前回の引きを受け、しーちゃんとホップがサシカマスを発見したところから。
尻尾だけで手持ちと判別できるのか?という疑問はあっさり解消され、有利な手持ちを持っているホップが戦うことに。
ホップも知識豊富とはいえ、やはり図鑑を持っているのはそーちゃんとしーちゃんだけのようだ。
細かいところだが、ステータスを見るのは図鑑ではなくタブレット。これにはロトムが入っているのだろうか?
特性を見抜いたことでホップに的確な指示をだし、見事キロと再会したしーちゃん。
更にホップがダンデの弟であることも気づいた。というか、前にあったときは話してなかったのか…。
どうにもホップからしーちゃんへの赤矢印ができたように思えるが、これはどう転ぶのかさっぱり分からない。
なんとなくだが、ホップは頼りにしてもらったことが嬉しかったのではないだろうか。それがちょっとした好意に繋がった、そんな気がする。
カブは前回マリィと戦ったことが分かっていたが、同じ日の出来事らしい。確かにビートとそーちゃんの一悶着と、今回のキロとの再開は同時でもおかしくはないが…。
前回、そーちゃんがなぜしーちゃんについて行かなかったのかという疑問があったが、今回はそれへの答えはなし。これはロングスパンの布石として取っておくつもりなのだろう。
だが、今回もそーちゃんはしーちゃんの試合を見ずに出てしまう。ここまでくると何か意図的なものを感じざるを得ない。
いったい何を考えているのだろうか…。
今回は一つの話の展開としては良くできていて、次回への振りもしっかりできている。
だが、ここまでの話の流れからすると、どうにも苦言を呈さざるを得ないところがある。カブの扱いについてである。
別に特定のキャラクター推しというわけではないが、扱いの公平さという観点からちょっと疑問に思わざるを得ない。
今までもジムリーダーとの戦いがまともに描かれないケースは多少あったが、まだ時期的にも序盤であるにも関わらず、見せ場も台詞もほぼなしで終わりというのは不憫が過ぎる。
更に、カブ戦はゲーム的にはキョダイマックスの初披露でもあるのに、それすらルリナに取られている。
あまりにも悲惨な状態なのだが、ある程度情状酌量の余地はある。ゲームの仕様の問題である。
ゲームでのジム戦はとても演出が画一的で、スポーツとしてのポケモンバトルをきっちり描いてはいる。
しかし、これを漫画にするとなると「同じ展開や演出の繰り返し」となり、ジム戦同士の差別化が非常に難しい。
ジム戦メインで描くことが明らかになってからずっと懸念していたことなのだが、今回とうとう限界を露呈してしまった。
一応、繰り返しを避けるための措置としてジム戦に至るドラマを長くとってはいたが、結局ジム戦の尺がほぼ0になってしまっては本末転倒である。
またヤロー戦開始以降、2話で各ジムを終える超高速ペースで話が進んでいるのだが、この調子ではあと10話でキバナ戦まで終わってしまう。
このままでは37話中21話でジム戦を終える計算だが、どうにもスピードが理解できない。
残りの16話でムゲンダイナ回りの話をやるにしても、ちょっとペースが早すぎる。
恐らく日下先生としては、14章ではスローペースで話を進めたかったのにそれがUSUM発売で崩壊(それは明確ではないが、ハウ等描写不足の問題が多々積み上がった)した経験があったため、不確定要素が放り込まれる前にノルマをこなしておくという考えなのだろう。
一応DLC発売でマイナーチェンジ版は出ないと思われるが、ダイパリメイクがいつ出るのかという問題もあるし、そもそもDLCのネタは回収しなくてよいのかも微妙だ。
いずれにせよ、コロイチ単独での連載はもはや構造的限界に達していると言わざるを得ない。描きたいことに対して紙面やペースが足りないのである。
問題を解決するには連載枠を増やすことが必要で、更にそのためにはアシスタントを増員できるよう出版社側からの支援が必要不可欠である。
とにかく、このコンテンツをどう生かしたいのかという出版社としての認識が問われていると、個人的には思う。