散髪に行ってきた。
じっと座っているだけで自分では何もできず、しかも耳元で金属製のハサミのシャカシャカと鳴る音を聞いていなければならない。
仰向けにひっくり返されて首筋やのどぼとけに鋭利なカミソリの刃を当てられるに及んでは、もはや生きた心地がしない。
ナンマンダブ ナンマンダブ
そんなわけでボクの場合は散髪屋に行っても髪の毛だけ切ってもらい、他のことは一切頼まないで早々と店を後にする。
これだとほんの十数分で済むから、時間の節約にもなる。財布の負担もやや軽くなる。
そもそも散髪中に話しかけてくる店員がいるが、気を散らさないで散髪に集中してくれよと思うし、親しくもない人間と会話なんてしたくもない。
第一、今時のエチケットとして他人の顔のすぐそばで、いかにマスクをしているとはいえ散髪する間中、口をパクパクさせるなんてのはご法度のはずだろう。
こちらは散髪中マスクを外させられて無防備になるのだから。
禁止とまでは言わないにしても、感染リスクは高まるはずだから黙ってチャックしていればいいのだ。
それやこれやでボクは椅子に座ってどういう風に切ってもらいたいかを伝えるとすぐに瞼を閉じてしまう。
沈思黙考するから話しかけないでくれ、という意思表示なのだ。
これは案外効き目があって、十中八九、いや、それでも話しかけてくるような空気の読めないおしゃべりには今のところ出会ったことがないから威力は折り紙付きである。
振り返ってみれば、前回9月の前は外出自粛要請などが出っ放しになっていたこともあって5か月ぶりに散髪したのが6月だった。
あの時はホントに鬱陶しくてかなわなかったが、散髪後のヤレヤレ感は今でも忘れられない。
それにしたって、何にも気にせず好きな時に散髪はもちろん、思いつくことを端からやれる世の中に早く戻ってほしい。
かつて「行動変容」っていう聞きなれない言葉が飛び交って、それなりに市民権を得ていた時期もあったが、もはやその言葉にさしたる威力も残っていないように見える。
その証拠に行動変容なんかどこかにうっちゃっちゃって、Go To ナントカに飛びつくような、思いつくまま行動しているような‶行動自由〟を率先する輩も少なくないようだ。
そんなわけで、これからさらに寒さが募り、流行が拡大して行けば散髪どころではなくなると思い、加えて正月も近づいてくるし、今のうちにさっぱりしておこう、「今でしょっ!」というのが散髪の動機である。
随分と短く刈ってもらったから、次は春分の日が過ぎて昼と夜の長さが逆転するころまで我慢できそうだ ♪
そのころには、その後の展開がどうなりそうか、多少なりとも方向性が浮かび上がっているといいね。
(見出し写真はノコンギクと一緒に繁るマンジュシャゲの葉 花の時期にはお目にかかったことがなく、マンジュシャゲの葉を認識することも無かったが、最近になってそう言えばここにマンジュシャゲがたくさん咲いていたなぁと認識を新たにした次第)