花洛転合咄

畿内近辺の徘徊情報・裏話その他です。

十三から天神橋筋商店街

2010年02月01日 | 徘徊情報・浪花
 年末の徘徊時に十三で飲んで以来、すっかりとションベン横丁がお気に入り。あの人間だらけで、煙草の煙もすさまじい飲み屋ですが、奥のカウンターなどは意外と落ち着くのであります。普段は歩いた後に飲み会となりますが、本日は飲んだ後に歩くという千鳥足散歩であります。
 この十三の雰囲気になじむと、ナイフやフォークを使うような店には、もはや一生足を踏み入れることは無いだろう。若気の至りにてよく通ったロスケ料理店よさらば、と固い決意。ナイフとフォークの店どころか、「アホ高いとこ登る」でお気に入りだった西天満の27階にある「燦」の如きすました店も二度と入らぬような気もします。じゃっどん小生はグニュグニュの相対主義者でおますさかい、何も考えんとまた行くかも知れないっちゃ。その時はまけて頂戴ね。
 「競馬」というものに全く興味がない小生は、十三の酒場では永遠にエトランゼであるかも知れません。まあ、それでもオッサン等よ「坂田三吉」などを共に語ろうではないか。「エーッ、坂田三吉を知らん?ほんなら織田作は?」、「知ってる!織田信長の親父やろ?」「太閤さんはわかるやろ?」「えーっと、豊臣秀吉や、江戸幕府を開いたやっちゃ!」そんなヤツは浪花三里四方追放です。けれども、競馬で切り替えされたら何も判らん。「シンザンて未だ走ってんの?」「オイ、こいつアホやでー。」
 飲んだ後は、そのまま新淀川の土手に出ます。酒で上気した頭に川風が心地よい。心地よいを通り越してムチャクチャ冷たいのですが、ひとまず長柄橋まで淀川右岸を北上します。何や梅田方面はビルが賑やかです。

          

          
          JR鉄橋

 本日は年末と異なり、結構多くの人が河川敷公園で遊んでいます。堤防を走っている人も多くいます。皆さん、勤勉です。ジョギングおやじはどこでも定番ですが、ここは何かしら走っている人に若い娘さんが多いような気がします。娘さんばかり見てるからやという説有り。酔っているのは小生だけ。それでも外のものもちゃんと見てまっせーと下の写真が証拠。

             

 毎度の長柄橋、カメラも酔うているのか写真の色がおかしい。けれどもこれもご愛敬。

          

 上を行くのがB29ならば、紫電改よ迎撃に舞い上がれ、アメ公を生かして帰すべからず。

          

 などとアナクロニズムに浸りつつ橋を渡り、しばらく行くと天七(天神橋筋七丁目)であります。やはり場末の感が強い。
 
          

 天六、天五と恙なく去り、天四で少し脇道へ。そう、これぞ浪花文化の精髄(出来たら関東炊き[カントダキ]にしてくれぇ)、おでん等という「でれっ」とした言葉をつこたらあかん。これが健在かどうか、確かめたかったのであります。本日は暖簾の中には入りませんでしたが、権兵衛さんの弥栄を祈るものであります。ついでにストリップも健在。何かの間違いで大金を手に入れたら永井荷風のような人生を送るから、それまで潰れぬようにね。大金を手に入れなくてもできそうですが。思えば、この付近にあったお好み焼き屋で、とん平焼きの何ものなるかを知らずに注文、当時は豚肉が全然あかんかったので、そのとん平の部分を外して、お好み焼きの生地だけを食うたのですが、店のばあさんに「お客さん、おもしろい食べ方しゃはりますなあ」と感動してもらったのも一昔、今はそのお好み焼き屋はありません。

          

          
          東洋ショー

 そういえば、本日はえべっさんの御縁日、福笹を持ち歩く善男善女も多く見られます。堀川戎です。今宮戎や西宮はエライことになっているでしょう。

          

 そろそろ、酒が醒めてきました。待ってましたとばかりにあるのがたこ焼きの「わなか」、中に入って、一旦外で注文してから中で待つというややこしさですが、店には店で何かの都合があるのでしょう。ビールは缶で我慢しよう。何かアル中の雰囲気が漂いつつあります。

          

 天二までやって参りました。なかなかの飾りです。以前はここらも場末の感があったのですが、繁昌亭様々です。人が歩いているもんなあ。

          

 天一まで来ると、アーケードも無くなりいきなりの場末感、此処を抜けると北浜あるいは天満橋まで何もありません。夜の天神橋、車は通りますが歩く人は少なく寂しいものです。どこぞに屋台の関東炊き(カントダキ)屋でも無いか、夜鳴き蕎麦のオッサンは通らないか体中をレーダーにして求めますが何もありません。仕方がない、このまま京橋まで歩こうと申す処です。

          

          
          
 

          



