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かもめの水兵さん
ならんだ水兵さん
白い帽子 白いシャツ 白い服
波にチャップ チャップ
うかんでる ♪
ご存じ童謡の「かもめの水兵さん」の歌詞だが、この歌のイメージを人に問えばほとんどの人が「夏の海の光景」と答えるのではないか。
そもそも白づくめの服装で波と親しげにチャップチャップしているところなど、寒い冬の光景とは到底思えない。
現にヨコスカの護衛艦隊や米第7艦隊の水兵を見ればわかることだが、白い服は夏服で冬には着ない。
だからこの童謡は夏の光景を歌にしたものだろうと、フツーは思うのだが、そうは問屋が卸さない。
そもそも日本の夏の海にカモメはいないのである。
んんんんんっ??????
種明かしすると(ネットによると)…、チドリ目カモメ科カモメ属のカモメは越冬のために秋から冬にかけて日本に飛来する「渡り鳥」なんだそうである。
春から夏にかけてはアラスカやユーラシア大陸北部、カナダ西部で暮らし、寒さを避けて日本に飛来するが、春になると繁殖のために戻っていくんだそうな。
だから日本の夏にはいない鳥がこの童謡の歌詞に読みこまれているということになる。
もっとも作詞者がどこでこの歌詞を作ったのか、ひょっとすると夏のアラスカ旅行をした折かもしれないし、カナダ西部だったかもしれない。
アラスカやカナダなら目の前の夏の海にカモメが飛んでいる、遊んでいる。
しかし着想を得たのは日本の海ということになると…
夏場、日本にいるのはカモメによく似たウミネコで、ご丁寧に「目」も「科」も「属」までカモメと一緒だそうだ。
そしてカモメとウミネコは白い服に灰色の羽の外観がよく似ているうえに、大きさもほぼ同じ。
違いは鳴き声とウミネコには黄色い目の周りに赤いアイリングがあり、カモメより数段、目つきが鋭く見えるんだそうな。
眼光の鋭い、にらみを利かせた水兵さんなんて、そもそも童謡にはふさわしくないと思いません?
湘南・片瀬漁港
目の前に江ノ島が浮かぶ
昼下がりの漁港と海鳥
カモメに似ているけれど夏の海辺にいる海鳥はウミネコ
目つきが鋭く見える
強面ぞろいなのだ
この辺りは定位置らしく、落とし物であたりは真っ白
井戸端の代わりに、岸壁端会議でもしてるんだろう