一方、街が破壊され友人たちが犠牲となったことでガビは激怒。無理やりついてきたファルコとパラディ島勢力の飛行船に乗り込み、サシャを射殺する。しかし飛行船内でジークに会い、この襲撃の首謀者がジークだったことに、ガビとファルコは驚愕する。
サシャの死は衝撃と哀しみしかなかった。その直前にコニーが仲間意識を表現していたのはフラグだったのねと。ガビがサシャを撃ったのは偶然ではなく、知人を撃ったのがサシャだったため狙ったのだ。子どもに偏った思想と武器を与えることの罪深さがふたたびよぎる。ジャンの「子供を空から投げ捨てれば、この殺し合いが終わるのかよ…」という言葉が、戦争の悲惨さを増幅させていた。いきなりジークが「こちら側」になっていたのも驚いた。しかし、彼もマーレに利用されているエルディア人であることを思えば納得がいくことでもあった。
終盤は、アルミンによる3年前の回想。マーレの調査船でやってきた義勇兵イェレナ(マーレの裏切り者でジークの信奉者)は、最新兵器などの情報とともに、ジークの「エルディア人を救済する秘策と条件」を伝える。
エレンはその秘策が「地鳴らし」であり、発動方法にも気づくが、ジークの条件はヒストリアを犠牲にするもので、拒否して別の道を考えるよう政権に提案する。
このときのエレンは非常に冷静で聡明な感じすらするけれど、パラディ島がとりあえず義勇兵と組んで交流しても、エレンは相手とわかり合おうとはしていない。ミカサやアルミンが「マーレ人と理解し合うには時間が必要」と話すのに対し、エレンは「時間を稼ぐためには、手出しできないようにしてやる」など、どこまでも好戦的だ。
この噛み合わなさが、後のエレンの行動にすでに結びついているようで不穏でならない。エレンの襲撃で和睦の道は絶たれたが、いずれにしても攻撃された可能性はある。それでも、交渉らしきものを一つも経ないまま、エレンはエレンの道をどんどん進んでしまうことが哀しい。
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