マット・デイモン主演、クリント・イーストウッド監督作品の Hereafter は死後の世界が存在するということを前提に作られた作品だ。
予告編は大変に面白く、大きな期待を持って映画館に向かった。
ティーザーに登場する場面、監督、俳優ともにすばらしい作品を予感させたからだ。
結論から言うと、この作品は駄作だ。
過去20年間のイーストウッド監督作品の中でも1,2位を争うワースト映画だ。
最初の10分間はとても良く出来ている。
そこから雪崩を打つように映画が崩壊していく。
単調なカット、展開の遅いストーリー、先が読める筋書き。
ただ退屈、の一言。
実際、観客の一部は "I can't stand it any more." といいつつ席を立った。
発想はいい、ただそれをうまく映画としてまとめることが出来なかったという感じだ。
いいところを頑張って拾ってみよう。
一番気に入ったシーンは、ジョージ(マット・デイモン)とメラニー(ブライス・ダラス・ハワード)の二人がテイスティングをする場面。
「誰も寝てはならない」 (Nessun dorma) がBGMとして流れる中、目隠しをして食材を味わうというだけのことだがこれが熱い。
二人の間のケミストリーがうまく表現されている。
マット・デイモンはもちろんのこと、ブライス・ダラス・ハワードの放つ華は観るものを魅了する。
シャマラン監督がオーディションなしで主演女優に抜擢したのも頷ける (The Village & Lady in the Water)。
二つ目は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の使い方。
マーカス少年の物語になると、ゆっくりとしたテンポでこの曲を繰り返し登場させる。
ピアノからピアニシモの強さで演奏され、無口な少年の気持ちを表現する補助として効果的に使われている。
映画全体としては、3つの物語が同時進行し最後に交わるという構成だが、それぞれの話が冗長で不要な部分が多い。
マリー(セシーユ・ドゥ・フランス)の物語は変化に富んでいて、登場人物の内面の変化も有り、何とか持ちこたえている。
もちろん、もっと凝縮しても良い。
マーカス少年の物語が一番の問題だ。
予告編に出て来るとおり、家庭に問題のある少年が兄を失いそこから立ち直るという展開だが本編で新たに付け加えられた部分がない。
予告編で表現できることをあれだけの時間を使って見せることはないだろう。
ジョージの物語は最初から最後まで大きな変化がなく単調の一言。
才能(あるいは呪い)のために普通の生活が送れないと言うことを描写するだけなら10分もあれば(メラニーの話だけで)十分なはずだ。
並行する話をもう一つ増やしてもよいから、もっとテンポよくそれぞれの話を展開させるべきだろう。
観客をぐっと引きつけることの出来る俳優を使い、質の高い作品を驚くべきペースで送り出してくるイーストウッドが監督をしている。
それで完成したのがこの映画では、才能の無駄遣いとしか言いようがない。
もったいない。
予告編は大変に面白く、大きな期待を持って映画館に向かった。
ティーザーに登場する場面、監督、俳優ともにすばらしい作品を予感させたからだ。
結論から言うと、この作品は駄作だ。
過去20年間のイーストウッド監督作品の中でも1,2位を争うワースト映画だ。
最初の10分間はとても良く出来ている。
そこから雪崩を打つように映画が崩壊していく。
単調なカット、展開の遅いストーリー、先が読める筋書き。
ただ退屈、の一言。
実際、観客の一部は "I can't stand it any more." といいつつ席を立った。
発想はいい、ただそれをうまく映画としてまとめることが出来なかったという感じだ。
いいところを頑張って拾ってみよう。
一番気に入ったシーンは、ジョージ(マット・デイモン)とメラニー(ブライス・ダラス・ハワード)の二人がテイスティングをする場面。
「誰も寝てはならない」 (Nessun dorma) がBGMとして流れる中、目隠しをして食材を味わうというだけのことだがこれが熱い。
二人の間のケミストリーがうまく表現されている。
マット・デイモンはもちろんのこと、ブライス・ダラス・ハワードの放つ華は観るものを魅了する。
シャマラン監督がオーディションなしで主演女優に抜擢したのも頷ける (The Village & Lady in the Water)。
二つ目は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の使い方。
マーカス少年の物語になると、ゆっくりとしたテンポでこの曲を繰り返し登場させる。
ピアノからピアニシモの強さで演奏され、無口な少年の気持ちを表現する補助として効果的に使われている。
映画全体としては、3つの物語が同時進行し最後に交わるという構成だが、それぞれの話が冗長で不要な部分が多い。
マリー(セシーユ・ドゥ・フランス)の物語は変化に富んでいて、登場人物の内面の変化も有り、何とか持ちこたえている。
もちろん、もっと凝縮しても良い。
マーカス少年の物語が一番の問題だ。
予告編に出て来るとおり、家庭に問題のある少年が兄を失いそこから立ち直るという展開だが本編で新たに付け加えられた部分がない。
予告編で表現できることをあれだけの時間を使って見せることはないだろう。
ジョージの物語は最初から最後まで大きな変化がなく単調の一言。
才能(あるいは呪い)のために普通の生活が送れないと言うことを描写するだけなら10分もあれば(メラニーの話だけで)十分なはずだ。
並行する話をもう一つ増やしてもよいから、もっとテンポよくそれぞれの話を展開させるべきだろう。
観客をぐっと引きつけることの出来る俳優を使い、質の高い作品を驚くべきペースで送り出してくるイーストウッドが監督をしている。
それで完成したのがこの映画では、才能の無駄遣いとしか言いようがない。
もったいない。