例年ならこの時期は,青木組のパーティで沢山の皆さんとの再会を楽しむのですが今年はお預けです。集合写真の撮影役を毎年仰せつかっていましたが,それも途切れることになりました。当分はあのような年末の過ごし方はできないのだろうな,と少し残念な気持ちです。
先日送られてきた『Doctor' Magazine』の表紙で,青木眞先生のいつもの笑顔を拝見して嬉しくなりました。何度か直接伺ったことがありましたが,あらためて記事から先生が歩んでこられた苦難の道を知ると「痛みを知る人ほど,人の痛みが分かるのだ」ということを痛感します。
青木先生の最大の功績は,地道に種を蒔き優れた臨床感染症医(感染症専門医だけでなく感染症を理解した総合臨床医)の輪を全国に広げたことだと思います。コロナ,コロナで明け暮れた1年ですが,お弟子さん達がいろんなメディアで発信される情報が心強かったです。
「人と人をつなぐとき,青木氏は最も輝いている」と記事にありますが全くその通りです。育てるだけでなく,つなぐこと,もう一つの偉大な功績です。「先生と絶対話が合う内科医がいるから紹介したい」十数年前にそう言って引き合わせて下さったのが名古屋のTierneyことF先生でした。心から尊敬できる友人に巡り合うことは僥倖です。人との縁を与え続けて下さった青木先生を,私も見習いたいと思っています。
「自施設の外,国の外に出て人の中にはいっていくことです」とは今の若手医師へのエール。この号の巻頭言には,黒川清先生が 「若者よ,大志を抱け,外へでろ!」と全く同じことを書かれています。奇しくも同じ雑誌に,恩師のお二人が掲載されているのは嬉しい限りです。
(実はこの号には専門医研修紹介のページで,私の教え子の一人である金澤剛志先生も載っています。)
よくやるような一年の振り返りを,今年はやっている暇は我々にはありません。私の職場でも同僚や職員たちが今も働いてくれています(当然私にも当番があります)。発熱外来の年末年始体制がうまく乗り切れるか,それが気がかりです。
でもひとまず,皆様よいお年をお迎え下さい。