先が気になりすぎてどうにも止まらず。
気がつけば明け方4時。
空が白んで「ヤバいやってしまった…」
をやってしまった韓ドラとの出会いも大変久しぶりでした。
こちら。
大変面白かったです。
Amazonプライムで視聴。
こちらを書くにあたりまた見直してどハマり。(笑)
多少ネタバレもありますので
以下ご自身の判断でよろしくお願いします。
ざっくり言えば
タイムスリップ?
輪廻転生?
憑依?
いやいや
そんな単純なことではなく
見えていないものが大切というか。。
復讐もの?
成り上がりもの?
財閥転落もの?
いやいや
そんな短絡的なことでもなく
時代と社会と経済を舞台に
人間の信念?信条?についてというか。
各キャラクターを大変丁寧に描き
この人は
何が大事で
何を正しいと考えているのか
人間の業というか欲というか
そんなものに焦点を当て
人を丹念に描いた社会派ヒューマンドラマ
という印象。
「財閥家の末息子」ですから
舞台は財閥家が経営する
スニャングループ。
財閥もの、韓ドラあるあるだ。
私的見どころをご紹介。
2本の大きな柱にどっしりと支えられた抜群の安定感が大きな魅力
1本の柱は
もちろん、主演ソン・ジュンギくん
第一話、登場すると
「おや?ソン・ジュンギも月日の流れには逆らえなんだか…」
そのお疲れっぷりに
と、なったのですがですが。
なわけないわけで。
人生に疲れて負のオーラに満ち溢れたユン・ヒョンウ君。
彼とはとりあえず第一話でサヨナラ
となります。
(疲れたユン・ヒョンウくんも痛々しくて切ないけど綺麗は綺麗なのよ!)
そして第二話は声(少年の彼も好演)
そして第三話からはキラキラ10代
のチン・ドジュンくんとして登場。
実年齢38歳!
(もうそんなになるのかっ?!)
とは思えぬピチピチ感満載。
フードとスタジャンとダッフルコートがこんなに似合う38歳がいていいのかっ!
その可愛さにキュンキュン
もちろん、麗しのビジュアルだけでなく。
綺麗な顔して鬼のような冷淡さにキュン
俯瞰して状況を把握し、大胆に駆け引きを繰り広げる聡明さにさらにキュンキュン
時折魅せる切ない表情にキュンキュンキュン
彼女にはツンデレ(デレ少なめ)なのも心憎く。
とにかく、超魅力的なキャラクター
まあ、よく考えついて
よくクオリティ高く再現したなと
感心するばかり。
でもでも。
初見時。
こんな素晴らしいソン・ジュンギ君より
私の心を掴んで離さなかったのは
もう1本の柱。
総帥のチン・ヤンチョル翁であります。
演じるはイ・ソンミン氏
ミセン、記憶といい、
本当に素晴らしい職人芸。
特に晩年の切ない姿はドジュンでなくても涙涙。現在55歳。どうみても超お爺ちゃんだった。恐るべしです。
第二話で登場した時は
その迫力に「うぉっ!」と思うほどの
存在感。ラスボス感といいましょうか。
地方出身の設定なのですっごい訛っているのも生々しい。(ご本人さんの地元訛りに近いらしい。)
叩き上げ一代でスニャン財閥を築いた豪胆さ、したたかさ。
総帥オーラが半端ない。
でも、ドジュンにみせる笑顔が超キュートなのです。
自分の若い頃を懐かしむような。
ドジュンにエネルギーをもらって
がむしゃらに怖いものなしに突き進んでいた頃に戻ってどこかワクワクしているような姿がとても魅力的。
このヤンチョル翁とドジュン君の関係。
お爺ちゃんと孫というよりは同志?
