南硫黄島
2023-12-27 | 日記
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新聞の書評で面白いと紹介されていた本『無人島,研究と冒険,半分半分 川上和人』を読みました。鳥類研究者の著者による南硫黄島の10年に渡る調査の記録です。
東京都だけど東京から1300km離れたところにあるアポロチョコの形をした無人島。10年に一度しか調査も行われていない絶海の孤島です。植物や動物を持ち込まないために細心の準備が必要で,最後はウェット・スーツに着替えて泳いで上陸というハードな調査。周囲は断崖絶壁に囲まれてテントを設営可能なのはゴロゴロ石のわずかなビーチのみ。常に落石の危険があるため崖のそばにはテントは張れず,かと言って波打ち際にテントを張ると満潮で水没と,狭いビーチの幅3mほどの限られたエリアにしか設営できないベースキャンプ。そんな困難な状況でも各分野の専門家達が全身全霊で嬉々として調査している様子が,著者の明るく抱腹絶倒の語り口で記されています。本当に面白かったです。それにしても研究者ってほんとに大変なんですね。
昔から読書感想文って苦手で,うまく書けませんがとにかく面白くあっという間の読了でした。映像でも見たくてNHKオンデマンドにお金払って見たくらいです。