高級すし店として有名な「久兵衛」とホテルオークラとの争いが話題となっています。
料理人のプライドとして「格」を争うことは否定しませんが、「格」=「味」ではありません。
ましてや、「値段」=「味」でないことは、経験上間違いないと思っています。
「久兵衛」のお寿司が美味しいことは疑いもない事実と認めるとしても、「値段に比例して美味しいか」と問われれば、私は完全に否定します。
銀座などの一等地に店を構えれば、当然固定費が跳ね上がり、料理の価格に反映せざるを得ません。
「久兵衛」ほど贅沢感は味わえないかもしれませんが、より安く「久兵衛」並みに美味しいお店は、地方に行けば珍しくありません。
先日もブログに書いた静岡の「末廣鮨(すえひろすし)」もその一つです。
また、「久兵衛」の食材の供給地であった「築地」(現在は豊洲)に対する信仰も絶対とは言い切れないようです。
本日オンエアされたNHKの「ためしてガッテン」に登場した「サスエ前田魚店」の前田尚毅さんは、静岡県焼津市の魚店主であり、「情熱大陸」でも特集されるほどの「魚の達人」です。
国内外の多くの有名料理店が前田さんから魚を仕入れていますが、それは「焼津」であり「築地」ではありません。
そして現在も、「焼津」の前田さんの周辺では、多くの「名店」が育っています。
さらに、「食べログ」などのランキング、口コミ等の評価も、「カネ次第」であてにはなりません。
「芸能人格付けチェック」などの番組でも見られる通り、「値段」や「世間的評価」が「味」を決めるのではなく、美味しさを決めるのは人それぞれであり、正解などはありません。
このブログでは、値段や評価に関係なく、異論を承知の上で、私自身が美味しいと感じたものを取り上げて行くつもりです。