最近の出来事

ニュースや新しいテクノロジー、サイエンスについて感じること。

Apple Teaser

2010-11-15 21:51:17 | 日記
またアップルがいつものじらし戦略を始めた。
次の提案が何かを徹底的に隠すという手法だ。

今回は明日 iTunes が大きく変わるという予告だけをウェブサイトに載せている。
ついでだから、推測してみよう。
まずは時間帯(アップル社のあるカリフォルニアでは午前7時)と、記者会見が予定されていないという点を考慮して、世界同時発表のイベントと思われる。

最近アップル社がノースカロライナにデータセンターを建設したという話題があった。
それから勘案すると、本命はクラウドの導入か?
音楽のストリーミングだとすると、 iPhone や iPod でサーバー上の音楽を聴けるようになる。
ビジネスモデルとしては最終的に定期会員を募集することだろう。
月額、あるいは年間契約で、サーバー上の音楽をオンデマンドで聴けるようにするというものだ。
会社にとっての利点は安定した収入源を確保できること、消費者側の利点は1曲あたりの値段が下がり、膨大なライブラリーにアクセスできることだろう。
気に入った曲は別個に購入すればよい。
ローカルファイルは WiFi がなくても聞けるからだ。

対抗は、ビートルズの登場。
これまでアップル社とビートルズの間には商標を巡る遺恨があり、和解が成立していなかった。
そろそろ手を打ってもいいのではないか?

大穴はフェースブックとのタイアップ。
この話は破談になったはずなのでもしかしたらという期待程度。

さてどうなるか。
午前10時EST


国の経済

2010-11-14 10:44:23 | 日記
ニューヨークタイムスの国家予算シミュレーターが Week in Review に出ていた。
これを色々と操作している間に、何が国の借金を作っているかが何となく見えてくる。

自分なりの答えを出すために、色々と工夫してみる。
どこかを犠牲にしなければ、目標を達成できない。
増税しないという方針ならば支出をカットしなければならない。
増税等による歳入の増加と支出削減の割合も集計されて表示される。
自分が大きい政府を目指しているか、小さい政府を目指しているかが一目瞭然だ。

結果を見るとどうやら、やや小さい政府を目指しているようだ。
(支出削減が57%、増税分が43%)

このようなシミュレーション計算を手軽に出来るサイトの開設を日本でも出来ないだろうか?
まずはテレビ局や新聞社に期待してみよう。
そのためには経済学者の協力が必須だろう。
こういう経済理論を(国家的見地に立って)打ち出してくる知識人はいったいどれくらいいるのだろう。
もちろん、理論と手法をしっかりと確立できる人物という意味だ。

日本の「仕分け」の様子を映像で見る機会があったが、あれは単なる政治パフォーマンスにすぎない。
有効な支出削減と言うには、第一金額が少なすぎる。
もっと大きい支出削減、特に長期的に見て負担になる部分に手をつけなければいけない。

日本では、国家予算のギャップを国民はどう把握しているのだろう?
最近の経済情勢のもとでそれをどう克服していくかを真剣に考えたことのある人はどのくらいいるのだろう。
お上に任せて、増税には反対、福祉予算の削減には反対、と何にでも反対していないだろうか?
ちなみに、支出削減と福祉予算の削減はほぼ同意語である。
その他をいくら削っても、福祉予算の負担がある限り長期的なギャップを埋めることが出来ないからだ。
両方に反対しつつ国家予算のバランスを取ることは不可能だ。
その事実を、こういうシミュレーションは教えてくれる。

人によってどうやってバランスを取るかは異なってくるだろう。
各政党も、歳入不足を解消して長期的に借金を返せる案を出してくるべきだ。
それらの案と自分の計画を比べて最も近い政党を選択して投票する。
そういう風に民主主義はデザインされているはずだ。

銀河系の秘密

2010-11-13 12:34:48 | 科学


先日のNASA記者会見でこれまで知られていなかった不思議な構造が見つかったと発表された。
フェルミ望遠鏡(ガンマ線宇宙望遠鏡)での観測結果を解析したら、銀河系の中央からガンマ線が両軸方向に放たれ、まるでシャボン玉が2個吹き出しているかのように見えるということだった。
このガンマ線は弱い光 (Photon) と電子が衝突して発生していることまでは知られているが、この電子がどこから来たものかは不明だ。
高さは2万5千光年(銀河系の半径の半分弱)もあり、せいぜい数百万年程度の年齢で比較的新しい構造だという。
何よりも、その境界が鮮明であることがこのバブルの謎を深めている。

