わざわざ回り道して大きな森を抜け、昼食用の弁当(見出し写真)を買いに出かけた。
森を抜けたのも弁当を求めるのも特段の理由があるわけでなく、単なる気まぐれの域を出ない。
まぁ、強いて理屈めいたことを挙げるとすれば、このコロナ禍、基礎疾患のあるジジイは人混みを避けつつコロナが克服できるような日が来るまで体力維持にこれ努めるのが賢明だろうと、散歩と気分転換と体力錬成(ちょっとオーバーだけど…)などに加えて、小腹も満たすための、いわば生きるための行動と言ってよい。
う~む、何と崇高な、そして目的意識の高い行為でありましょうや。
フーテンの寅さん流に言わせてもらえば ♪たいしたもんだよカエルのショウベン 見上げたもんだよ屋根屋のフンドシ…であります。
森を抜けたのは、春の息吹がどこかに現れてやしないか…、もしや気の早いウグイスでもいて、ホーホケキョと初音を聞かせてはくれまいか…と、こちらもずいぶん気の早いことを思ったのだが、そう簡単に問屋は卸してくれず、ウグイスの地鳴きさえ聞こえず、道端の枯れた草の中に数えるほどのオオイヌノフグリが咲いているのを見つけただけでありました。
それでも歩くこと40数分。
それでも歩くこと40数分。
店内を覗くと有りました有りました、買おうと思っていた弁当が♪
駅弁が美味しいのは言うまでも無いけれど、あれは列車の揺れに身を任せて食べると実際の味よりおいしくなるという不思議な食べ物。
カップ酒をお供に味わいたいものだが、やはりこの時期、そうそう単純に列車に乗れるわけでもない。
デパートの催事場で開かれる駅弁大会は今でも盛況なんだろうか。いやっ、そもそもそんな催事が話題にすらなっていないような気がする。
そこで恋しくなるのが、大手資本のスーパーに負けてなるものかと奮闘する地元のスーパーが作る手作り弁当。
これがそんじょそこらの弁当に非ずして、見目麗しく情け有り…
ジャンルで言えば「のり弁」なのだが、シャケがデンと乗っている「シャケ弁」でもある。
そんなわけだから美人コンテストに出れば堂々と女王の座に就いてしまうというシンデレラガールの才色兼備♪
しかも何と580円ナリのコスパを誇る我らが地元の女王様なのであります。
コロナ禍にあっていわゆる外食産業の売り上げが伸びず、その代わりデパ地下やスーパーの総菜やら少し手の込んだ見た目も美味しそうな弁当の、いわゆる中食が売り上げを伸ばしている時代である。
そうした中で全国のスーパーやコンビニ、専門店を対象にした「デリカテッセン・トレードショー」という催しが開かれていて、その中のコンテスト「お弁当・お惣菜大賞2020」ののり弁部門で見事最優秀賞に選ばれちまったのが、我らが地元スーパーの580円ののり弁なのであります。
ちなみにこの2020年度のコンテスト各部門にエントリーしたのは合計5万2692点だそうで、のり弁部門には3022点が集まり、その中から見事に頂点を極めたというからスゴイ。
なんと誇らしいことでありませう。快挙であります♪
どうです? これで真冬に森の中を含めて40数分(帰り道は森を通らず上り坂なので25分くらい)も歩いて、わざわざ弁当を買いに行くという酔狂の意味がご理解いただけたんじゃないかと。
…ってな訳なんです。
ええ、家では列車に揺られている「つもり」でカップ酒まで用意しましてね…はい♪ 外の景色は動きませんが、ちびりちびりやりながら…やっぱり美味しゅうございましたとも♪