ライバルの知恵比べ、腹の探り合い
超高度な駆け引き大会になっていて、
通じ合う2人がとても楽しそうで悔しそうで。
そんな2人を見ているのがとても楽しかったです。
重層的なストーリーに見応えあり。
ざっくりストーリー。
財閥の総帥ヤンチョル。
息子3人、娘1人に恵まれたものの
巨大財閥の後継として
彼のお眼鏡に敵う人材とは言いがたく。
(欲は誰も彼もが人一倍なんだけど)
未だ、ワンマン経営中。
そこに
中身、40代、会長チン・ヤンチョルの自伝をボロボロになるほど読み込み、スニャン財閥一族の闇の部分をよく知り、家が貧しく大学には行けなかったがきっと頭脳明晰だったと思われる2023年のユン・ヒョンウ君が
外身、一族の中で一番まともだと思われる三男の次男(小学生?)となって現れます。
しかも、時代は1987年
日本と同様
韓国も
政治も経済も戦後の動乱期から迎えた激動の高度成長期。
その時代に年齢も異なる別人になってタイムリープするという何とも複雑な二重構造な世界を舞台に
チン・ドジュン(あに、ユン・ヒョンウ?)が
現代を生きて手に入れた知識と経験を武器にスニャン財閥の中にいながらにしてその凋落を目指すお話し。
ヒョンウくんは苦境の中、自伝をぼろぼろになるまで読み込むほど、ヤンチョル会長を尊敬している。
それは、学歴のない中、財閥企業で生き残るために社史として必要な知識の修得のひとつだったのかもしれないけれど。
ヤンチョルの考え方が身体に染み付いているわけです。
そんなヒョンウ君が
孫のドジュンくんに。
ドジュン君の言動、表情から
創業者であるお爺ちゃんに対する敬愛の情がひしひし伝わってくるんですよねー。
かといって爺に取り入り孫として気に入られ、後継者になる道を選ばず、
「スニャンを買う」ことを目指します。
お爺ちゃんにシラーっとした顔で戦い挑んじゃうあたり、とてもカッコ良いのです。
ヒョンウくんが、この奇跡をチャンスととらえるところが、ドロドロの復讐劇にならない所以かも。私はそこが好印象でした。
とはいえ、財閥もの。
争いを避けるべく長子相続を望んでいたヤンチョル翁もドジュン君に経営の才があることを見抜き、可愛がるうちに、迷いが生まれてきます。
自分の後継者として相応しいのは誰か。
なんせ
ヤンチョルの息子や孫、嫁たちは
ザ・財閥
金欲、名誉欲の亡者で財閥家以外は財閥家に仕える人くらいに思っていて、人徳はほぼなし。
(ヤンチョルは実は従業員にも礼を尽くしている場面がちょいちょいある。ドンジュも誰にでも礼儀正しい。この姿勢がコツコツ彼を救ってくれるのだっ!(涙))
というわけで、
ドジュンは強欲家族とバトルを繰り広げます。
イメージとしては、
ドジュン君は少数精鋭の駒で勝負に挑み、
(ドジュン君の頼りになる相棒、オ代表が大変いい仕事ぶりなのは特筆。)
ヤンチョル翁は駒の数はやたら多いけどどれも弱い。そんな戦い。
ドジュン君が、欲にまみれた敵の駒(叔父、叔母、従兄弟)をばったばったと軽やかに倒していくのが気持ちよくてスカッと!
とはいえ、もちろん苦境に立たされることしばしば。
それでも立ち向かうドジュン君がよい!
スニャン駒のキャラクターもどれも無駄なくいやらしい。(笑)
後半は特に駒の使い方が絶妙です。
時代背景の使い方が素晴らしい。
「漢江の奇跡」と呼ばれた
高度経済成長期の後半
1987 大韓航空機爆破事件
1988 大統領選挙
1997 金融危機
2001 9.11テロ
2002 日韓ワールドカップ
などなど
時代背景や社会問題をストーリーに
練り込んでいるのも心憎い。
投資詐欺で私服を肥やす財閥
餌食になる庶民など
ヒョンウくんのバックボーンを生かし
財閥と庶民の生活格差も描かれていています。
ストーリー展開にドキドキハラハラしながら、韓国の人は私以上に懐かしんだのではないかしら。
ドジュンのお兄ちゃんも時代を映すのにぴったり。いい仕事でした。
価値観について
ドジュンもヤンチョルも
「お金」
の価値を知り尽くし、
お金を回し、増やし、事業を成功させることに意義を見出していることは共通しているけれど。
大切に思うものは違うのか?
と思ったのですが、
最終回まで観ると実は望んでいる世界は
同じだったのかも?
と思ったりしました。
見終わった後はスッキリ。
同じ時代にヒョンウとドジュンが同時に存在していたり、顔は似てないのかな…と?となる部分もありますが、そこはあえて気にせず。
サラッと世界に没入することが出来たらとても楽しめるかと。
ドロドロ財閥ものが苦手な方にもおすすめです。
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