物理学者の間ではこの構造について、「爆発的星形成 (starburst) の際に放出されるエネルギーが変換されたものだ」とか「銀河中心部のブラックホールから放出されていたエネルギーの名残だ」などと、様々な推測が述べられている。

少なくとも、これまで天の川銀河は電波銀河とは考えられていなかった。
つまり、中心部のブラックホールは燃料切れ(低光度活動銀河核)だと思われていたので、高エネルギーのガンマ線がバブル状に大量に存在すること自体が意外だったし、しかも最近出来たものだという結果は説明できないということだ。

また一つ、知らないこと(訳のわからないこと)が増えた。





子供の年表

2010-11-12 22:11:46 | 日記
小学校4年生の今月の課題が、自分の年表を作ることだそうだ。
そこで古いデータを掘り起こしてみた。

一番小さいときの写真が、身長 16 mm (妊娠8週)。
次が身長 16.5 cm (妊娠24週と4日)。
最近の子供はずいぶんたくさん写真やビデオがあるものだ。
ざっと眺めても数千枚の写真がある。
結構大変な作業になりそうだ。

これから感謝祭の休日に入るので、こういう宿題になったものと思われる。
アメリカではこの旧いつに遠い親戚も含めて家族が集まることが多いからだ。
民族の大移動とも言う。

去年指導しいていたアマンダの場合、感謝祭には100人以上のいとこ、はとこが集まるという。
分家間でのスポーツ対抗戦(バスケットボールやバレーボールなど)が催されるという。
ホリデーディナーの様子は想像すら出来ない。
なんと言っても家族のサイズが日本に比べて多いのではないか?

マイクロモンスター

2010-11-11 08:23:56 | 科学
Tom Jackson の Miromonsters という写真集はユニークだ。
Telegraph で紹介されていた。

要するに、走査顕微鏡の写真に色がついていると思えばよいのだが、裸眼では見えないミクロの世界をいきいきと写し出している。
気色悪いという感想も多いが、見慣れていないせいもあると思う。
だにの体に波状の模様がついていたり、シラミの卵に穴が開いていたりと、新鮮な発見も多い。
アリマキの写真を借用した。
よく見ると精悍な顔つきをしている。





とぼけ気味のハエとはかなり違う。





白いリンゴ

2010-11-10 11:05:17 | 科学
青森の白いリンゴ「サイレントホワイト」が東京にお目見えする。
新聞記事には「ピュア・ホワイト」と出ていたが本家では名前が違うらしい

もちろん白いリンゴはあったのだが、白い間は甘くない。
リンゴは日光を浴びて成熟し赤くなるとともに糖度が増す。
甘くないのは白いからなのか、まだ成熟していないからなのか定かではない。
言い換えるとリンゴは白いから甘くないのか、ただの独立した結果なのかはわからない。

これまでのリンゴ農家は、リンゴが赤くなったら甘くなるという先入観をもっていた節がある。
さらに、歌にもあるように消費者にはリンゴは赤いという固定観念があり、白いリンゴに市場価値があるとも思えなかった。
大人としては、白くて甘いリンゴを作ろうとは思わなくても当然だ。

白いリンゴを開発したのが高校生のグループだと聞いて納得した。
若くて柔軟な頭ならではの発想だ。
市場価値を考える前に作ってみたかった。
独特の色や形で消費者の興味を引く可能性さえあればそれでいい。
十分な動機だ。
まずこの着眼点がすばらしい。
つまり、大人が作ろうとしないものを作ってみようという計画だ。

さらには実行力においても秀逸だ。
まず、袋をかぶせて日光を遮断してみるというのは素直な発送だ。
それだけではない。
そのほかにも、細胞内のエネルギーの使われ方にまで工夫が凝らされている。

残された問題はそれで甘くなるかどうかと言うこと。
色と甘みに直接因果関係はなくても、日光照射が色彩と味の両方に関与しているとしたら袋をかぶせれば糖度が上がらないことになる。
結局、通常は剪定する実の周囲の葉を残すことが必要だという。
こういう実用的な発見は地道な努力のたまものである。
惜しみない拍手を送りたい。

