マルクス剰余価値論批判序説 その7
5、ゲマインヴェーゼン
貨幣の本質的な研究によってマルクスは、ゲマインシャフトを解体して成立したはすのゲゼルシャフトが、ゲマインシャフトを物の姿で持っており、この物(貨幣)こそが主体となってゲゼルシャフトが成り立っていることを、捉えたのである。(13)
人間は、本源的に共同存在である。だが、それだけでは何も言っていないに等しい。人問は一人では、あるいは全く孤立した状態では、生きることすらできない。たとえ、動物的に生存することができたとしても、人間になることはできない。奴隷制も對建制も、資本制においても人間(諸個人)は、それぞれの共同制度によって生活している。このことは、何ら学問的な真理などではない。
資本家は、労働者との共同制度がなければ、生活できない。労働者もまた、同様である。しかしこのように、資本制生産様式における労働者と資本家との関係を、一種の共同制度として見るためには、資本家と労働者とを対等で同等な諸個人(諸人格)として、抽象しなければならない。 この抽象は、階級の抽象である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます