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【歌舞伎】歌舞伎座 十二月大歌舞伎 2023年12月

2023-12-23 23:03:41 | 歌舞伎
歌舞伎座新開場十周年
十二月大歌舞伎
歌舞伎座
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◆第一部

一、旅噂岡崎猫    
二、今昔饗宴千本桜 超歌舞伎 Powered by NTT

・客層(というかそのファッション)が新しい雰囲気に満ちてる第一部、
「旅噂岡崎猫」外連味大盛・猫いろいろ、
  巳之助さんの所作(老身/怪異)さすが+着ぐるみ猫見た目ファンキーなのに身体能力すごくて格好いい。
・「今昔饗宴千本桜」、超歌舞伎は現物初めて。新しい”楽しい”。ライブ。
  超歌舞伎初心者をも包括する導入から場内巻き込みまで観客に遂には一歩を踏み出させるインタラクティブ(初めて屋号発声しましたよ)、
 3DCGの表現に舌を巻きつつ、生身の演者さんがうまく(CGを分断させない工夫を気づかせないくらい)呼応しつつ歌舞伎としての見せ場くっきり、
 立ち回りも大道具も鳴り物も工夫盛り盛りで隅々までみっちり、観終わっての心のリッチ感がすごい。

・そういえば七之助さんの帯は、一見劇画表現風(キラキラ)かと思いきや古典柄(黒地に金糸銀糸の桧垣っぽい格子に星)だった。
・役者さん演者さんをこまごまと知りたくなりました(筋書買いました)。

(2023.12.9)

◆第二部    

一、爪王
二、俵星玄蕃

・「爪王」、鷹「吹雪」が鷹匠といるときの素な愛らしさ(つま先!)、気高さ保ちつつ果敢に戦う美、劣勢の姿には哀惜に似た感覚生じ、観る側が鷹匠視点になる演目。勘九郎さんの狐も美麗かつ跳ぶ姿に”狐”を見る。鷹のしつらえ(着物・帯、髪飾りの角)が鳥としての姿を思わせる。
・酒が入るとという弱さも抱えつつ義心がうわべでなく軸にある。プロットはシンプルだから、その人が本当にそう見えるかが核になるのだろう。会話の呼吸であったり集中であったり、観客のわたしもまた、おなじ空間で体感として受け取る。劇場で見る醍醐味だと思う。

◆第三部

一、猩々
二、天守物語

・天守物語。ゆるりとした気持ちで、うつくしいものを見られるのは、ほんとうに幸せなことだ。

(2023.12.23)


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