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備忘録

風邪の時に卵酒が効果的な理由

2015-12-24 19:55:30 | 健康
昔から、風邪の初期に卵酒を飲むと治りが早いといわれてきた。果たしてそれにはそれなりの理由があるだろうか。風邪の原因はウィルスである。ウィルスは簡単に人から人へと伝染する。しかし、ウィルスにとりつかれても、風邪の症状が出る場合と、出ない場合とがある。

それは、その人の免疫力や体力との関係が密接にある。一度風邪にかかると、そのウィルスに対する免疫ができているので、風邪の症状は出にくい。しかし、免疫がないと、風邪の症状が出てくる。また、体力の状態により、風邪の症状が強く出ることもあれば、そうでない場合もある。体力は、栄養状態に大きく左右される。そこで、どのようなときに風邪の症状が重く出るかを考えてみたい。

まず、風邪に対する免疫力は、その風邪のウィルスに対するものではなく、一般の外敵に対する免疫力である。免疫力に対して影響の大きいのがタンパク質である。タンパク質の摂取が低下すると、免疫力も下がる。

栄養状態がよくないと、すぐ風邪をひいたりするのは、タンパク質の不足によるものだ。タンパク質の不足は、ささいなことで起こる。意外と意識されないのは、食事を抜くとタンパク質が不足するということである。

1食分で肉や魚をかなりとっているから大丈夫と思いがちだが、そうはいかない。あるとき、朝食抜きで、昼食と夕食で1日分のタンパク質の必要量を充足させる献立を立て、高校生に見てもらった。その返事は、昼食、夕食だけでとてもこれだけの量は食べられないということだった。

【風邪・インフルエンザ】Immunity(免疫力低下時の処方箋)

例を示すと、女子高校生がタンパク質所要量65~70グラムをとるには、昼・夜の2食で、卵1個をプラスしたインスタントラーメン(タンパク質17グラム)、ご飯を茶碗2杯分と牛バラ肉60グラムを使用したカレーライス(33グラム)、ツナ缶50グラムを使ったツナサラダ( 13グラム)、豚肉40グラムのトンカツ1枚(7グラム) となる。

成長期の高校生でさえこんなには食べられないのだから、年をとってくるとなおさらだ。しかし、忙しくて朝食を食べられないときでも、卵1個が大きな力になる。卵白にはリゾチームと呼ばれる酵素が含まれている。このリゾチームには細菌を溶かす性質があるので、溶菌性酵素と呼ばれている。人体では、唾液、鼻汁、涙などに多く含まれる。卵白にはリゾチームが多いので、生の卵は腐りにくい。卵を茹でるといたみが早いのは、リゾチームが熱で変化して溶菌効果がなくなるからである。

そして、どういうものか、リゾチームを多く含む卵のような食品を食べると、人体から分泌されるリゾチームも増加するのである。ウィルスによる風邪には、直接リゾチームの効果はないが、二次的に細菌によって起こる症状を防止するのには役立つ。
そこで、風邪のひき始めには卵酒がよいといわれてきたようだ。ただし、あまり強く熱をかけると、卵白のリゾチームは変化してしまうので、半熟程度がよいと考えられる。卵酒を湯煎でつくるのは、こんなところに意味がある。

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