私の”推し戦国武将の記事”が続きました。
今回は、がらっと変わって、”結婚祝いに
頂いた贈り物”について書いてみますね。
もうじき結婚記念日です。結婚式、寒~い
冬の時期でした。さて、結婚祝いに頂いた
品で印象に残っているものが3つあります。
1つは、親戚同様のお付き合いをしていた
Hさんから頂いた陶器です。淡いブルーの
大きな器でした。青磁と呼ぶのでしょうか。
器の底には魚の絵が描かれていました。
この魚は鯉だそうです。この器はHさんの
知り合いの作家さんの試作品だそうです。
この作家さんは、ある方の受賞祝いに
贈る器を作ろうと、2種類の作品を
作ってみました。鯉と菊の器でした。
2つ作ってから贈り先の方のイメージに
合うほうを選んで贈ることにしました。
お祝いに贈るのは菊の器になりました。
Hさんは鯉の器を見せてもらいました。
作家さんが、「これは試作品だから、
ちょっと…。」というところを無理に
お願いして分けてもらったそうです。
この恋の滝登り、いや鯉の滝登りの器、
結婚祝いにぴったりだと思ったとか…。
器は私のもとにお祝いとして届きました。
試作品なので銘款はありませんでした。
側面には波のような曲線が描かれています。
見ているだけで、心がすっと澄み通って
いくような、澄んだ淡いブルーの器です。
我が家の宝物として大切にしています。
2つ目は、実家の両親から贈られた器で、
九谷焼の酒器セットです。アンティークと
呼ぶのか、”ヴィンテージもの”と呼ぶのか、
よくわからないけれど、年代物の器です。
いかにも九谷焼らしい、濃い深緑色の
地に、白いサギの姿が描かれています。
酒器を作ったのは九谷作家さんではなく、
石川県立工業学校の先生だった方です。
大正期~昭和初期に校長先生も務めた
金沢の”青木外吉さん”と聞いています。
実はこの先生、現在の東京芸大で彫刻を
学んでいますが、彫刻だけでなく九谷焼
作陶も得意でした。優秀な生徒さんを育て、
ご自身も数多くの作品を残していました。
そして退職後は、前田家の理事として、
加賀藩前田家所蔵の美術品の管理にも
携わり、昭和33年に亡くなりました。
青木外吉さん、多才な方だったようです。
そしてお酒が好きだったと聞いています。
この酒器セット、実家の食器棚の一番下に
大切に保存されてました。時々眺めるだけ、
ほとんど使われていなかったようです。
私が九谷焼が好きだったので、”結婚祝い”
ということにして、もらっちゃいました。
でも普段使いできない…。観賞用ですね。
3つ目は、焼き物マニア(?)だった
京都の叔父(父の兄)から贈られた、
”今泉今右衛門作のお皿セット”です。
花や鳥が格調高く描かれていました。
「結婚祝いに自信をもって贈る品だよ。
万一生活に困ったら、これを売るといい。
しばらく食べていけるよ。」と冗談も…。
その器、現在、我が家にありません。
まさか、生活に困って売っちゃった…?
これにはちょっとしたワケがありました。
お皿は我が家で大切に保存していました。
ある時、実家の父が、「今右衛門のお皿、
一度ゆっくり鑑賞させて…。」というので
実家に持って行き、父に貸し出しました。
父は2階の自分の書斎で、じっくり鑑賞…。
ところが、父が器を持って1階に降りよう
とした時、階段でつまづいてバランスを崩し、
ころんでしまった…!階段から落ちたのは、
父ではなく、結婚祝いのお皿のほうでした。
お皿は、ガラガラガッチャーンと…!
全部階段の下に落ちて、割れてしまった。
結婚祝いの大切な品が割れてしまった。
とてもショックでした。でも…、
父が怪我をしなかったのは幸いでした。
階段から落ちて骨折でもしたら大変です。
お祝いの今右衛門の器が、父の身代わりに
なったので大怪我を免れたのでしょうか…。
母が、「結婚祝いの品が割れちゃったのは
気の毒だけど、父だけでなく、あなたも
”厄落とし”ができたのかもしれない…。」
「お皿があなたの身代わりになってくれて、
”将来あるかもしれない大きなトラブル”を
未然に防いでくれたのかも…。そうそう…、
そう思おうよね~。」と慰めてくれました。
何かが身代わりになって壊れ、難を逃れる
ことは、時々耳にすることがありました。
それからしばらく経った後のことでした。
商店街のお店の前、私が2,3分前まで
買い物していたその場所に、暴走した車が
突然、猛スピードで突っ込んできました。
爆破されたかと思うような音が響き渡り
お店は壊滅状態。ガラスの破片が散乱…。
私は無事でした。本当に驚きました…!
あと2,3分のところで難を逃れたのは、
”今右衛門の器”が私の身代わりになって
くれたのかしら…?いや、偶然ですよね。
そんな訳で”今右衛門の器”はありません。
今となっては、写真でも撮っておけば
よかったかなぁ~と思いましたが、器は
私の心の中だけに今も残っています。