色彩の保存については、商品化を考えれば必要な処置だが、酸化を防げばいいわけだから真空パックという通常のアプローチで十分だ。
あとは市場開拓だが、こちらも話題性が十分なので成功しても不思議ではない。
日本には紅白を尊ぶ習慣があるのも追い風だ。

最後に、高校生にこれらの研究をする場を提供した周囲の大人達にも賞賛を送りたいし、感謝したい。
日本でこういう機会を得ることが難しいのを知っているだけにこういう活動が存在することをうれしく思う。

ストーン

2010-11-09 16:21:53 | レビュー
Stone はおそらく心理サスペンスというカテゴリーになるだろうが、いわゆる緊張感が続くという意味でのサスペンスではない。
登場人物の心理的な駆け引きが映画の根幹となっており、そのなかで人の本来の姿が見えてくるというストーリーだ。

登場人物は4人。
ジャックとその妻マディリン。
囚人ストーンとその妻ルセッタ。

この映画はは俳優になるための模範演技を見ているような映画だ。
特にエドワードノートンは、人物の描写、心理状態の変化、垣根をくぐって悟りを開く課程、煩悩から解き放たれた平穏な精神状態、どの演技をとっても見事に計算し尽くしている。
彼の演ずるストーンは脚本でも力を入れて描かれており、十分に楽しめる。

映画の前半で、ストーンと刑務官ジャック(ロバート・デニーロ)の間で交わされる厳しい言葉のやりとりは、タランティーノ監督お得意のテーブル会話シーン (Pulp Fiction や Inglorious basterd) を遙かにしのぐ大迫力だ。
さらに映画の冒頭では、ジャックの若かりし頃のエピソードがフラッシュバックとして挿入され、彼の本来の人格が端的に表現されている。
音楽が効果的に使用され、映画の筋書きと音楽の構成もぴったり調和している。
この両場面だけで、この映画に対する期待が一気にふくらんだ。
何も説明はいらない。
たったこれだけであふれんばかりの情報が伝えられ、まだ見えてこない筋書きについて様々な可能性が広がる。


ところが、そのあとの展開にはがっかりである。

まず、ロバートデニーロを脚本家が生かし切れていない。

彼の迫真の演技は、観るものを否応なしに引き込んでいく。
ところが、彼の演じるジャックの描き方が中途半端だ。
もっと、彼の屈折した人物像を、様々なエピソードを通じて見せて欲しかった。
過去の彼から現在に至る変遷、その間のマディリンとの絡みなどである。
平衡状態に達した夫婦関係だけが、不必要なまでにしつこく描写されており時間の無駄遣いだ。
その代わり、そこに到達する過程を筋書きに組み込めばいい。
宝の山を前にして素通りとは、何とももったいない話だ。

タイトルとなっているストーンは単純な人間に見えて実は奥が深い。
映画の結末部で新しいストーンが誕生するが、彼のこれからの人生をもっと観てみたい。
エドワート・ノートンは映画を通して変化していくストーンを絶妙な表情や仕草で表していく。
まさに芸術的だ。

ルセッタは逆に複雑に見えて単純な人物だ。
この妖しい女性をミラが好演している。

このように俳優陣の演技はすばらしく非の打ち所がない。
逆にそれが脚本の弱さを際だたせているのは皮肉だ。
皮肉と言えば、刑務所に服役しているストーンが悟りを開き、刑務官のジャックの本性が反社会的である点もそうだ。

この映画はテレビのようなカットが多用され、映画館に足を運んでまで鑑賞する理由を見いだせない。
DVD発売まで待って、自宅でゆっくり見るとしても何ら失うものはない。

この映画は外れかもしれないが、続編を見てみたい。
なぜなら、十分続編が作れるだけの材料を鏤めてあるし、第一、話が何も完結していないから。

C+

2010-11-08 16:37:36 | 日記
今日は朝から雹が降り注ぐ。
寒くなってきた。
いつも感謝祭の頃には気温が氷点下まで下がる。

昨日から標準時間に戻ったので、午後4時にはもう暗くなる
これから灰色の長い冬が続く。

きみがぼくを見つけた日

2010-11-07 07:45:03 | レビュー
去年の映画になるが The time traveller's wife" を見ることが出来た。
この映画はロマンスのカテゴリーかな。

