言葉喫茶【Only Once】

旅の途中で休憩中。

2020-08-09 23:26:38 | 言葉







あなたは いつも 一輪の花だった

 陽のぬくもりに
 目を細めてよろこび

 風のそよめきに
 髪をふわりと揺らして

 大地に根を張り
 空の行方をやさしく見守る

年老いてもなお清らかな一輪の花であった


わたしは忘れない
あなたの傍にはいつも
もう一輪の花が揺れていたことを

あなたたちが紡いだいのちが
またいのちを紡いで
今 わたしがここにいるということを


二輪の花が
ほほ笑みあいながら
ここに咲いていた日々を












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2 コメント

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Unknown (tukikisou)
2020-08-10 08:16:14
もう一輪の花・・・ストレートに沁みました。
「もう一輪の花」と言ってもらえた「一輪の花」は幸せですね。
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Unknown (harapekoyuyu0718)
2020-08-10 08:38:49
@tukikisou 月木さんへ。

おはようございます。
コメントをいただき、また、感じ入ってくださって、
ありがとうございます。

ロバート・フロストの「ばら科」を読んだ時も、
その詩が語りたかった事とはおそらくズレた感想を抱いたのですが―

花は生まれた時から花であり、枯れて土に還っても、花なのだ、と。

もしもばらがそうであるならば、
人もおそらくそのように在るものだろうと思い、
今は空の上で隣りあい思い出話を交わし合っている祖父と祖母について、
改めて残したいと思いました。

たとえば野に咲く花も、芽吹いた時から、
もしくはその前、土の中にいて空を見る時を待ち焦がれている時から、
たとえ枯れてしまったとしても、いつまでも「花」です。
わたし達が日頃見つめては時おり思い出す、
名前も知らない花は、やはりいつまでも花なのだと思っています。


お読み下さいまして、ありがとうございました!


yu,
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