起きてみると、雨がシトシト落ちてきている。
この夏、何度も出会ってきた降り方。梅雨はとっくに開けているのに…
降ってるんだか降っていないんだか、境界すらはっきりしないためか、ヒグラシが鳴き始める。
しかし、ヒグラシも何か様子がいつもと違うと感じるんだろうな、いつもより短い時間鳴いただけで、すぐ鳴き止んでしまった。
すると今度は遠くの山が白くかすみ始め、屋根や木々の葉に当たる雨粒の音が次第に大きくなっていく。
ベランダの床に雨粒が躍り出すのを見て、服を脱ぎ棄て、雨に打たれてみる♪
風がないから雨はまっすぐ落ちて来て頭の天辺や両肩に当たって弾ける。
小さな子供だとはしゃぐのだろうが、しみじみと雨に当たる。
こんな真似をするのはいつ以来だろうか、と…
しばらく続いたかと思うと、突然…パタッと止む。
何の前触れもなく止んでしまった。
雨が止むと、鳴き止んでいたヒグラシが鳴き出し、セミ時雨が始まった。
2段階奏鳴法!?
すると、呼応するように雲の奥底からゴロゴロという音が聞こえてきて、負けじとヒグラシの鳴き声も一段と大きくなる。
ゴロゴロ…カナカナ…カナカナ…ゴロゴロ…
少し風が出てきたようで、蒸した空気がいくらか掻き混ぜられて涼しさが混じるようになってきた。
あっ! また音を立てて雨粒が落ちてきた…
いやっ、もう止んでしまった。
またヒグラシ復活。
三段階奏鳴法?!
んっ!? また音を立てて降り出し…
随分と成長した早苗が広げる緑のじゅうたんの上で風がはしゃいでいる
耳を澄ますとさわさわさわさわと音が聞こえる
山口誓子の「海に出て木枯し帰るところなし」は大好きな句だが、早苗の上ではしゃぐ風も又愛い奴である
出来ることなら真似してみたい
何時まで見ていても飽きない♪
田んぼの脇のヒマワリも風と遊んでいる♪
ワァーワァーキャーキャーの歓声が聞こえてくる
遊びをせんとや生まれけん
満面の笑顔♪