The Notebook でブレイクしたレイチェル・マックアダムスがヒロインを演じている。
彼女はこの手の映画に向いている。

子役の Brooklynn Proulx がとても魅力的な演技をしていて楽しみだ。
ストーリーはタイムトラベルをしてしまうヘンリーの不思議な一生を描いている。
映画を通じてヒロインのクレアは理解のある女性を演じているが、突然のタイムスリップで彼がいなくなるという不便さに対する苦悩や葛藤が描ききれていない。
軽く楽しう映画としては上質だ。

ちなみにプロデューサーのブラピは「トロイ」で主役のエリック・バナと共演している。

餃子

2010-11-06 08:11:19 | 日記
子供が餃子について調べているので聞かれるとまずいと思ってこっそり予習しておいた。

意外だったのは、2500年以上も前の遺跡から餃子を食べていたらしい跡が発見されたという。
そんな昔から食べていたのかと驚いたわけではない。
そんな跡が良く残っていたなと信じられない思いだった。
どうやって調べたのだろう。

餃子のミイラ。
これも新鮮だった。
敦煌にある唐時代の墳墓から出土したという。
ウィキを始め、ウェブのどこを見てもこの記載があるが出典が見つからなかった。

「餃子の発祥はメソポタミアだ」という説を見たというブログもあったが、もう少し調べてみようかな。
日本への伝来は意外と新しく、大衆に広まったのは第2次世界大戦後だという。

次に餃子の種類について

ニューヨーク周辺はポーランド系の住民が多いのでピローギはよく見かける。
スーパーなどでも茹でて焼くだけでいい状態のものを売っている。
丸岡の餃子と同じ仕組みだ。

もちろん中華街に行けば多くの種類を楽しめる。
焼餃子、水餃子、スープ餃子、点心、揚げ餃子など。
ただし中国の餃子にはニンニクが入っていない。

南米の餃子はどちらかというとミートパイ風だが、肉や野菜のみじん切りを小麦粉で作った皮で作る点は同じだ。
エンパナーダといってアルゼンチン料理屋やボリビア料理屋で見かける。

イタリアのラビオリはもちろんこの辺りでは定番。
ファミリーレストランのお子様メニューにも載っているくらい。
ちなみに他の定番はマッカンチーズ、グリルドチーズ、チキンフィンガー、ミートボールパスタなどである。
(Mac'n cheese, Grilled cheese, chicken finger, meatball pasta)

東京で見かけたのにまだニューヨークでお目にかかっていないのがブリック。
巨大な揚げ餃子という感じで中にゆるめの卵が入っていた。
今は閉店したと聞いたが、新宿にローズドサハラという北アフリカ料理のレストランがあった。
そこでで初めてワニやブリックを食べた。

広い意味で餃子というか、小麦粉の生地で種を包んで調理する料理は世界中にあるんだなあと改めて感心した。

国民総背番号制

2010-11-05 14:37:54 | 日記
年金番号や納税者番号、あるいは戸籍番号でもいいが、ひとりひとりのアイデンティティーを統一された番号の下に管理するという考えに日本人はアレルギーを持っているという。
そもそもの年金問題は、戸籍とID番号、年金番号を連携させられないことに問題の根本があると思う。
社会保険庁に責任を押しつけてそのまま問題をうやむやにしてしまったが、今こそ国民総背番号制を導入するべきだ。
同時に、個人情報の管理に対する法整備も行う必要がある。
市民の意識改革も必須だ。

たとえば電子メール。
勝手に送りつけられてくるメールに対する法規制はほとんど無い。
アメリカの場合、簡単にメールリストから外れる(ワンクリックで)仕組みをつけることが義務付けられている。
さらに、日本の携帯サイトでは無料とうたいながら、携帯からのアクセスのみを受け付けて、携帯番号のIDを収集している。
どれだけの人が、その事実に気づいているだろうか。
日本ではこういう個人情報の収集は野放し、つまり法規制がない。
アメリカの場合は携帯の認識番号を始めいかなる個人情報も、本人の承諾なしには収集できない。

グーグルのマップを使って現在地を知りたいときでも、ソフトウェアからGPSのデータ(現在地)を送信していいかと承諾を求められる。
つまり、個人からいかなる情報も無断で集めてはならないのだ。
もちろん、違法を承知でウィルス等を使って情報収集する輩もいるわけだが。

個人情報の扱いが厳格でないことはいろいろな事件を見ればわかる。
例えば、一流企業と思われるヤマト運輸でさえ、パスワードもなしに個人情報へのアクセスを許していた。
意識が低すぎる。
携帯電話のIDなんてソフトウェア開発用のプログラムを使えば簡単に詐称できる。
ブラウザーだって、デスクトップからアクセスするときでも携帯電話のふりをすることができる。
そうすることによって、携帯電話専用のサイトの動作状況を確認できるからだ。
彼らは現金を公衆の場所にそのまま置くだろうか?

