20:02
飼主が散歩準備の為
立ち上がるも
汚部屋でグッタリとするゆきは
反応を見せず
バタバタとする飼主を目で
追うのみ。。。
お散歩行こうか?
と言うと義理の様に尻尾で応えるも
本心では無さそうだった。
玄関まで行くと
自分で降り、さも行きたそうに、
待ち切れないのよ、早く出ましょう
と言う。
。。。この様な何でも無い事が嬉しい
年齢になったのか。。。
まだ13才台、少し早い気がする。。。
例え、飼主を喜ばせる行動であり
彼女の本意でなくとも
まだ、その様に動こうとする意思表示が
出来る事;飼主を喜ばせ様と;
そして例え、習慣的な行動であっても
斯様に動く事が出来る事に
感謝だ。
体調が優れず動けなくなったとしても
イヌ、ゆきは
何としても今まで通り、
自分の行動に因り飼主を喜ばせたい
と思うのだろう。
頭すらも擡げる事が難しくなった際も、
常に視線の先に
飼主を捉える、そして
もし視力が奪われたなら
嗅覚で飼主を探すのか。
何だかな。。。
そして無理をするかも知れない。
散歩へ行きたいと意思表示出来る
嬉しさも去る事乍ら、
一抹のイヌの切なさを感じる。
しかし、それがイヌなのだろうか。
ゆきに無理はさせたくない、
して欲しくはない。
が、その「無理」が或意味、
ゆき自身の存在する証と無意識に
彼女の脳に擦り込まれて居るのであれば。。。
イヌはいつ何時であれ、飼主を
喜ばせたい存在だという事が
真実ならば、だが。。。
少しばかりの「無理」が
生きる糧となる様
飼主は気付かぬ振りをし
脳天気に
テンションを上げ
あぁ、お散歩行きたいのかぁ?
と嬉しい気持ちを伝え様。
ゆきが本意であれそうでなかれ
意思表示をしてくれる内は
。。。