4 コメント

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噂に聞く十三の夜。 (道草)
2010-02-01 18:05:24
十三へは仕事の関係で何度か行ったことはあります(決して、SRやFZ目的ではありません)が、内容は噂に聞くだけで、それこそ超永遠のエトランゼのままで過ごして来ました(大体、難波が中心でしたので)。ご存知の藤田まことの歌で「十三の夜」と称する歌謡曲は、中々の人情味のある町に聞こえます。歌詞に「モスリン橋」てありますが、どんな橋なのでしょう。
ところで、「おでん」が何でデレッとした言葉なのでせうか。「田楽」に美称の「お」を付けて「御田」となったから女々しいと?私には、「関東炊き・カントダキ」の方が野暮ったく聞こえますが。それもそうとして、私のおでん三傑は「じゃが芋・里芋・大根」です。邪道(邪我道?)でしょうか。
それもそうとして(またですが)、徘徊堂さんは豚肉が嫌いだったとか。やはり戦後の贅沢な時代の育ちですから、無理もないと思いますが(その代り、酒に好き嫌いはないのでしょうけど)、私の子供の頃のすき焼きと言えば、鷄か兎でした。大抵の家庭でどちらも飼っていて、正月とか紋日につぶして食べました。小学校でも兎を飼っていて、3学期のお別れ会などで、兎を料理して(金槌で・・・やめときます)楽しいものでした。
話は横道へ反れましたが、十三などの雰囲気のある町は、長く残ってほしいものです。「周辺におでんの匂いたちこめて幸せ芝居の羃は上りぬ」大音千紘。
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モスリン橋 (gunkanatago)
2010-02-01 18:32:01
 神崎川にかかる橋ですね。橋を渡れば確かもう尼崎(アマといいます)。十三から歩くにはちょっと遠いのですが、「十三のネエチャン」がアマから来ているという設定でもあったのでしょうか?橋の名そのものはモスリンを作っていたモスリン会社が架けたからだといいます。
 「カントダキ」、あの泥臭い響きがいいとおもいます。「おでん」などというと思い出すのは「高橋お伝」で、これはもう落ち着いて食べていられない感じです。祇園にある「蛸長」、おでん専門店で熱燗はチロリで出してくれます。近年は女性も一人で来て、グッと飲んで等ということをやっています。久しぶりに行きたくなりました。大阪では「たこ梅」でしょうか?
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浪花の立呑など (mfujino)
2010-02-02 00:01:38
gunkanatagoさま、すごいですね~、十三から天神橋商店街、さらに京橋を視点に、、。ついでに鶴橋まで足を伸ばしなはれ、と言いたくもなりまする。しかし天神橋は長さでは日本一じゃないでしょうかね。商店街としては活気がありますね。もう一つ針中野の駒川商店街も元気そうですよ。
天神橋商店街と聞けば是非紹介したい立呑屋さんがあります。「肴や」です。兄貴が魚屋をやっていて弟夫婦がこの呑み屋をやってまして、ここではなんとギネスが生で呑めるのです(今もやっているだろうなあ、、)ここの鯖の生寿司は絶品、小鯛の唐揚げも忘れられません。ただ天六近くにあった店が天五に引越して大きくなってからは何回か行ってません。我がお気に入りは阿倍野の「明治屋」次は「肴や」でありまする。駒川商店街にも良い立呑屋があったのですが今は店を閉めている可能性大でありまする。飛田にもいいのがあるのですが、、
「肴や」で立呑ジャーナルたるミニコミ誌の編集長と知り合ったのですがこの人には色々教えて頂いたものです。
上六はあのビルが出来るまではあの迷路のような飲み屋街は風情があったのですが、、
大阪の呑み屋の話になりましたが、京都では酒屋さんでの立呑はないのでしょうかね?本町の「みの源」は今でも夕方は一杯なのかしら、ああ~懐かしい~。池田徘徊より浪花立呑徘徊を優先しましょうか(^_')締めは梅田のガード下。

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行きますよー。 (gunkanatago)
2010-02-02 13:33:04
 mfujino様、コメントをありがとうございます。天神橋筋商店街は、長さ日本一でしょうね。針中野の商店街は未だ行ったことがないので楽しみです。空堀の商店街も好きなのですが、あそこはちょっと寂しいですね。
 天五の「肴や」、本町の「みの源」ですね。しっかりと覚えました。ありがとうございます。mfujino様のおかげで、大阪というか浪花に関して世界が広がっていきます。今までは二次元で眺めていたものが空間的になり、さらに何かがプラスαとなると4次元の大阪ですね。天五の方はなんぼなんでも大丈夫と思いますが、本町の方は明治屋と同じように日曜日はアウトのような気がします。まあ本町ならば理解できるのですが、何で阿倍野で日曜休みやねんといつも思います。今度行かれたら、叱っておいて下さい。飛田も面白いですね。あの真っ暗な商店街には久しく行っていません。
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