしか呪えないの。満月の夜の午前二時にカナタさんが生前好んでいた廃校、その近くの神社に相手を呼び出すそして・・・

「あらなに遥さん私をここに呼んで、まさか彼の事まだきにしてるの?ウフフ笑えるわね」
わたしの人生を奪った唯、唯さえ居なければ良かったのよ。
だからカナタさんに願った、この娘の人生をわたしみたいにして欲しいと。
「いえ別にね、彼はどうでもいいのわたしね願ったの、この世で一番嫌いな貴女が消えてほしいって」
そう唯を消して欲しいの!!
カナタさんは全て知っているの、この娘が欲に塗れて生きる価値等無い事を。
「そう、私は遥さんの事そんな風に思ったことはないわよ。でも私の前には現れて欲しく無かったわね」
大丈夫よ貴女の目の前からは消えるから、二人共ねわたしも貴女も!!
「あらわたしも同じ事を考えていたわ。それにもう彼には興味無いんだけどね」
貴女が居るだけでムカつくのよ、彼を汚した貴女が一番ね!!
「そう、じゃあ何で私を呼んだのよ」
貴女が死んでくれる場所だからよ!!
「もう終わりよカナタさんよ、カナタさんが来たわ」
「えっ」

0000

なんだか変な夢を見たな、なんでか知らない場所に二人の女性がいがみ合う、そんな夢を。
でも何だろうその夢は夢じゃない気がする。
俺は赤井陸警視庁捜査一課に所属している。
最近カナタさんというホラーな話が流行っている、何でも願えば誰でも呪ってくれるという。
まあ尾ひれ背びれついた噂話に過ぎないけど。
そんな存在がいたら、刑事も職務を全うできない!!
呪いなんざ、あって欲しくないな。
「あなた、今日稲穂の幼稚園の入園式があるの、あなた参加出来る?」
こいつは俺の妻の優花で、俺みたいな奴を好きになってくれた女だ。
優花との出会いはロマンチックでも運命的でもなく、普通に出会って普通に結婚した。
「今日は非番だから行けるけど、指示が出たらそっちに行かないといけないから」
「刑事も大変ね」
稲穂は俺たちの宝物だ、中々子供に恵まれなかったけどようやく、恵まれた時の感動は馬鹿にならない程喜んだものだ。
俺たちは結婚前と変わらず愛し合っている、おしどり夫婦と呼ばれている。
「いなほさいきんね、すききらいしなくなったんだよ」
「稲穂お喋りができるのか?」
俺は驚いた稲穂と最近接してなかったからか、お喋り出来るなんて知らなかった!

殺人現場

「おう非番なのにすまなかったな」
と吉村大輝警部は社交辞令をしたあと殺人現場の死体の場所まで連れて行った。血なまぐさい臭いがした、被害者は二人で心中かと思われる、にしても両方顔が無いとはエグいな!
両方共女性みたいだ。この現場何故か嫌な予感がする、この殺し方尋常じゃない、俺は何か関わってはいけない事件に関わってしまったみたいだ。
「警部これはどういう状況何でしょうか」
「被害者は二人共指紋で判ったのだが、神奈川遥さん二十九歳職業声優、同じく声優の長谷川唯さん二十二歳、死亡推定時刻は午前二時この神社で殺害されていた。」
午前二時そんな時間にこの場所で殺人を犯したのか?
この場所は滅多に人が通らないから、確かに殺人には向いている場所だ。
でもこの二人何でこんな場所に?
「何でもこの場所で打ち合わせをって普通しますかこんな場所で?」
と一人の花川貴史巡査は独りでボケてツッコミみたいな事を、意味不明。
ここには何か悍ましい程の悪意を感じる。
「なんだ、早川の奴まだ来ないのか?」
早川とは俺の相方の刑事の早川任三郎だ、いつも遅刻をしては怒られてばかり。
その度に警部の雷が落ちることになる。
でも頭はいい方でいつも解決へ導いてくれた。
「あいつはまた、パチンコでもしてるんじゃないですか?」
そう俺が言った時
「すいません、ちょっと女房と揉めてまして」
と早川がやって来た
「おい早川、遅いぞ」
「いやあ、女房の奴がカナタさんとかいう、オカルト話を信じちまって。怖いから今日は早く帰ってきてって泣きついてきて」
カナタさんか確かにあのオカルト話今知らない奴あんましいないだろうからなぁ。
「全く幽霊とかいるわけ無いだろう」
「とにかく聞き込みに廻ってくれ」

0001

「ねえ、聞いた声優さん二人も殺されたって、ニュースでやってたよ。何でも頭がないって」
頭がない・・・
私は春川ますみしがないO・Lだ。
今日は友達の宮川仁美とランチを食べている。
「そうなんだ、そういえば仁美あんた、また翔子の彼を奪ったそうじゃない」
そうこの娘は人の彼氏を奪っては振っての繰り返し、しかも翔子の彼氏ばかりを、いい加減止めないと大変なことになるよね。
「まあ、人の彼氏が飾りというか、この私を輝かせてくれる宝石なんだよね」
「そういえば、確か坂原佳奈多って娘、あんたに彼氏を奪われて自殺したって」
カナタさんってもしかして、いやカナタさんは佳奈多が自殺する前から噂がながれているから違うか。
「あんなのブサイクが粋がってたからいけないんでしょう。」
仁美のこういうところが好きじゃないのよ、でも思うんだけどこの事件何かある。


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