「赤ずきん、サランハムニダ(愛しています)……」と告げると、女の子が感極まって泣いてしまう一幕も。それを見たBBに「(グンソクなんて)おじさん、おじさん、Don’t Cry」と言われて、グンソクがすかさず「お前も同じやん……」と突っ込む姿も見られた
私もこの場面暖かい気持ちになれました
チャン・グンソクとサウンドプロデューサーのBig Brother(BB)によるプロジェクトTEAM Hの『TEAM H HALLOWEEN PARTY』が千葉・幕張メッセ国際展示場ホール7、8で行われた。ハロウィン当日である10月31日の公演には、会場にも思い思いのコスプレの女性ファンたちで溢れていた。
チャン・グンソクももちろん仮装の数々を披露。この日は、グンソクはピーターパン、BBはフック船長の衣装を身にまとい「Party tonight」でライヴがスタート。その後も、「Do it on the speaker」ではロングのウィッグとフェミニンな女装姿で現れたグンソクは、セクシーなダンスで会場を沸かせた。また、「Raining on the dance floor」では、グンソクがマントを着たドラキュラスタイルで現れて、ハロウィン気分を大いに盛り上げた。今回のステージは、360度客席が見渡せる円形のセンターステージで、回転したりせり上がるDJブースがあり、TEAM Hのふたりはそんな特別なステージと花道を縦横無尽に駆け回ってパフォーマンスしていた。
TEAM Hの活動自体は、ほとんど一年ぶりとのことで、「その間、何をしていた?」と聞かれたBBは、「パーティ、パーティ、パーティ……」とパーティ三昧であったことを告げると、ちょっと悔しそうな表情を見せるグンソク。BBがパーティをしている間もグンソクは「みんなと早く会えるように考えていた」とファンを想っていた胸の内を明かした。
この公演の楽しさは、学生時代からの友人であるBBとの掛け合いを通じて、俳優として作品を語るときとも違う、等身大の28歳のチャン・グンソクを感じられるところにもあると思った。公演の合間に流れた「不思議の国のアリス」を思わせるグンソクとBBが登場するアニメーションの中で、「彼らはひとりではなくふたりだから良かった。道に迷っても、お酒に酔って正気を失っても、ふたり一緒にいれば、互いに大きな力になるようです」というナレーションがあったが、実際に大学で知り合い、気の合った友人といるグンソクを見ていると、彼が芸能人であるだけでなく、仲間と普通に楽しんでいるひとりの青年だと思えて妙にホッとしてしまう。
もちろん、ふたりの掛け合いも楽しいものだった。例えば、二十歳の時から知っているBBは、10年前はロボットみたいに今より筋肉がすごかったけれど、30歳を目前にした今では、Tシャツを脱いだら腰回りにちょっと脂肪がついているので、同じ歳として安心すると語ったグンソク。あれだけスターとして女性たちの人気と憧れを集めている彼でさえも、男同士の関係性の中では、羨んだり、ライバル心を持ったりしているのだなと伺える場面だった。
また、BBといるときのグンソクは、いつもよりもちょっとヤンチャな感じがしたのは気のせいだろうか。ライヴの中盤には、ステージを降りてファンのすぐ近くで歌ったり、「As time goes by」ではスモークの出るバズーカを持ってファンを直撃したりという場面も。その後は、水鉄砲も持ち出した二丁拳銃スタイルで客席を打ち抜きまくり、BBと好みの女性について語ったり、ライヴが終わったら六本木で遊びたいなーとぶっちゃけ発言も飛び出した。また、ハロウィンということで、カボチャのバケツから、キャンディを客席に投げ入れたり、空になったバケツを頭にかぶるなど、キュートな一面も覗かせた。
今回印象に残ったのは、時折グンソクの口から出てきた、「もうすぐ30歳だ」「自分はもうおじさんだ」という自虐にも思えるが、もう自分は大人であると感じさせる言葉だった。それは、客席のファンの仮装ドレスクイーンを決める試みの中でのやりとりでも見られた。赤ずきんのコスプレをした女の子を見たグンソクは「アズカキン?」と赤ずきんがすんなり言えずに何度も言い間違え笑いを誘う。実は赤ずきんのコスプレの女の子は14歳。28歳のグンソクには若すぎるということで、「7年後にね」と言って、親指と人差し指で小さなハートマークを作り、「赤ずきん、サランハムニダ(愛しています)……」と告げると、女の子が感極まって泣いてしまう一幕も。それを見たBBに「(グンソクなんて)おじさん、おじさん、Don’t Cry」と言われて、グンソクがすかさず「お前も同じやん……」と突っ込む姿も見られた。そういえば、時折挟み込まれたグンソクの大阪弁のツッコミは、どこで覚えたものなのだろうか。しかしそれは、大阪弁でツッコミを入れるほど、日本語が自然に出てくるということでもある。
ライヴが終盤に差し掛かった頃、グンソクとBBからハロウィンのプレゼントとして新曲が初披露された。メロディアスなEDMで聴かせるナンバーに酔いしれ、続けざまに「Getting over」、グンソクの日本語ラップが聴ける「SHAKE IT-JPN ver.-」、「Rock and roll tonight」で本編は幕を閉じた。しかしこれだけでは終わらない。アンコールの「Take me (Japanese ver.)」では、会場には色とりどりのバルーンが投入され、ファンがバルーンを前へと移動させたり、カラフルな照明が空間を彩り、紙吹雪が舞う演出でパーティのような盛り上がりを見せた。さらに「GOTTA GETCHA」、2度目の「Party tinight」と一度聴いただけで一緒に踊り歌いたくなるキャッチーな2曲で最後までエネルギー溢れるステージを魅せ、会場が一体となった。
ライヴ中に今後の予定も発表され、TEAM Hはこの日披露した新曲を含むニューアルバムとツアーを準備中とのこと。またチャン・グンソクのソロツアーも控えているとのことで、ふたりはこれからも日本のウナギ(ファンの名称)たちを楽しませてくれそうだ。
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