花日和 Hana-biyori

『ペスト』読み始め

アルベール・カミュの『ペスト』(新潮文庫)を読んでいます。まだ最初の方。

医師リユーと老医カステルが、じわじわと増えている死病について話す場面が印象的です。カステルは、自分では分かっていると言いつつ明言を避け、リユーに「ペストですね」と言わせます。

「世間はそいつに病名をつける勇気がなかったのさ、即座にはね。」

とカステル。この後、知人から言われた「ペストは消滅した」という言葉を伝え、その病名を医者が口にすることで、世間からどんな反発にあうか示唆しています。

問題を指摘する最初の人が攻撃に遭うという構造は、普遍的なんだなあと。表向き安定のふりをして固着した世界では。
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