曹達記

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ポケスペの情報公開体制への諸々の怒りについて

2023-12-30 23:17:00 | ポケスペ
2023年ももうすぐ終わろうとしているが、今年のポケモン関係の出来事で一番心を揺さぶられたのがポケスペ剣盾編からSV編への移行である。
この件について、自分が改めて不満を抱いているのが情報公開体制の拙さだ。


まずTwitter(余談だが、株を持っているだけの独裁者の言うことを聞くつもりはないので悪しからず)の企画で、「ポケモン年末レポート」を執筆した際に書き表した内容を一部修正して再掲する。


ポケスペはこれまで、ゲームが世代交代した場合はコロイチ連載章を問答無用で打ちきり、強引にでも新しい世代の章に移行するのが常であった。
しかし、15章(剣盾編)は2022年12月になっても物語に終わりを見せず、その動向は自分に動揺を与えていた。普通に考えればSV編が次にあると推測できるのだが、2019年以降のポケスペをめぐる状況が全く良くなかったことが動揺に拍車をかけていた。
まず2019年に剣盾編がスタートした後、2020年初めには11章(BW2編)が波乱の連載を終えたものの、サンデーうぇぶりの連載枠は維持されずにそのまま終わってしまった。
そして例年であれば、リメイク作品が発売されればその作品を題材にした章が出されることが通例なのに、BDSPやレジェンズアルセウスを題材にした章は発表されず、そもそもやるかどうかすら関係者は口を閉ざしたまま。
それに加え、公式サイトの更新が凍結状態に陥り、covid-19の流行でリアルイベントがなくなったため、ファンは新しい情報に触れる機会を完全に失ってしまった。
頼りになるのは山本先生のTwitterアカウントのみで、作品公式アカウントが設立されたものの更新頻度が完全に周回遅れの代物で、どうしようもない。欲しい情報に飢えている状況下で通例がさらになくなり、先行きが見えないのに明らかに話が終わりに向かう連載が続いていた、2023年4~6月は実に辛い時期であった。
結局、連載は2023年6月まで継続することになり、3年の世代交代の枠を越えて剣盾編は完結した。そしてその号でSV編の開始も告知され、8月から連載が開始されている。
ポケモンのゲーム自体は全体的に情報の供給ペースが早い印象なのだが、ポケスペに限って言うと情報公開があまりになってないので、今後も新作発売の度にひたすらに辛い時期を迎えることになるのかなと覚悟はしている。
個人的な感想としては、商売なんだから情報の出し入れもちゃんとやってくださいというのと、株ポケはアニポケばかり宣伝するのではなく漫画作品全般もちゃんと宣伝してくださいという二つに尽きる。

正直、上記で書いたことで自分の言いたいことの7割ぐらいは吐き出しているのだが、後になってもう少し書いておきたいことがあるように思えたので、追記をしておきたい。
この問題はSV編開始だけではなく、通巻版単行本発売でも続いているからである。

そもそもポケスペのネット広報は完全に時代遅れの代物だ。
公式サイトを2001年という早い時期に用意していたのは特筆すべきことではあるが、その時代からホームページの構造をあまり弄っていないように思われる。
これでは更新のやり方が属人的にならざるを得ず、SNS時代に適応しているとは言えない。
一応更新自体が全く絶えたというわけではないのだが、今日時点でサイトを開くと↓のような惨状である。

まず今連載してるのは剣盾編ではないし、ポケスペが連載25周年だったのは2022年の話だ。
更にURLがhttp://のため、SSL(暗号化通信)による保護がかけられていない。スマホ対応もしておらず、現代の企業による宣伝ページとしては周回遅れの代物だ。
極め付きは各ページで、「今月のニュース」は2022年3月の話だし、「最新号チラ見せ!」に至っては2019年7月の内容だ。「ポケSP美術館」「ポケSPの楽しみ方」も14章までの内容にとどまっているし、他のページは工事中という有り様。

ポケスペ公式Twitterアカウントも存在するが、そちらも論外である。
毎月出ているコロイチについては発売後に一つツイートをするだけだし、単行本も書影がサイトに載るまで宣伝しない。単行本の発売日はAmazonで1ヶ月以上前に分かるというのに、だ。
更に作品についての宣伝もやっておらず、ポケスペが一体どういう物語で各章がどのゲームに対応しているかも発言しないし、ここ2年はキャラの誕生日すら祝わなくなった。
そして単行本が複数種類あるという事実すら山本先生任せにして、公式アカウントでは解説しない姿勢は、個人的には商売として失格だと思っている。

こんな状態で、一体何を宣伝していると言えるのだろうか?自分が担当者なら、恥ずかしくてとてもそうとは言えない。


そして時代遅れな広報体制のまま、何の説明もなく重大な決定をし続けてきたのが2019年以降である。
なぜBDSPとレジェアルを題材にした章はないのか?なぜ単行本の発売が当初予定から遅れることが多いのか?なぜ剣盾編は半年の延長がなされたのか?
これらの事象について、誰も何も理由を説明してくれていない。
無論、日下・山本両先生の高齢化が原因にある可能性は高いが、それもファンが勝手に憶測しているだけである。

一応、山本先生は下記の通り釈明している。
だが、出す情報をコントロールするのは漫画家の仕事ではなく、担当編集者の仕事であろう。
そして担当編集者が広報もやっていると考えられるポケスペにおいて、かような広報体制を長年放置しながら、説明が必要な事象を複数起こしているのは、個人的に怒りを強く覚えている。

ファンは何が起ころうと見守るしかないという意見は分かるし、先生方に負担をかけたくないというのは自分も同じだ。
しかし、物わかりが良いファンしか耐えられないような情報公開体制が、果たして長期連載されている作品にとって良いことなのだろうか?
新規ファンを獲得しなければ漫画は継続できないし、長期連載作品で新規ファンを獲得するのは至難の技だ。
それなのに、ファンになろうとすると必用な情報は殆どファンサイト頼みで、新しい情報は殆どもらえないという状況は、健全だとは自分には思えない。

この状況の責任は小学館だけでなく、株式会社ポケモン(株ポケ)にもある。
ゲーム原作漫画の利点は、原作をプレイした人が流入して一定の需要を獲得できるところにあるはずなのだが、ゲームの宣伝をする株ポケはポケスペに限らず漫画作品の宣伝を一切しない。
それが小学館の姿勢だからだとは自分は思っていない。例えば、同じグループの集英社のジャンプに連載されているファイヤーエムブレムの漫画は、FEシリーズ公式アカウントでちゃんと宣伝されている。


ポケモン公式アカウントではアニメの宣伝は毎週きっちりやるのに、ポケモン漫画だけこのような不義理を受けなくてはならないのか?


自分は全く理解できない。
アニメだろうと漫画だろうと、メディアミックスという立場は対等なはずだ。
無論知名度は段違いでアニメの方が上である。しかしそれでも、名目は同じであるべきだろう。
かような扱いをする合理的な理由があるのなら開示して欲しい。


2023年に起きたポケスペSV編移行を巡るゴタゴタは、広報体制の脆さを改めて露呈し、今後も情報はもらえないことを前提にファンを続けるしかないという嫌な踏み絵を強いられた。
自分がファンとして欲しい情報は裏設定とかそういう次元の話ではなく、単純にいつ新しい単行本が出て、延期するならなぜ延期したか、このゲームの章はこういう理由でやる(やらない)といった、当たり前の部分だと思うのだが、それは高望みなのか?
高望みではないと自分は思いたい。


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