湘南海岸自転車道に赤トンボが群れ飛び始めた。
例年の事で、いつも夏の盛りをやや過ぎたころから現れ、夏大好き人間に「夏はそろそろおしまいですよ」と告げに来ているようで、季節の移ろいを告げる使者として、あるいは風物詩の一つとして絵になる存在ではあるが、行く夏を惜しむ気持ちは切ないほど燃え盛り、気分は複雑である。
そんなことを漠然と考えながら風を切って自転車を漕いでいくと、彼らは彼らで哨戒飛行中であり、ボクをテリトリーに入り込んだ不法侵入者として追い出しにかかり、その威嚇のために緊急発進してきたわけだから、顔をめがけて超スレスレに飛行して時々顔にぶつかりそうになる。
もっとひどい時、例えばボクが速度を上げて走っている時、呼吸も荒く口を開けて息をしなが漕ごうものなら、口中に飛び込みそうになるトンボがいて、羽の一部が舌に触れたりして慌ててペッペと吐き出すようなことも1度や2度ではない。
彼らも必死なのだと思うと、なんだか申し訳ないような気もするのである。
やはり、速度は落として大人しく走る方が摩擦は少ないのではないか…そうも思う。
この赤トンボの群舞はまだ規模は小さめだが、やがて秋が進むとその数を増し、まさに口の中に飛び込みそうになったり、頬に触れそうに飛ばれるのは日常茶飯となる♪
ボクが日常的にパトロールしている境川河口から相模川河口まで10km余りの自転車専用道路を中心としたエリアでは、途切れることなく全域で乱舞するのである♪
群とんぼ仰ぎて頬にもふるるあり 皆吉爽雨
赤とんぼみな母探すごとくゆく 細谷源二
屋久島や海より生(あ)るる赤とんぼ 秋篠光広
サーファーの上を飛ぶ赤とんぼ
胸の前に6本の脚をピタッとたたんだ姿勢で…
う~ん 何という雄姿♪
伊豆大島を背景に
この画面には6匹写っている
漁船2隻、ジェットスキー2台、伊豆大島を背景に飛ぶ我らが赤とんぼ♪
海と空の境をパトロール中
風になり切っているがごとく…
素早く飛翔するトンボをiphoneで捉えるのは難しいが、何枚かサマになったものを掲載
海砂が溜まった自転車道脇に不時着し、近づいてもじっと動かなかったショウジョウトンボ
群舞していたのはこの仲間たちだろうと思われる