この前、兄弟とも親子ともとれる微妙な年齢関係の中年アメリカ男性二人組(白人)とツアーで出会いました。
一人はこの寒いのに半袖のTシャツ姿でツアーに参加していました。しかもそのTシャツには日本語で「大アマゾンの半魚人」と大きく書かれ、横にB級ホラー映画に出てくるような半魚人の絵がプリントされているインパクトの強いデザインでした。
"Nice tee shirt!"と私が言ったら、彼は「これは"Creature from The Black Lagoon"という50年代の名作で、その日本版ポスターのデザインのレアなTシャツなんだよ!」と教えてくれました。
彼はちょっと癖のある人のようでした。その後、映画「大アマゾンの半魚人(邦題)」について語り続けたので、私の質問の趣旨であった「そんな格好で寒くないの?」という疑問をぶつけることができなくなりました。
一般的に外国人、特にボッチャリ体型の白人の方は暑がりな方が多いです。過去にも真冬の富士山や箱根のツアーで半袖姿の方は何人も見てきています。でもこういった人たちは極端な部類な方でしょう。
同じ日にいたプエルトリコからきた女性親子二人組はこのアメリカ人男性に負けず劣らずのポッチャリ体型でしたが「日本は素晴らしいけど来る季節を間違えた」と言って猛烈に寒がっていました。
なので車内の温度調整はとても難しいものがあります。基本的には年中、暑がりさんに合わせ低めに設定しています。運転手さんの中には寒いと文句を言ってくる人もいます。私も夏も今の季節も正直車内は寒いです。ダウンを着ながら喋ることもあります。一方で上着を完全に脱いで扇子や団扇で顔を仰いでいる人もよくいます。
いずれにしても外国人=暑がり、といのが私の中ではステレオタイプとして根付いています。
あと「外国人は傘をささない人が多い」という事実が私には若干のカルチャーショックでした。
勿論傘を使う人も多いです。観察してきた中、雨でも傘を使わない人は若い白人男性に多く見られます。若い女性もたまにいます。
ツアーの日が一日雨予報だと予備の傘を3本位持っていっています。都内ツアーだと外を歩く時間が多く、雨具を持ってない人にお貸しするためです。
日本人だとその日の天気予報は必ず確認するものですが、外国人の中にはバスに乗る時、ホテルから外に出て初めて「今日が雨だったんなんて聞いてない!」とか言う人もいるくらいです。
そんな中、傘を持たず、ずぶ濡れになっている人に貸そうとして断られることがよくあるのです。そんな時相手は大体若い白人男性です。アメリカ人、イギリス人が多いでしょうか。
これには最初は不思議に思いました。何度か「濡れるの嫌じゃないの?」と聞いたことがあります。
「傘をさすより濡れた方がいい」
「雨には慣れている」
「そのために上着を着ている」
「(傘をさすのは)合理的・実用的ではない」
といった答えを今まで聞いてきました。
「男の美学」にもやや関係するらしいです(私の想像)。傘もそうですが小さいカバンなどを持つことすら白人男性は特に嫌がる傾向があるように思えます(バックパックなど背負う鞄は抵抗ないようです)。
なので最初の頃は「痩せ我慢なんだろう」くらいにしか考えてなかったのですが、最近になって私も真似てみようと思い、多少の雨の時は傘を使わないようにしました。もちろん撥水機能があるフード付きナイロンジャケットは羽織っています。
何度か続けていくうちに彼らの誰かが言っていた「傘を使うのは合理的でない(not practical,reasonable)」というのが分かってきました。
確かに濡れますが、両手が自由になります。傘を持つ労力、面倒も発生しません。駅に着いて傘を畳む手間を省けます。ジャケットはハンカチで払えば短距離ならばそんなに染みてきません。そもそもフード付きのナイロンジャケットはそんな天気のために作られたモノだと気付きました。「濡れてナンボ」のものだとも。
雨の日の景色も広がっていいです。傘をさしていると視線がどうしても下にいきがちですからね。コレは私にとって意外な新しい発見でした。雨の日の外歩きの楽しさを見つけることができたといいますか。
「雨の日に傘をささない」
日々お客様よりいろんなモノを学ばせてもらっている一つの変な例でした。
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白人男性が着ていたのはこれと全く同じデザインでした。ポスターのデザインからは想像もつきませんが、結構評価が高い映画のようで今度観てみようと思います