湯来温泉の国民宿舎に、家族で泊まったことがある。そこのウリは、ほたる鑑賞。マイクロバスに乗って山に行き、川に出現するほたるの鑑賞をするのである。
星空も見えない梅雨の晴れ間、わたしと夫、そして2人の観光客を乗せて、バスは出発した。 しばらく行くと、窓の外の真っ暗ななかに、青白く弧を描く、不思議な世界が広がっていた。
鬼火のようなそれは小さかった。カエルの鳴き声が耳にこだましている。案内人が、その火をつかまえてわたしの手のひらに載せた。小さな黒い虫が、そこにいた。お尻がひかっている。燃えているわけがなかった。わたしは不思議でならなかった。直径3センチぐらいのこんな虫が、恋のメッセージとして灯りをともす。「ヘイケボタルですよ」案内人は、そう言った。そう、平家は滅んだ。虫は恋を点滅させる。恋の気持をつたえようと、ほたるは身を焦がす。それは生きるものの宿命であろうか。わたしにはわからない。
星空も見えない梅雨の晴れ間、わたしと夫、そして2人の観光客を乗せて、バスは出発した。 しばらく行くと、窓の外の真っ暗ななかに、青白く弧を描く、不思議な世界が広がっていた。
鬼火のようなそれは小さかった。カエルの鳴き声が耳にこだましている。案内人が、その火をつかまえてわたしの手のひらに載せた。小さな黒い虫が、そこにいた。お尻がひかっている。燃えているわけがなかった。わたしは不思議でならなかった。直径3センチぐらいのこんな虫が、恋のメッセージとして灯りをともす。「ヘイケボタルですよ」案内人は、そう言った。そう、平家は滅んだ。虫は恋を点滅させる。恋の気持をつたえようと、ほたるは身を焦がす。それは生きるものの宿命であろうか。わたしにはわからない。
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