あすにゃん日記

500字程度のエッセイを書きます。

呪われた花嫁衣装(上)

2021-11-10 07:01:17 | 日記
呪われた花嫁衣装について、
Eさんから聞いた話です。

Eさんの話によると、
あの有名な伊勢湾台風直前、
ひとりの娘(Yさん)の母親が
花嫁衣装を縫っていました。
(当時は着物です)。

しかし、伊勢湾台風がその家を直撃。
洪水で浮遊する畳、
どろだらけの部屋。
命からがら、その着物を抱えて
屋上へ逃げると、
まわりはみんな、溺れ死んだ人……

水が引いて、やれやれひと安心。
Yさんが、花嫁衣装を取りに行くと
母親さんは花嫁衣装を持ったまま
すでに、亡くなっていました。
奇跡的にきれいだった花嫁衣装。
それを預かることになるYさん。

するとふしぎなことに……
その土地に、台風が来るたび
花嫁衣装が、フワフワ、バタバタ、
あばれだす。

台風のシーズンになると、
まるで台風を呼びよせるかのように、
花嫁衣装があばれる。
そこで衣装を処分しようとした
Yさんは、
骨折したり、脳梗塞になったりと
災難続き。

こりゃあ、花嫁衣装が、母の一念により
呪われているに違いない。
おびえたYさんは、Eさんにその衣装をおしつけて
さっさと逃げだしてしまいました。
さあ、困ったのはEさんです。
呪われた花嫁衣装。どうしよう。


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