企業や団体の意識が高くても法規制は必要なのだから、法整備を怪奇として議論を盛り上げる必要がある。
そうすることによって、企業や団体を啓蒙できる。
そんな法規制は必要ないという理想主義者に対しては、 "Tragedy of the Commons" の実験をしてみるが良いとだけ言っておこう。

当然、こういった改革には国民の支持が不可欠だから国としても、統一ID番号の必要性とその特典をきちんと説明する必要があるだろう。
個人情報の保護に関する法整備も当然説明するべきだ。


肺癌と胸部CT

2010-11-04 14:33:11 | 科学
国立がん研究所(NCI)のサイトに肺癌死を胸部CTスクリーニングで減少させられるという記事が出ていた。
これは画期的な発見で、これまでの「胸部レントゲン写真などスクリーニングで肺癌の発見が増えても致死率には影響がない」という定説を覆す。

喫煙者5万3千人を対象にした Randomized trial の第一回報告だ。
治験者には、年一回の検査として胸部レントゲンかCT(正確には Low-dose heilcal computed tomography だが)を2年間に3回受けてもらう(植木算)。
5年後の肺癌死の数をみるとXP検査群で442人、CT検査群で354人となり有意差があった。
検討会で、これ以上治験を続けるのは倫理的に問題があるとされた。
つまり、不利益だとわかったXP検査を治験のために受け続けさせるのは倫理上好ましくないというわけだ。
わずか2年間、3回の検査という段階で差がついたことは意外であったし、深刻に受け止める必要がある。
このペースで行くと、10年間CT検査を続ければ肺癌死の8割近くが防げる計算だ。
CTという侵襲性の比較的少ない検査でこれだけ肺癌死が予防できるなら、国としても積極的に行動を起こすべきだ。

ちなみに肺癌はがん死でダントツの一位だ。
全米で年間16万人が肺癌によって死亡する。
この数字は乳癌、大腸がん、前立腺がん、膵臓がんを全て合わせた数より多い

各新聞などでは、喫煙者に対してこういう検査を行うと医療費の増大につながるという意見も載っていたが果たしてそうだろうか。
早期発見すれば、化学療法費用も進行癌よりも安いだろうし、生存した人の生産性も無視できない。
一概に社会の損失とはいえないのではないか?
たとえ医療費に対する影響が不確実だとしても、これだけ有益だとわかっている検査をしないというのは倫理的におかしいのではないか?
CT検査の成人検診への導入は一考に値する。

初霜

2010-11-03 09:16:17 | 日記
今朝は初霜が降りていた。
庭のナスが瀕死の状態だ。
先々週暖かかったからかいくつか実をつけ、そのうち一つが大きくなった。
早速収穫せねば。
秋も深まり、これからどんよりとした冬となる。

The Girl with the Dragon Tatoo

2010-11-02 22:00:42 | レビュー
昨年見逃した映画を図書館で借りてきて鑑賞した。
原作はすでに読んでいたので登場人物や時代設定等にはなじみがある。

一般の評価は決して低くない (7.7/10) が少し物足りないと感じたのは無意識のうちに原作と比べたからかもしれない。
原作ではストーリーが並行して展開する。
それぞれに興味深い話だが、映画ではそのうち2つは全部切り捨てられている。
その上、残り一つの筋書きも大幅な削除を受け、映画ではミステリーの部分だけが抽出されている。

主人公のミカエル・ブロンクミストの物語は9割以上が切り捨てられた。
その部分には彼の苦悩や葛藤が含まれており小説としては重要な部分だ。
さらに、表題のドラゴンタトゥーの女の話も、性犯罪の犠牲者としての部分だけがこの映画では取り上げられている。
要するに、映画ではミステリーの部分を描くだけで、それも謎解きの部分はごく手短に紹介されているだけだ。
それで2時間になるのだから映画は難しい。

先日、続編が公開されたがそれもまだ見ていない。
原作だけでよしとした方がいいかもしれないと思った。

ケーブル会社とテレビ局

2010-11-01 12:19:00 | 日記
先月の半ばからケーブルビジョンというニューヨーク地区のケーブルテレビサービスからとフォックス局の番組が消えた。
要するに、放映権料の交渉がまとまらなかったと言うことだ。
利用者を人質に取った交渉戦術には批判も多いが、時々起こることだ。

最近では、シティバレエのオーケストラがストに入り、生演奏でなく録音で毎年恒例のくるみ割り人形を上演していたことを思い出す。
ブロードウェイでのストもまだ記憶に新しい。

今回の騒動が異質なのは、両社とも評判のよろしくない会社で、争い方が醜いこと。
まず、ケーブルビジョンはすべての業種をあわせても顧客サービスが最悪の会社といえる。
ニューヨーク近辺の多くの人が同意すると思う。
些細なことでは、顧客係に連絡する際は有料通話でなおかつ60秒ほどの宣伝を聞いた後でなければつながらない。
顧客に電話料金を払わせておいてCMを聞かせるという発想がすでに常識からかけ離れている。

サービスを頼むと、予約の仕方が特定の日の午前中か午後という枠の取り方になる。
午後のサービスを取ったとき、午後1時から5時まで待って誰も来ないので午後4時55分に電話すると(もちろんCMを聞くことになる)、まだ5分ありますからと言って取り合わない。
午後5時を過ぎると今度は連絡が付かなくなるという始末。
こういうすっぽかしを3回続けてくらうと、この会社の倫理はどうなっているのかと疑問に思う。

この状態はケーブル配信は1地区1社という仕組みからくる無競争のたまものだ。
どんなに不満でも他に選択肢がないのだから仕方がない。
それを良いことに、劣悪なサービスを提供し続けているケーブルビジョンは評判が悪くて当然だ。

フォックスの方は極右の論客を多く抱えているテレビ局で、番組の中でもそれが反映されている。
例えば人気番組だった「24」で活躍するジャック・バウアーは究極の "Utilitarian" である。
全体の利益のためには、個人の人権など存在しないというものだ。

さて今回は、結局フォックスの全面勝利に終わったが、ケーブルビジョンの争いぶりは見ていて情けなくなった。
まず、フォックスが10月16日に番組を引き上げると、やり方が不公正だとキャンペーンを張り、FCCに仲介しろと訴えた。
実際、FCCにはそんな権利がないにもか関わらずである。
次に、争っている間はテレビ番組を提供させ続けるようにと議会に訴えた。
もちろんそんなことが出来るはずもなく、何も起こらない。
そこで、今度は自社の新聞 News Day で、フォックスの番組を海賊版配信しているウェブサイトの紹介をするという有様。
特に最後のあがきでは、こういうサイトは違法ですと言いつつアクセスの仕方を公表している。
その要旨はケーブルビジョンで見られなくなった番組を視聴者がどうやって楽しんでいるかという記事だ。
しかも合法的な、衛星配信会社へのスイッチや有料サイトの紹介という選択肢には全く触れていない。
倫理上の問題は別として、この記事自体の合法性に疑問が残る。

論点はただひとつ。
フォックスは数曲をパッケージで販売している。
ケーブルビジョンはばら売りを要求した。

値段についてフォックスの主張は、他の配信会社と同じ値段だという。
ケーブルビジョンは。ABCやNBC等、他のテレビ局に比べて値段が高すぎるという。
両方とも事実である。
7局まとめ売りだから2局ばら売りよりは高い。
ケーブルビジョンは2局だけが欲しいのだから、パッケージ価格を2局分についてのみ計算するから割高だと主張する。

この交渉はどこで主張額石賀っているかがはっきりしているが特に不公正な交渉とも思えない。
ともかく、ケーブルビジョン側が折れて、番組配信が再開された。

ケーブルビジョンが発表してコメントから引用
"In the absence of any meaningful action from the FCC, Cablevision has agreed to pay Fox an unfair price for multiple channels of its programming, including many in which our customers have little or no interest,"
「FCCが何もしてくれないからケーブルビジョンはフォックスに対して法外な放映権料を支払うことに同意せざるを得なかった。その値段の中には、視聴者が興味を持っていない番組も含まれており不本意だ。」