果物王国の山形の友人から、例えば有名なサクランボとか、季節季節の美味しい果物が送られてきて恐縮ばかりしている。
採れない果物は無いというくらいの土地柄だが、唯一、手も足も出ないのが柑橘類だそうである。
気温が低いので暖地に育つ柑橘類の栽培には向かないそうだが、そこでわが家からの返礼品として唯一、光を放つのがこの柑橘類である。
幸いなことに我が家には甘夏ミカンとレモンが植えてある。
どちらも成熟した株には育っていない若木の部類だが、甘夏ミカンを試しに贈ったところ大いに喜ばれた。
ただし、レモンの方は皮が厚くて実の部分が貧弱で、しかも超酸っぱいとあって送ってはいないが「気付け薬を所望したい」と有らば、対応は可能である。
その貴重な返礼品が実る甘夏ミカンが今年はただの1個も実らなかった。
理由はどうやらせん定の失敗にあるらしい。
もちろん、株全体をチョキチョキちょん切ったわけではないのだが、せん定した後は何故か花が一輪も咲かず、花が咲かなければ実も生らないのは当然なことで、結果を受け入れるしかなかったわけである。
手を付けなかった枝もあるのだから、そこには花が咲いてくれても良かったのに…と思うが、夏ミカンの身になってみればそうもいかないのかもしれない。
とにかく、「ひと粒も生らないんだ」と告げると、友人はがっかりしたようだったが、こちらも途方にくれてしまった。
で、失敗以降、肥料をくべて見守ってきたら今年は見事に復活して、去年の分も…と言うくらいたくさんの白い花を咲かせ、辺り一面に柑橘独特の強い芳香を漂わせている♪
この花のすべてが実に変わったとしたら、枝が持つわけがないが、そこは自然界のすごい所で、自分自身で摘果をして必要な実だけを残して後は落としてしまうことになるのだろう。
その甘夏ミカンの勢いに刺激されたわけでもないだろうに、レモンの方も実にたくさんの花を咲かせ、これもまたかなり強めの方向を漂わせ、存在を主張しているのが心強い♪
ただし、こちらも自分自身で身の丈を越えないように摘果するから、実際にはどれくらい生ってくれるか分からないが、楽しみなことではある。
出来るだけたくさん成ってほしい♪ …そういう欲張りな期待を抱きつつ、芳香を嗅いでひとり悦に入っている♪
甘夏ミカンの花
レモンの花