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進化論とID(インテリジェント・デザイン)

2011-02-07 20:17:12 | 科学
少し気づくのが遅れたが、先月末のサイエンスに気になる記事が出ていた。
"Defeating Creationism in the Courtroom, But Not in the Classroom" M. B. Berkman and E. Plutzer
Science (2011) vol. 331, pp. 404-405

アメリカの高校では積極的に進化論を教える生物学の教師は28%に過ぎない。
さらに、13%もの先生が創造論を教えるというのだ。
大多数(60%)の教師は、当たらず障らずという態度を取っているという。

2005年にあったペンシルバニア州ドーバー学区での裁判沙汰は、ID側の全面敗訴に終わっている。
判決を要約すると「IDは創造論そのものであり、公立学校で教えるのにふさわしくない。」ということになる。
つまり、宗教の分離を謳う憲法に反するというのだ。
まさにその通りなのだが、 Discovery Institute 自体もは聖書が絶対だという態度を取りつつ、自分たちは宗教とは関係ないという。
今でも活発に科学の名のもと布教に専念している。

この有名な裁判 (Kitzmiller vs. Dover Area School District) が記事の題名の前半部分だ。
それを前提として、タイトルの後半を考えなければいけない。
ID(キリスト教の神が世界を作ったという説)を学校で教えるのは憲法違反だという司法判断が出ているにもかかわらず教育現場では未だにIDを教えようとする教師が少なからずいるというのだ。

アメリカはキリスト教の国だからどうしてもそういう圧力があるのは分かるが、IDを科学と呼ぶことにやはり抵抗を感じる。
ID論を唱える人の1/3は生物学をきちんと履修しているというのも驚きで、啓蒙すれば進化論を学校で教えやすくなるというものでもないことが分かる。
要するに信じたくないのだ。
まさに、宗教は人を盲目にさせる。


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