雨はようやく上がったらしい。
いつも通り4時に起き出して外の様子をうかがうと、間もなく沈みそうな満月が西の空に浮かんでいる。
それにしても冷たい雨と冷たい風が強く吹き付けたものである。
寒いうえに嵐のような1日で、あれだけいたぶられれば、いくらなんでもサクラは散ってしまっただろう。
「花ニ嵐ノタトエモアルゾ」どおりになった。これが春なんである。
今日からもう「さめても胸のさわぐなりけり」の心配もないし、「春の心はのどけからまし」なのである。
土曜日のサイレン大合唱を招いた車転落騒動の続報が入ってきた。
3メートル下の隣家の庭にダイビングした車の持ち主は、てっきり隣家の住人と思い込んでいたが、そうではなかったようである。
妻が自治会主催のヨガ教室で聞き込んできた話によると、道路を1本はさんで3軒ほど斜め前の家の車だという。
事故を起こした車は買ったばかりの新車で、家のガレージから道路に飛び出し、あろうことか車のなかった他人の家の駐車場に飛び込んでそのままフェンスを突き破って転落した、というのである。
腑に落ちない話である。
聞いてきた通りだとすると、操作に不慣れな車でクランク状に車を走らせたことになる。
超スピードで走ったわけではないだろうから、右に左にクランク通過のハンドルが切れるようなら、どこかの段階でブレーキを踏むことくらいできただろうにと考えるのが普通である。
まぁ、想定外のことが起きたからこそ事故につながったんだろうから、真相は分からないが、少なくても自宅の近くで他人の家の駐車場に車を突っ込むというようなことは、方向転換をしたくたって遠慮するはずである。
事故の翌日にたまたま事故現場の家の前を通ったのだが、駐車場の先には隣家が迫っていて壁のようになっている。駐車場にまっすぐ入ったとすれば、家にぶつかるような感じになるはずである。
だから、おそらく事故を起こしたドライバーは家に突っ込むのを避けようとしてハンドルを切ったようである。
その証拠に、直角ではなく45度ズレた方角に落ちていたのだ。
とっさのハンドル操作の前にブレーキを踏めよ! と言いたい。
運転していた斜め前の住人はボクより少し歳上らしいから、古希を過ぎたあたりと思われる。
妻に話してくれたご近所さんンは、しきりと「新車なのよ」を繰り返していたらしいが、不慣れと言ったって限度があるだろう。
アクセルから足を離せばやがて止まるし、それよりもなによりもブレーキを踏みさえすれば済む話である。
アクセルもブレーキも車種が違っても同じ配列である。ハンドルの位置が違う車だって足のペダルの位置は同じなんである。
しかし、パニクッちゃったんだろうねぇ。
事故るんなら自分の家の敷地内にとどめておけばいいものを、無関係な2軒のご近所を巻き込むんだから念がいっている。
歩道に人が歩いていなくてよかったねぇ。くわばらくわばらですなぁ。
想定外に対する対処というものを考えておかなければいけないのかと思うが、考えた段階ですでに想定内になってしまうし、結局のところイタチごっこのような形になってしまうのかしらん。
用心深く、注意深い人にとっては何事も想定の内であって、想定外という概念も言葉もありえないということか。
近所の公園の池には体長50センチ前後のコイがたくさんいて、人の気配に近寄ってくる。この金色のコイの胸と尾のヒレはとても長くて目についた。他のコイと比べると際立つ
最新の画像もっと見る
最近の「随筆」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事