通訳案内士のブログ

Baiden's speech

ブロ友のpopraさんに触発されてバイデンさんの就任演説の全文を読んでみました。21日に行われたアメリカ新大統領の就任式(inauguration)での20分間に渡る演説です。去年3月より毎日英語の記事を読み続けてきたことが効いているのか、こんなに長い文章でも苦なく読むことができました。



でも就任式の演説は伝統的にいろんな階層の大衆に向けて(つまり誰にでも)分かりやすい言葉が選ばれている上、感動や共感を与えるための詩のような一定のリズムみたいなものがあることに読んでいて気づきました。すんなり読めたのもそのせいかもしれません😓



↑46th U.S. President Joe Bidenの" inauguration speech"の全文



"We must end this uncivil war that pits red against blue, rural versus urban, conservative versus liberal. We can do this if we open our souls instead of hardening our hearts, if we show a little tolerance and humility, and if we're willing to stand in the other person's shoes, as my mom would say. Just for a moment, stand in their shoes."
バイデン新大統領の演説で気になった箇所



アメリカが北と南に分かれて戦った南北戦争"Civil War"にかけて今のアメリカの状況を"uncivil war"とし、これを終わらせなければならないと力説しています。"red"と"bule"はそれぞれ共和党、民主党のシンボルカラーを意味します。



日本の首相が所信表明演説などで「私の母がよく〜だと言っていたものです」なんて発言することはまずないと思います。でもアメリカの偉い人が英語で言うと違和感なく聞こえます。文化の違いも大きいですが、英語はこういうあからさまな表現、日本語では恥ずかしくて言えないような表現などが得意ですよね(関係ないですが日本人の男性がお母さんが大好きなんて言おうものなら「マザコンっ!」と集中砲火を浴びますが同じことを西洋人がやると「親想いで素敵😍 」となるのはちょっと納得し難いものがあります)。



昔、PCが今より一般的ではなかった頃、プログラム言語をほんの少しだけかじったことがありました。その時、ゲームならこの言語、AIならこの言語といったように各言語にそれぞれ得意分野があることを最初に習いました。同じように日本語、英語にもそれぞれ得意な表現、向いてない表現があるように思えます。感情を素直に表現するには日本語より英語が向いていそうです。日本語は単語一つ一つに、より具体的な意味を持っているのか、曖昧に修飾したりボカさないと直接的過ぎるというか鋭過ぎるように思います。結果、周りくどくなったりはっきりしない表現が多くなります。



「感情をはっきりぶつけ易い」のが英語、「客観的な事象や細やかな心情をピンポイントで文章に起こすのなら日本語」。そんなことをバイデンさんのスピーチを読みながら感じました。



ところでバイデンさんのを読み終えた後、今回敗れたトランプさんの就任演説もどんなだったのかが気になり、そちらも読んでみました。



4年前のトランプ氏の就任演説全文



"America will start winning again, winning like never before. We will bring back our jobs. We will bring back our borders. We will bring back our wealth, and we will bring back our dreams. We will build new roads and highways and bridges and airports and tunnels, and railways, all across our wonderful nation. We will get our people off of welfare and back to work, rebuilding our country with American hands and American labor."

全体的にはバイデンさんのスピーチより短く、さらに単純な内容の印象でした。↑の切り取った一部のように、とても分かりやすい。そしてトランプさんらしくとにかく威勢がいい。声に出して読んでいると自然にトランプさんの口調のようになってくるのが面白かったです。



8年間、結局口先だけで何も変わらなかった(トランプ談)オバマ政権を暗に批判し「俺が行動で示してやる!」と訴えた4年前のトランプ氏の就任演説。結局はアメリカを分断するだけ分断し、精神的な南北戦争を引き起こし、更にコロナでボロボロになってしまったアメリカ。そして再度団結させようと感傷的に訴えた今回のバイデン氏の就任演説。どちらも共通するのは人々の感情を揺さぶる強く、シンプルな言葉。そして原稿を見ない堂々とした新大統領の態度です。特に難しいことを言っているわけではないのに何故か聞かせる(読ませる)。英語とそれを操るアメリカ人のマジックだと強く感じました。





昨日は急に思い立ち、有楽町で電車を降り(普段は渋谷まで出ます)、皇居脇を歩きながら会社に向かいました。




桜田門を過ぎ三宅坂の辺り。この辺のお堀(の土手)はとても深いですね。水が青々として透明度が高かったのは気のせい?コロナでいろんなところの水質が良くなったと聞きますが、お堀の水も関係あるのかな。




コメント一覧

かめきち
popra-san,
おはようございます!皇居周り、東京駅、有楽町の辺りはどんどん変わってきてますが、霞ヶ関周辺はあまり変化がないのでは?一昨日は九段下の千鳥ヶ淵公園の方まで歩きました。popraさんも以前よく来ていたのですか?とても気持ちが良い散歩コースでした。時々歩いて見たいと思いました。
大概の日本男児も口では言えなくてもお母さんのことは大好きだと思いますが実際はどうなんでしょうかね。韓国では日本人より感情を表に出す人が多いように思います。
今日も良い一日を!
popra
都心の風景が懐かしすぎます‼️

SAMURAIの国、日本男子がお母さん大好きなんて言うのはハードル高いですよね。こっちも言われたくないし😱
そこのところ、笑いました😆

オバマ演説集を何冊か持っていて、2冊ほどやっと読みました。
今は「東京演説」に取りかかっていますが、暮れあたりからサボってしまって😓

確かに、リズム感あって、心にすっと訴えかけますね。欧米の韻をふんだ詩は、読むと気持ちがいいですね。

日本語で愛してるとは言いづらいかもしれませんが、他のアジア言語はどうなのでしょう?韓流ドラマは見ないのですが、愛してるってガンガン言ってそうですね。
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